Dribs and Drabs

ランダムな読書歴と音楽にまつわる備忘録

言語 Language

奥野由紀子『超基礎・第二言語習得研究SLA』くろしお出版

白井恭弘の本を2冊読んだあとなので,同じSLAついてだけど新鮮に感じる部分あり。「L2」みたいな言葉も覚えたので,良しとする。ただ本書はL2として日本語を学ぶことが想定されているというか,そういう人たちに教える人たちを想定して書かれれているので,…

白井恭弘『外国語学習に成功する人、しない人:第二言語習得論への招待』岩波書店(岩波科学ライブラリー)

付録として〈コツ〉がまとめられているのが有益。内容は同じ著者の岩波新書と同じなので,新書を読んだ人がこちらを読む必要性は,限りなく薄い。 外国語学習に成功する人,しない人-第二言語習得論への招待 (岩波科学ライブラリー)作者:白井 恭弘岩波書店A…

白井恭弘『外国語学習の科学:第二言語習得論とは何か』岩波書店(岩波新書)

〈リハーサル〉でも十分に効果があるっていうのは,実体験に照らし合わせても納得感あるな。自分がはじめて英語で面接を受けるってなったとき,直前にいろいろ想定して回答を考えていたけれど,そのときはじめて夢の中で英語喋ってたもんな……。 外国語学習の…

黒田龍之助『世界の言語入門』講談社(講談社現代新書)

少しクセのある文章(というか人柄)だとは思うのだが、とにかく読んでいて楽しい。言語によって濃淡はあるものの、いろんな体験をされているところが驚愕に値する。そしてなにより、言語――言語一般というよりは個別の言語――に対する素直な感情が溢れ出てい…

今井むつみ『ことばと思考』岩波書店(岩波新書)

ことばと思考 (岩波新書)作者:今井 むつみ岩波書店Amazon 私たちは,ことばを通して世界を見たり,ものごとを考えたりする。では,異なる言語を話す日本人と外国人では,認識や思考のあり方は異なるのだろうか。「前・後・左・右」のない言語の位置表現,こ…

千野栄一『外国語上達法』岩波書店(岩波新書)

久しぶりに手に取った。著者が自らを「自分は語学ができるわけではない」と謙遜しているのは記憶に残っていたが,本書がもっぱら自らの周囲にいた圧倒的に語学ができた人たちのエピソードやその人たちから学んだ教えをもとに書かれていることに,改めて気づ…

ピーター・K.オースティン 編『世界言語百科:現用・危機・絶滅言語1000:ビジュアル版』柊風舎

ビジュアル版 世界言語百科 現用・危機・絶滅言語1000作者:ピーター・K・オースティン柊風舎Amazon この本によれば,いま世界では6900の言語が話されている。この本には,現存する/危機に瀕した/絶滅した1000の言語が紹介されている。 類書は知らないけれ…

鈴木孝夫『ことばと文化』岩波書店(岩波新書)

ことばと文化 (岩波新書 青版 858)作者:鈴木 孝夫岩波書店Amazon まえがき この本の中で私が文化と称するものは,ある人間集団に特有の,親から子へ,祖先から子孫へと学習により伝承されていく,行動及び思考様式上の固有の型(構図)のことである。 1 こと…

藤沢晃治『「分かりやすい説明」の技術:最強のプレゼンテーション15のルール』講談社(ブルーバックス)

「分かりやすい説明」の技術 最強のプレゼンテーション15のルール (ブルーバックス)作者:藤沢 晃治講談社Amazon 同じ著者による『「分かりやすい表現」の技術』の方が「不特定多数の人に正しく意図を伝える表現の技術」だったとすれば,この『「分かりやすい…

メアリアン・ウルフ『プルーストとイカ:読書は脳をどのように変えるのか?』インターシフト

「プルースト」という名前,あるいは「プルーストとイカ」という数奇な組み合わせに惹かれて手にとってみたけど, プルーストとイカ―読書は脳をどのように変えるのか?作者:メアリアン・ウルフインターシフトAmazon 思ってたのと全然違ってた。(何を思ってた…

正高信男『0歳児がことばを獲得するとき:行動学からのアプローチ』中央公論社(中公新書)

0歳児がことばを獲得するとき―行動学からのアプローチ (中公新書) 作者: 正高信男 出版社/メーカー: 中央公論社 発売日: 1993/06/01 メディア: 新書 クリック: 1回 この商品を含むブログ (11件) を見る 子供を育てる親として,もうすぐ新たに子供を向かい入…

一松信『暗号の数理:作り方と解読の原理』講談社(ブルーバックス)

暗号の数理といえば,なんとなく知っているのは「公開鍵と秘密鍵,素数と素因数分解」という程度なんですが,この本はサブタイトルにある通り「作り方と解読の原理」をちょっと踏み込んで(「P問題とNP問題」「フェルマーの小定理」などを持ち出して)解説し…