Dribs and Drabs

ランダムな読書歴に成り果てた

2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

椎名美智『「させていただく」の語用論:人はなぜ使いたくなるのか』ひつじ書房

「させていただく」の語用論—人はなぜ使いたくなるのか作者:椎名美智ひつじ書房Amazon 軽い気持ちで手を出してみたら,ゲップが出るぐらい本気の研究書だった. この本のエッセンスは以下の記事で十分掴み取れると思うんだけど, 氾濫する「させていただきま…

マンジット・クマール『量子革命:アインシュタインとボーア、偉大なる頭脳の激突』新潮社(新潮文庫)

量子革命: アインシュタインとボーア、偉大なる頭脳の激突 (新潮文庫)作者:クマール,マンジット新潮社Amazon どこで目にしたか忘れたけど,「量子力学を記述するには,その歴史に沿ってやるか,そういうのは置いといて式でやるかのどっちかだ」と書いてる人…

佐藤友亮『身体知性:医師が見つけた身体と感情の深いつながり』朝日選書

身体知性 医師が見つけた身体と感情の深いつながり (朝日選書)作者:佐藤 友亮発売日: 2017/11/13メディア: Kindle版 内田樹との対談でミソがついたというか,いや,内田さんの合気道とか身体論に関する言説は面白いんだけど,昨今の政治的(なものに絡む)言…

アイザック・アシモフ『化学の歴史』筑摩書房(ちくま学芸文庫)

化学の歴史 (ちくま学芸文庫)作者:アイザック・アシモフ筑摩書房Amazon 理学部出身なくせに入試でも化学はまったく苦手だった.これを読んで少しは興味を抱けるかと思ったけど,やっぱりダメだった.... 「あの頭脳を切り落とすにはほんの一瞬しかかからなか…

片山洋次郎『整体 楽になる技術』筑摩書房(ちくま新書)

整体 楽になる技術 (ちくま新書)作者:片山 洋次郎筑摩書房Amazon この本が最初に出たのが2001年11月か.当時はこの本にものすごくハマって(「他の誰も知らないようなことを僕は手に入れた!」みたいな),むさぼるように読んだ記憶があるんだけど,いま再読…

武田俊太郎『量子コンピュータが本当にわかる!:第一線開発者がやさしく明かすしくみと可能性』技術評論社

量子コンピュータが本当にわかる! ― 第一線開発者がやさしく明かすしくみと可能性作者:武田 俊太郎技術評論社Amazon 山形浩生のブログでこの本を知った気がするんだけど,気のせいか? いずれにしろ,非常に「分かった気にさせてくれる」のが上手い本で,話…

スコット・アーロンソン『デモクリトスと量子計算』森北出版

デモクリトスと量子計算作者:スコット・アーロンソン森北出版Amazon なんだろうこの本.クセのあるユーモア.圧倒的な情報量と広範囲なスコープ.理解できるだけの知識がまったく自分にないのは明らかなのに,大好き. 下準備してまたいつか再読しよう. 007…

佐道明広『自衛隊史:防衛政策の七〇年』筑摩書房(ちくま新書)

自衛隊史: 防衛政策の七〇年 (ちくま新書)作者:佐道 明広筑摩書房Amazon 教義の自衛隊史にとどまらず,日本の安全保障,日米関係(安保),本土と沖縄との関係,そして民主主義というものを俯瞰し,そしてそれらについて考えさせられるという,非常に骨太な…

忽那賢志『専門医が教える新型コロナ・感染症の本当の話』幻冬舎(幻冬舎新書)

専門医が教える新型コロナ・感染症の本当の話 (幻冬舎新書)作者:忽那賢志幻冬舎Amazon 「ぼくのかんがえた,さいきょうのコロナたいさく」*1なんかではなくて,「国立国際医療研究センター国際感染症センター国際感染症対策室医長」という,本当の専門家が書…

中澤渉『日本の公教育:学力・コスト・民主主義』中央公論社(中公新書)

日本の公教育 - 学力・コスト・民主主義 (中公新書)作者:中澤 渉中央公論新社Amazon 内容的にちょっと肩透かし....むしろ「日本の公教育を検討・分析するためのフレームワーク」といったところで,概念的な話が多かった. 話としては,教育には正の外部性が…

牧野成一『日本語を翻訳するということ:失われるもの、残るもの』中央公論社(中公新書)

日本語を翻訳するということ - 失われるもの、残るもの (中公新書)作者:牧野 成一中央公論新社Amazon 「翻訳論」というよりは「翻訳をすることから見えてくる日本語論」で(だからNDCも810〔日本語〕になってる),そういう意味では書名通りなんだけど,ちょ…