Dribs and Drabs

ランダムな読書歴に成り果てた

トーマス・トウェイツ『ゼロからトースターを作ってみた結果』新潮社(新潮文庫)

原著が出版されたのが2011年,この文庫版が出たのが2015年なので,本当に「今さらながら」なのですが,読んでみました。

  • 翻訳の「軽いノリ」は,原文を読んでいないので何とも言えない。まぁベストではないけど,いいのではないでしょうか。
  • 鉄を作るための溶鉱炉も自作するのだと思っていたけど,そこまでは過激じゃなかったんですね。
  • 鉄鉱石から鉄を作るために「500年前の教科書」が役立った,というのは,示唆的だった。
  • 「マイカ」という素材を得るために,スコットランドの陸の孤島「ノイダート半島」まで行くのが面白かった。Fort William から Mallaig まで行って,そこから船に乗ることでたどり着けるんだとか。(ちなみに私はこの Mallaig 近くのゴルフコースに行ったことがあります)
  • 最後の方に突如としてあらわれる「哲学的な思索」っぽいのは,いらね。
  • 「解説」の中で finalvent 氏は「私たちの近代・現代という社会がどういう社会なのか,その社会の仕組みを暴露する。産業革命以前の世界と私たちの世界を結び直すことになる。難しい言い方をすれば,本書には現代世界の批評的な意味がある。工業生産とはなにか。この思索は本書の終わりでしんみりと展開され,ちょっと考えさせられ,哲学的な気分になる」と書いてるけど,ホントにそんな気分になったんですかね。
  • そもそもこれって「解説」か?

500