Dribs and Drabs

ランダムな読書歴に成り果てた

社会科学 Social sciences

伊藤亜紗『目の見えない人は世界をどう見ているのか』光文社(光文社新書)

目の見えない人は世界をどう見ているのか (光文社新書)作者:伊藤 亜紗光文社Amazon はじめに,この本の存在を教えてくれた同僚YKに感謝。とっても面白かった。 分類的には「視覚障害者」にフォーカスした「社会福祉」の本ってことになるのかもしれないけど,…

手島直樹『経営者こそ投資家である:企業価値創造のためのキャピタル・アロケーション』日本経済新聞出版

経営者こそ投資家である 企業価値創造のためのキャピタル・アロケーション (日本経済新聞出版)作者:手島直樹日経BPAmazon 著者の語り口がうまくて,415ページもあるのにどんどん読み進められる。理論とケーススタディーと引用(バフェットのがよく目につくけ…

林泰成, ダニエル・ドーラン『プロの英語:金融・会計の最新キーワード事典』日経BP社

プロの英語 金融・会計の最新キーワード事典作者:林 泰成,ダニエル・ドーラン日経BPAmazon かれこれ10年以上前になるか,自分が外資系/金融業界への転職を切望していたときに,この本を使って勉強してた。「金融」がまだキラキラしてた時代ですね。 英語の…

テロ対策を考える会『[テロ対策]入門:遍在する危機への対処法』亜紀書房

テロ対策入門: 遍在する危機への対処法作者:テロ対策を考える会亜紀書房Amazon この手の「なんちゃらの会」が書いた包括的で概説的な入門書にありがちだけど,門外漢にとっては面白くない。 その中でも面白いと思えたのは, 宮坂直史も,テロリストの目的,…

オバタカズユキ『大学図鑑! 2022:有名大学83校のすべてがわかる!』ダイヤモンド社

大学図鑑!2022――有名大学83校のすべてがわかる!ダイヤモンド社Amazon さっき近所の図書館の新刊コーナーで見かけて,「うわー懐かしー,まだあったんだー」って感じ。最初にこの本が世に出たのが1999年というから,だいぶ前ですね。他のとは一線を画す内…

西野智彦『ドキュメント日銀漂流:試練と苦悩の四半世紀』岩波書店

ドキュメント 日銀漂流――試練と苦悩の四半世紀作者:西野 智彦岩波書店Amazon 著者紹介:1958年長崎県生まれ。慶應義塾大学卒業。時事通信社で編集局、TBSテレビで報道局に所属した。著書に「検証経済迷走」「検証経済暗雲」「平成金融史」など。 政治と官僚…

中野貴之『IFRS適用の知見:主要諸国と日本における強制適用・任意適用の分析』同文舘出版

IFRS適用の知見-主要諸国と日本における強制適用・任意適用の分析- (法政大学イノベーション・マネジメント研究センター叢書)作者:中野 貴之 編著同文舘出版(株)Amazon 海外主要諸国や日本でIFRSを実際に適用して何がわかったか? 気鋭の会計学研究者が分析…

井上章一『愛の空間:男と女はどこで結ばれてきたのか』角川ソフィア文庫

愛の空間 男と女はどこで結ばれてきたのか (角川ソフィア文庫)作者:井上 章一KADOKAWA/角川学芸出版Amazon サブタイトルの通り,「男と女はどこで結ばれてきたのか」,要するにセックスする場所の変遷をたどったもの。 かつては屋外でするのが自然だったとか…

アンドリュー・ロス・ソーキン『リーマン・ショック・コンフィデンシャル 下:倒れゆくウォール街の巨人』早川書房(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

リーマン・ショック・コンフィデンシャル(下) 倒れゆくウォール街の巨人作者:アンドリュー・ロス・ソーキン早川書房Amazon 下巻で特に印象に残ったのは,ブリカス(イギリス政府及びバークレイズ,彼らの煮え切らなさで,リーマン破綻に向けた週末の奮闘が…

アンドリュー・ロス・ソーキン『リーマン・ショック・コンフィデンシャル 上:追いつめられた金融エリートたち』早川書房(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

リーマン・ショック・コンフィデンシャル(上) (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)作者:アンドリュー・ロス ソーキン早川書房Amazon 本書の核となるのは失敗の物語である。それは世界を屈服させ,資本主義の本質に疑問を投げかけた失敗だった。〔中略〕つまる…

バラク・オバマ『約束の地 下:大統領回顧録 1』集英社

約束の地 大統領回顧録 I 下作者:バラク・オバマ集英社Amazon オバマケアとかパリ協定とかギリシャ危機とかメキシコ湾原油流出とか中東問題とかビン・ラディン殺害とか,次から次へと難題に対処していくオバマの活劇といったところ。相変わらず緩急(ハード…

あずさ監査法人金融事業部『IFRS「新保険契約」:図解&徹底分析』中央経済社

図解&徹底分析 IFRS「新保険契約」〈改訂版〉中央経済社Amazon 仕事の関係で眺めてみた. 336.92

森功『地面師:他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団』講談社

地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団作者:森功講談社Amazon 積水ハウスの件で興味を持って読んでみた. 積水ハウスの「海喜館」地面師事件、発端は社内政治と「保身 積水ハウス、クーデターの深層」(藤岡雅)が指摘 : 市況かぶ全力2階建 が,積水ハ…

佐道明広『自衛隊史:防衛政策の七〇年』筑摩書房(ちくま新書)

自衛隊史: 防衛政策の七〇年 (ちくま新書)作者:佐道 明広筑摩書房Amazon 教義の自衛隊史にとどまらず,日本の安全保障,日米関係(安保),本土と沖縄との関係,そして民主主義というものを俯瞰し,そしてそれらについて考えさせられるという,非常に骨太な…

中澤渉『日本の公教育:学力・コスト・民主主義』中央公論社(中公新書)

日本の公教育 - 学力・コスト・民主主義 (中公新書)作者:中澤 渉中央公論新社Amazon 内容的にちょっと肩透かし....むしろ「日本の公教育を検討・分析するためのフレームワーク」といったところで,概念的な話が多かった. 話としては,教育には正の外部性が…

細野豪志『東電福島原発事故自己調査報告:深層証言&福島復興提言 2011+10』徳間書店

東電福島原発事故 自己調査報告 深層証言&福島復興提言:2011+10作者:細野豪志発売日: 2021/02/27メディア: Kindle版 この本にいろいろとケチをつけるのは簡単で,それは編者解題で開沼博が述べているように,「それは結局,自分(細野豪志)の功績強調・…

大嶽秀夫『ニクソンとキッシンジャー:現実主義外交とは何か』中央公論社(中公新書)

ニクソンとキッシンジャー 現実主義外交とは何か (中公新書)作者:大嶽秀夫中央公論新社Amazon 「現実主義外交とは何か」について,著者は冒頭でこう要約する. 国際政治については日本人も,それが熾烈な競争の場であり,各国が自らの利益を追求する中で諸外…

バラク・オバマ『約束の地 上:大統領回顧録 1』集英社

約束の地 大統領回顧録1 上 (集英社学芸単行本)作者:バラク・オバマ集英社Amazon 本を読むのは他人の人生を体験することだ,みたいなことを誰かが言ってたと思うけど,アメリカ合衆国大統領という唯一無二の職についた人間が書いた自叙伝には,さまざまな「…

ロバート・J・シラー『投機バブル 根拠なき熱狂:アメリカ株式市場、暴落の必然』ダイヤモンド社

投機バブル 根拠なき熱狂―アメリカ株式市場、暴落の必然作者:ロバート・J. シラー発売日: 2001/01/01メディア: 単行本 異常なまでに高騰したアメリカの株価の、暴騰と暴落のメカニズムを解明する。FRB議長グリーンスパンの名言を軸に、乱高下する株価の秘密…

小島庸平『サラ金の歴史:消費者金融と日本社会』中央公論社(中公新書)

サラ金の歴史-消費者金融と日本社会 (中公新書 2634)作者:小島 庸平中央公論新社Amazon 無意識的にもっと下賤な感じのものを期待してたけど,ぜんぜんそんなことはなくて,まっとうな研究の書だった.参考文献も充実してたし,著者も終章でこう言ってる. 本…

パスカル・ボニファス『最新世界情勢地図』ディスカヴァー・トゥエンティワン

増補改訂版 最新 世界情勢地図作者:パスカル・ボニファス,ユベール・ヴェドリーヌディスカヴァー・トゥエンティワンAmazon 装丁は綺麗になされているし,多く掲載されている地図も眺めていて楽しいんだけど,各項目に対する文章は「キャプション」程度の量し…

原彬久『戦後史のなかの日本社会党:その理想主義とは何であったのか』中央公論社(中公新書)

戦後史のなかの日本社会党 その理想主義とは何であったのか (中公新書)作者:原彬久中央公論新社Amazon 読んだのに記録してなかったな. 牧久『昭和解体 : 国鉄分割・民営化30年目の真実』講談社 - Dribs and Drabs これを読んだあとで,こんどは社会党の側か…

松尾匡『新しい左翼入門:相克の運動史は超えられるか』講談社(講談社現代新書)

どこでこの本を知ったのか覚えてないし,この著書の口調(なんだかなれなれしい)も好きじゃないんだけど,最後まで読み進めてしまった. 新しい左翼入門―相克の運動史は超えられるか (講談社現代新書)作者:松尾 匡講談社Amazon とりあえずここでは「左翼」…

吉田敦『アフリカ経済の真実:資源開発と紛争の論理』筑摩書房(ちくま新書)

Twitterで見かけたので読んでみた. アフリカ経済の真実 ──資源開発と紛争の論理 (ちくま新書)作者:吉田敦筑摩書房Amazon 先進国が「開発」という名のもとで結果的にアフリカの人々を不幸にしている,アフリカにはダイヤモンドなどや石油などの資源が豊富に…

リチャード・ホーフスタッター『アメリカの反知性主義』みすず書房

アメリカの反知性主義作者:リチャード・ホーフスタッターみすず書房Amazon 描きたいものは『ファンタジーランド』と同じなんだけど,だからこそ,この2段組で生真面目でサービス精神のかけらもないような本文を追いかけることはできなかった...(それこそが…

ミヒル・A・デサイ『HOW FINANCE WORKS:ハーバード・ビジネス・スクールファイナンス講座』ダイヤモンド社

ファイナンスの本を読むのはめっちゃ久しぶりだ.... How Finance Works ハーバード・ビジネス・スクール ファイナンス講座作者:ミヒル・A・デサイ発売日: 2020/02/06メディア: Kindle版 この本を構成している内容は他のファイナンスの本とほとんど変わらな…

日経コンピュータ『システム障害はなぜ起きたか:みずほの教訓』日経BP社

最近またみずほでシステム障害障害*1が起きているので,読んでみたこの本. システム障害はなぜ起きたか~みずほの教訓発売日: 2002/06/03メディア: 単行本 「みずほフィナンシャルグループ」が2002年4月に引き起こした情報システム障害の真の原因を探り、こ…

横尾宣政『野村證券第2事業法人部』講談社(講談社+α文庫)

野村證券第2事業法人部 (講談社+α文庫)作者:横尾 宣政講談社Amazon サブタイトルをつけるなら,「それでもボクはやってない」。 もっとも活気があった1980年代の野村證券。トップセールスマンとして走り続け、「オリンパス巨額粉飾事件」で逮捕された著者が…

野間幹晴『退職給付に係る負債と企業行動:内部負債の実証分析』中央経済社

いつもの図書館に行ったらたまたま目に入って…。 退職給付に係る負債と企業行動作者:野間幹晴中央経済社Amazon 退職給付に係る負債が企業行動に与えるさまざまな影響とは。退職給付に係る負債の観点から日本企業がリスク回避的あるいは保守的であることを実…

東短リサーチ株式会社『東京マネー・マーケット』有斐閣選書

以前誰かが勧めてて,ようやく手にしてみた。 東京マネー・マーケット 第8版 (有斐閣選書)発売日: 2019/11/22メディア: 単行本(ソフトカバー) ある意味『現代の金融政策:理論と実際』と表裏をなす本で,東京のマネー・マーケットの現場の具体例や詳細がよ…