Dribs and Drabs

ランダムな読書歴に成り果てた

小倉紀蔵『朝鮮思想全史』筑摩書房(ちくま新書)

その厚さに,本屋で見かけたときに怯んだのは事実なんですが,「面白そう」という気持ちが勝って読んでみました。いろいろと不可解なことがあり起こっている「彼ら」のものの考え方や思考様式を理解したい,というのがモチベーションでした。朝鮮思想全史 (…

雨宮正佳「最近の金融政策運営について」

過去20年間を振り返ると,一時的な要因(持続可能でない要因)で,需給ギャップがプラスになった時期はあるが,基本的には供給超過状況が続いていた。それが16年の終わり頃からようやく,ITバブル(注:00年)や住宅バブル(注:米国,06-07年)の頃よりはよ…

一松信『暗号の数理:作り方と解読の原理』講談社(ブルーバックス)

暗号の数理といえば,なんとなく知っているのは「公開鍵と秘密鍵,素数と素因数分解」という程度なんですが,この本はサブタイトルにある通り「作り方と解読の原理」をちょっと踏み込んで(「P問題とNP問題」「フェルマーの小定理」などを持ち出して)解説し…

森下典子『日日是好日:「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』新潮社(新潮文庫)

人から本を勧められることも少ないし,勧められても実際に読んでみることは少ないのですが,これは違いました。で,読んでよかった。日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ (新潮文庫)作者:典子, 森下新潮社Amazonこの本がどういう本か,何を伝えよ…

シャツをカスタムメイドしたら,受取は配達にせず直接した方がいい(自戒)

いつも銀座三越でワイシャツをカスタムメイドしてもらっていた(過去形)んですが,幻滅することが二度ほどありまして。一度目は,剣ボロ。「前回までと全部同じように作ってください」とお願いしたのに,仕上がってうちに配達されたのを着てみると,どうも…

トーマス・トウェイツ『ゼロからトースターを作ってみた結果』新潮社(新潮文庫)

原著が出版されたのが2011年,この文庫版が出たのが2015年なので,本当に「今さらながら」なのですが,読んでみました。ゼロからトースターを作ってみた結果 (新潮文庫)作者:トーマス トウェイツ新潮社Amazon 翻訳の「軽いノリ」は,原文を読んでいないので…

篠田英朗『平和構築入門:その思想と方法を問いなおす』筑摩書房(ちくま新書)

著者のブログを愛読しているし(「平和構築」を専門にする国際政治学者),かつて著者の他の著作も読んでいるので(最近の読書を通じて思ったこと|主に「反権力の権力化」ついて - Dribs and Drabs),という軽い気持ちで手に取ったこの本です。が,著作の…

結城浩『プログラマの数学』SBクリエイティブ

結城浩のTwitterアカウントをフォローしている程度にファンである身として,読んでみました。 プログラマの数学第2版 作者: 結城浩 出版社/メーカー: SBクリエイティブ 発売日: 2018/01/17 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (3件) を見る 内容は以下の…

赤瀬達三『駅をデザインする』筑摩書房(ちくま新書)

使い慣れていると「こんなもんか」と思ってしまいがちですが,こうやって読んでみると,日本の鉄道駅がなぜ不快で不便なのか,そしてなぜ改善されないばかりか改悪の方向に向かっているのか,おぼろげに分かってきますね。 駅をデザインする (ちくま新書) 作…

山本芳久『トマス・アクィナス:理性と神秘』岩波書店(岩波新書)

Twitter界隈で非常に盛り上がっている印象を受けまして,興味本位で手を出してみました。が,そういうたぐいの本ではなかった。 トマス・アクィナス――理性と神秘 (岩波新書) 作者: 山本芳久 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2017/12/21 メディア: 新書 こ…