Dribs and Drabs

ランダムな読書歴に成り果てた

清水忍『ロジカル筋トレ:超合理的に体を変える』幻冬舎(幻冬舎新書)

クランチとかプッシュアップとか個別の種目のやり方は少し解説されているけれど,著者いわく

この本は,筋トレメニューのやり方をいちいち解説するような教科書ではない。トレーニングのやり方を解説するのではなく,あくまで「ざんねん筋トレとロジカル筋トレの違い」を明らかにすることを主眼にしている。

ということで,教科書的なものを求めてこの本を手に取ると,肩透かしをくらう。

言ってることは至極まっとうで,「なんのために鍛えているのか考えないで鍛えても意味ないよ」「回数とか重さとかの数字だけ追ってても意味ないよ」「見た目のために鍛えるのか機能のために鍛えるのかはっきりさせろ」という感じ。当然すぎて「わかった,もういいわ」と思わなくもないんだけど,世の中(のフィットネスクラブやジム)には,僕の想像以上にそういう人が多くいるということなのか……。

なお,フィットネスクラブに入会すると「まずこれをやってください」と「クランチ」「ラットプルダウン」「チェストプレス」「レッグプレス」の4種目を紹介されるが,

(業界的に)炎上するのを承知で種明かししてしまうと,じつはこの4つのマシントレーニングは「インストラクターの指導テクニックがあまり必要なメニュー」なのだ。

とのこと。

あと,

スタビライゼーション系の体幹トレーニングでは,「体の動きを止めた状況での体幹の保持力」を高めることはできる。だが,「動きの中で発揮されるような体幹の対応力」を高めるのにはあまり向いていないのである。

というのが,著者の見解。

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