Dribs and Drabs

ランダムな読書歴に成り果てた

[論文]Calder, et al. "Cat Model Blending" - 4. Governance

"Cat Model Blending - Techniques and Governance"
Alan Calder, Andrew Couper, Joseph Lo, Aspen (Respectively, Group Head of Catastrophe Risk Management, Chief Actuary and Chief Risk Officer of Aspen Bermuda, and Head of Actuarial Research & Development.)
13 August, 2012

4 Governance
  • Catモデルの使用に際して,しっかりと確立されたガバナンスのフレームワークが構築されている必要がある.これは,モデルの選択やモデルの妥当性の評価などといった,Catモデルの使用まつわるすべての側面を考慮に入れる必要がある.ソルベンシー2などの規制要件などからも,十分なエビデンスと文書化が求められる.
  • いくつかのガバナンスの形態が考えられる.ひとつの極は,唯一のモデルを使うという「集中化された」アプローチで,一貫性が保てるという長所がある反面,システミックエラーの問題が存在する.もうひとつの極は,引受単位ごとにモデルを選択・検証する方法で,各単位ごとに最適なモデルが選択できる反面,一貫性の問題がある.
  • このセクションでは,モデルブレンディングがCatモデルの使用のガバナンスにどのような影響を与えるかを考察する.
4.1 Governance of the standard agreed blend
  • モデル評価のプロセスは,アサンプションや限界も含めた,モデルの完全なレビューから始まる.モデル会社から膨大な文書が提供されることもしばしば.文書のレビューもさることながら,モデルのテストが重要.その際に,モデルのアサンプションとアウトプットにわけて検討する.
  • アウトプットを検証する際に,いくつかの参考となるエクスポージャーを用いる.業界全体,特定のポートフォリオ,ゾーンごと,などの損害額を見る.再現期間の長いところでは,他のモデル(他のベンダーの最新のモデル,同じモデルの古いバージョン,自社の最新のモデル等)のアウトプットと比較検証する.
  • 再現期間の短いところでは,自社の過去ロスとの比較も可能であれば行える.
  • 経験豊かなアンダーライターの意見も参考になる.
  • モデルのハザードコンポーネント脆弱性コンポーネントについて,公開されているデータやヒストリカルデータなとと突き合わせて検証することもできる.
4.2 Governance of the bottom-up adjusted blend
  • アンダーライター,Catモデラーアクチュアリーという3つのレベルでのピアレビューにより,調整プロセスのガバナンスがよりよく達成される.
  • ピアレビューは数理業務の一部であるべきだという意見に同意する声は多いが,ピアレビューに関する研究資料は少ない.全般的には(Kucera & Sutter, 2007) が,リザービングに関しては(Gibson, 2008) を参照.
Contents
  1. Introduction
  2. Catastrophe Model Blending
  3. A Technical Solution
  4. Governance
  5. Final Words
  6. Works Cited