Dribs and Drabs

ランダムな読書歴に成り果てた

井上真琴『図書館に訊け!』筑摩書房(ちくま新書)

大学図書館に勤務し,「図書館という存在は『人類の巨大なレファレンス・ブック』だ」と考える著者が,図書館の使い方を説く本。論文も書かず大学を辞めた自分にとって図書館とは,なんとなく入って背表紙を眺める場所/喫茶店代わりの勉強する場所/借りたら返さなければならない本=所有欲を満たしはしてくれない書物のある場所,でしかなかったので,この本に書かれている図書館の使い方(特にレファレンス・ブックやレファレンス・サービス),あるいはその先にある知的営為(資料を探り・集め・集約し・その上で自説を展開する)というものが,自分にとって決定的に欠けていることだなぁと,改めて思い知らされました。