Dribs and Drabs

ランダムな読書歴に成り果てた

モードリス・エクスタインズ『春の祭典:第一次世界大戦とモダン・エイジの誕生』みすず書房

原書のKindle版とみすずからの翻訳とで,すごい価格差ですが……。

春の祭典 新版――第一次世界大戦とモダン・エイジの誕生

春の祭典 新版――第一次世界大戦とモダン・エイジの誕生

 
Rites of Spring: The Great War and the Birth of the Modern Age

Rites of Spring: The Great War and the Birth of the Modern Age

 

確か「ピナ・バウシュ 春の祭典」でググったら出くわした。

みすず書房のページはこちら:
http://www.msz.co.jp/news/topics/07503.html
http://www.msz.co.jp/book/detail/07503.html

〈幕が上がり、踊り手が登場し、高く飛び跳ねてトウダンスのステップを踏むが、彼らは伝統を無視し、外足で踏むべきステップを内足で踏む。たちまち客席に怒声が飛びかい、非難の声が上がる。…… 観客の高尚な趣味と自尊心は手酷く傷つけられた。客席の抗議はそこに発していたのだ。侮辱されたと感じた者は踊り手をなじったが、逆に『祭典』の支持者からは喝采がわき起こり、こうして戦いがはじまった。〉

1913年5月29日、パリのシャンゼリゼ劇場を大混乱に陥れたバレエ『春の祭典』の初演から、第一次世界大戦西部戦線での塹壕戦と新しい兵器、1914年のクリスマスイヴに行われた〈敵兵との交歓〉、リンドバーグの大西洋単独横断飛行への興奮、空前のベストセラーとなったレマルクの『西部戦線異状なし』、そしてヒトラーへの賞賛とナチス崩壊まで。兵士の実像とトラウマ問題に着目し、大戦後のヨーロッパの絶望と熱狂を追った、壮大かつ読みごたえのある文化史。

目次
地図
謝辞
はじめに

プロローグ ヴェニス
第1幕
第1場 パリ
生贄の踊り/一九一三年五月二十九日/シャンゼリゼ劇場/ディアギレフとロシア・バレエ団/反乱/対決と解放/観客/成功というスキャンダル
第2場 ベルリン
聖なる春/序曲/技術/首都/クルトゥーア/文化と反乱/文化としての戦争
第3場 フランドルの戦場で
異郷の戦場にて/八月の砲声/地には平和を/なぜ起こったか/ヴィクトリア朝時代/紅茶に入れる蜂蜜はまだありますか
第2幕
第1場 戦争の祭典
戦場のバレエ/主旋律/価値の転換
第2場 狂気における理性
軍の規律に服して/義務/
第3場 聖なる踊り
軍神/会衆
第4場 内面への旅路
芸術としての戦争/形式としての芸術/芸術と道徳/前衛
第3幕
第1場 ナイト・ダンサー
現代のキリスト/スター/忘れてはならない/旅程と象徴
新世界と旧世界/ロシア・バレエ団の残照
第2場 記憶
戦争ブーム/死のなかの生/名声/雲の手品師
第3場 終わりのない春
目覚めよ、ドイツ!/戦争体験/生としての芸術/現実としての神話/終わりのない春

訳者あとがき
原注
参考資料
索引

著訳者略歴