Dribs and Drabs

The author hereby agrees to cover each and every topic that caught his attention.

寺澤辰磨「中南米経済の真実」,『証券アナリストジャーナル』52(5),pp.69-72

抜粋
  • 一方のアルゼンチンは,現在急激な通貨切り下げ圧力を受け経済は停滞しているのに対し,コロンビアの通貨は安定し経済も良好に推移しています。
  • 両国の経済政策の結果を比較するには,まず,第2次世界大戦後の国連ラテンアメリカ経済委員会(ECLAC)が中南米各国へ行った提言から始めるのが適当と考えられます。というのも,両国ともこの提言に基づき同じ政策を採用したからです。
  • (「シンガー=プレビッシュ命題」は,)中南米を典型とする発展途上国の主たる輸出品は農産物や鉱工業原材料等第1時産品であるのに対して,先進国の輸出品は工業製品であることに着目し,経済成長に伴い工業製品の需要は増加するが農産品の需要はそれほど増加しないため,先進国に対する発展途上国の交易条件は構造的悪化をたどるという理論です。
  • この命題に基づいて提言された中南米諸国への戦略が,第1に輸入代替工業化政策であり,第2に地域経済統合による市場拡大という政策でした。
  • このモデルは政府による保護政策によるものですから,次第に生産性の停滞が始まり,国によっては労働政策でポピュリズムを採用したため,ハイパーインフレーションや軍事クーデターが発生しました。
  • アルゼンチンは(…)基本的に労働者に対し甘い政策を維持して,財政規律を破り国の経済力を弱体化する政策を維持します。
  • コロンビアの場合は,アルゼンチンほど工業化が進展しておらず,労働者階級の力が強くなかったこともあって,ポピュリズム政権が誕生しませんでした。
  • 「シンガー=プレビッシュ命題」は,経済学的には正しくない理論であり,中南米諸国は国連による間違った指導の被害者といえます。