Dribs and Drabs

ランダムな読書歴に成り果てた

日本再建イニシアティブ『現代日本の地政学:13のリスクと地経学の時代』中央公論社(中公新書)

独立系シンクタンク「日本再建イニシアティブ」による著書で,中公新書からは『民主党政権 失敗の検証 - 日本政治は何を活かすか』に次ぐもの。地政学に対する自分の興味が強まっている中で(地政学について知りたい - Dribs and Drabs),「現代の」「日本…

藤田博司『「集合と位相」をなぜ学ぶのか:数学の基礎として根づくまでの歴史』技術評論社

「集合と位相」をなぜ学ぶのか ― 数学の基礎として根づくまでの歴史作者:藤田 博司技術評論社Amazon確かにこれはユニークな本であって,著者が言うように 本書はこの「集合と位相」という科目の,教科書ではありません だし, 「集合と位相」で講じられる内…

トム・ヴァンダービルト『となりの車線はなぜスイスイ進むのか?:交通の科学』早川書房

期待していたような「交通の科学」の本ではなかった(エンジニアリングというよりは心理学的寄りだった)し,洋物の本でたまにある,「なんか構成がよく分からなくて話題が散発的に続いている」感じの本であった。となりの車線はなぜスイスイ進むのか?――交通…

高階秀爾『近代絵画史:カラー版』中央公論社(中公新書)

「もっと深く絵画を理解したい」という気持ちはずっと抱いていました。この本を読もうと思ったのは,それがきっかけです。カラー版 - 近代絵画史(上) 増補版 - ロマン主義、印象派、ゴッホ (中公新書)作者:高階 秀爾中央公論新社Amazonカラー版 - 近代絵画史…

坂野潤治『日本近代史』筑摩書房(ちくま新書)

朝鮮思想史,三国志と読んだので,つぎは日本史の本を読んでみようと思い手にとったのですが,無知な僕には敷居が高うございました。(書店で立ち読みした時点で分かれよ,という話ですが。)日本近代史 (ちくま新書)作者:坂野 潤治筑摩書房Amazon 本書は,…

清水真人『財務省と政治:「最強官庁」の虚像と実像』中央公論社(中公新書)

財務省の文書改竄事件で盛り上がる今,読むべき本はこれでしょうと思って手に取りました。そういう意味で期待していた内容とは違っていたのですが,まぁそうじゃなくても面白かった。そのタイトル通り,財務省(あるいは旧大蔵省)が政治のプロセスにいかに…

横山光輝『三国志』潮出版社(潮漫画文庫)

これまた本当に今さらなんですが,横山光輝の『三国志』を読みました。三国志 (1) 桃園の誓い (希望コミックス (16))作者:横山 光輝潮出版社AmazonAmazonマーケットプレイスで,全60冊をまとめ買い。10日で読み切ってしまいました。三国志 文庫版 コミックセ…

久保拓弥『データ解析のための統計モデリング入門:一般化線形モデル・階層ベイズモデル・MCMC』岩波書店

喫緊の必要性があるわけでもないんですけどね。この方に影響されて(データサイエンティストもしくは機械学習エンジニアを目指すならお薦めの初級者向け6冊&中級者向け15冊(2017年春版) - 渋谷駅前で働くデータサイエンティストのブログ),いわゆる「み…

たまにはアルファベット順に曲を聴いてみるのもいいもんだ

iTunesで新しくアルバムを書い続けても結局お気に入りのものしか聴かなくなるんですが,アルファベット順に「A」から曲を聴いていくと,なかなか面白いものがあります。 全11,000曲の最初と最後は 「A」から始まって数字に移って最後は日本語になるので,最…

菅原潤『京都学派』講談社(講談社現代新書)

曲がりなりにも京都の大学に通い,そして1ページでもあっても西田幾多郎の『善の研究』を読んだ身としては,本書を読まずにはいられませんでした。「京都学派」なる言葉はうっすらと聞いた記憶がありながらも,そこに属する人たちが第二次世界大戦後に「好戦…