Dribs and Drabs

ランダムな読書歴に成り果てた

伊藤公一朗『データ分析の力 因果関係に迫る思考法』光文社(光文社新書)

著者いわく,「実践的データ分析に焦点を当てた,計量経済学への超入門書」である.

統計を少しでもかじった人間なら「因果関係」という文字にピクっと反応するんだけど,まさにその「因果関係」を見極めるための,実践的なテクニックと実際のケースが紹介されている.

構成もスッキリしていて,

  • なぜデータから因果関係を導くのは難しいのか(第1章)
  • 現実の世界で「実際に実験をしてしまう」――ランダム化比較試験(RCT)(第2章)
  • RCTが不可能な場合にはどうしればよい? 「自然実験」という手法の紹介
    • 「境界線」を賢く使うRCデザイン(第3章)
    • 「階段状の変化」を賢く使う集積分析(第4章)
    • 「複数期間のデータ」を生かすパネル・データ分析(第5章)
  • 実践編:データ分析をビジネスや政策形成に生かすためには?(第6章)
  • 上級編:データ分析の不完全性や限界を知る(第7章)
  • さらに学びたい方のために:参考図書の紹介(第8章)

というかたちで,スムーズに流れていく.非常に良心的.

その参考図書なんだけど,

計量経済学の実践的側面に焦点を当てた日本語の入門書

入門書を読み終えた後の中級書(経済学部の学部生レベル)と上級書(大学院レベル)

【経済学部の1年生から3年生レベル】

【経済学部上級生レベル】

【上級書:経済学部大学院レベル】

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