Dribs and Drabs

ランダムな読書歴に成り果てた

シャロン・バーチュ・マグレイン『異端の統計学ベイズ』草思社

〈異端の統計学〉ねぇ……。センセーショナルな邦題をつけたかったのかもしれないけど,ちょっと違うと思うんだよな。

原題は "The Theory That Would Not Die: How Bayes' Rule Cracked the Enigma Code, Hunted Down Russian Submarines, and Emerged Triumphant from Two Centuries of Controversy"。ベイズの法則/その応用例/あるいはそれを推進する学者の歴史にフォーカスした書物ということで,ユニークさはある。

チューリングがエニグマを解読したという話自体は『イミテーション・ゲーム』なんかで描かれていたものの,そこにベイズの法則が用いられていたとは知らなかった。そういう意味で驚きと発見に満ちた本ではあるのだけれど,途中でちょっとゲップが出るのも事実。

あとはアクチュアリーの話が出てくるのも面白いですね。ビュールマンとか…。保険数理の世界では〈ベイズの法則〉っていうかわりに〈credibility theory〉って言い換えてるとかなんとか。

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異端の統計学ベイズ (草思社): 2013|書誌詳細|国立国会図書館サーチ