Dribs and Drabs

ランダムな読書歴に成り果てた

スティーヴン・W・ホーキング『ホーキング、宇宙を語る:ビッグバンからブラックホールまで』早川書房(ハヤカワ文庫)

この手の本を読んでいつも思うんだけど,この手の本を本当に楽しむためには,書かれていることを(別の本をあらかじめ読んでいるとことで)ある程度理解している必要があるのではないか?ということ。

たとえば,

アインシュタインはこうした考え(注:量子力学が科学に持ち込んだ予測不可能性や無秩序という要素)にきわめて強く反対した。この考えを発展させる上で彼が重要な役割を演じたにもかかわらずである。

というくだり。それなんかさっと読み飛ばしてしまいそうだけど,『量子革命』を読めば,そのアインシュタインの「反対」や「重要な役割」というのがいかに力強いものだったかが分かるわけで,だからこそこの一説に引っかかるわけで,自分はたまたま『量子革命』を読んでいたからこの一説に引っかかるけれど,逆に深く分かっていないから気にも留めない(留められない)箇所が,この本にはいっぱいあるんじゃないかと思ってしまう…。

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