Dribs and Drabs

ランダムな読書歴に成り果てた

2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧

中村圭志『教養としての宗教入門:基礎から学べる信仰と文化』中央公論新社(中公新書)

教養としての宗教入門 - 基礎から学べる信仰と文化 (中公新書)作者:中村 圭志中央公論新社Amazon 包括的でコンパクト。冷めた視線で宗教を熱く見る。まさにこんな本を読みたかった,という感じ。 本書が想定している読者は,宗教に関心はあるのだが,別に信…

大鹿靖明『金融庁戦記:企業監視官・佐々木清隆の事件簿』講談社

金融庁戦記 企業監視官・佐々木清隆の事件簿作者:大鹿靖明講談社Amazon まぁこういうお話は〈痛快〉ですよね。〈金融庁戦記〉っていうメインのタイトルはあとづけで,本質は〈佐々木清隆の事件簿〉。この異色の人物に焦点を当てているのだが,著者があとがき…

マルコム・グラッドウェル『天才!成功する人々の法則』講談社

天才! 成功する人々の法則作者:マルコム・グラッドウェル講談社Amazon 〈天才〉についての話だけが出てくるわけではないし,〈成功する人々〉の話だけが出てくるわけでもない。そういう意味でこの邦題は徹頭徹尾ずれているけれど,原題も『Outliers: The Sto…

前田健太郎『市民を雇わない国家:日本が公務員の少ない国へと至った道』東京大学出版会

市民を雇わない国家: 日本が公務員の少ない国へと至った道作者:前田 健太郎東京大学出版会Amazon 2015年のサントリー学芸賞〔政治・経済部門〕受賞*1で,非常にまっとうな学術書。「博士論文…に大幅な加筆・修正を施したもの」というだけで,どのような本か…

ダニ・ロドリック『グローバリゼーション・パラドクス:世界経済の未来を決める三つの道』白水社

グローバリゼーション・パラドクス: 世界経済の未来を決める三つの道作者:ダニ ロドリック白水社Amazon 〈訳者あとがき〉に内容がサマライズされていて,それを読んだら「もういいかな」って気分になった。いわく, 本書の核となるアイデアは,市場は統治な…

アンドレ・ルロア=グーラン『身ぶりと言葉』筑摩書房(ちくま学芸文庫)

身ぶりと言葉 (ちくま学芸文庫)作者:アンドレ ルロワ=グーラン筑摩書房Amazon これもなんでこの本の存在を知ったのか覚えてないんだけど……。要するに進化論の話で,その内容は裏表紙が見事に要約している: 人類の進化の本質とは,突き詰めてみれば何なのか…

J.J.ギブソン『生態学的知覚システム:感性をとらえなおす』東京大学出版会

生態学的知覚システム―感性をとらえなおす作者:ギブソン,ジェームズ・J.,J. J. ギブソン東京大学出版会Amazon ギブソンが〈アフォーダンス〉という語を最初に用いたのがこの本らしいんだけど,「何なんだろう,この本は?」という印象しか持たない。〈完成を…