Dribs and Drabs

ランダムな読書歴に成り果てた

社会科学 Social sciences

政治,法律,経済,統計,社会,教育,風俗習慣,国防

クライブ・ハミルトン『目に見えぬ侵略:中国のオーストラリア支配計画』飛鳥新社

目に見えぬ侵略 中国のオーストラリア支配計画作者:クライブ・ハミルトン,山岡鉄秀飛鳥新社Amazon 『侵食される民主主義』*1 *2で紹介されていた本。 著者が熱意を込めて本書を著したというのはよく分かる。相当なページ数で,二段組。取材が丹念で,情報が…

茶野努, 安田行宏『基礎から理解するERM:高度化するグローバル規制とリスク管理』中央経済社

基礎から理解するERM ―高度化するグローバル規制とリスク管理作者:茶野 努,安田 行宏,廉 了,増井 正幸,矢野 聡,浅見 潤一,浜崎 浩一,植村 信保,伊豆原 孝中央経済社Amazon ERMに関して,ポジティブに言えば「多彩なトピックが盛り込まれている」し,ネガティ…

中出哲『海上保険:グローバル・ビジネスの視点を養う』有斐閣

海上保険 -- グローバル・ビジネスの視点を養う作者:中出 哲有斐閣Amazon 海上保険の基礎的なところをしっかりと解説してくれる。特に,貨物保険と船舶保険の前提になるところーー貨物であれば貿易のしくみとかーーが丁寧に解説されていると思った。個人的な…

エリン・メイヤー『異文化理解力:相手と自分の真意がわかるビジネスパーソン必須の教養』英治出版

異文化理解力 ― 相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養作者:エリン・メイヤー,田岡恵英治出版Amazon 『NO RULES』の共著者による本で,同書の中にでてきた〈カルチャーマップ〉ーー他国の人と仕事をするにあたって把握しておいた方がいい指標…

山本統一『SEが基礎から学ぶ金融システムの教科書』日本実業出版社

SEが基礎から学ぶ金融システムの教科書作者:山本 統一日本実業出版社Amazon 〈SEが〉の要素が思ったより薄くて〈金融システムの教科書〉の要素が多かったな,という印象。「勘定系とは何か」とか,そういうことを知りたかったんですけど……。 338.21 SEが基礎…

仲正昌樹『東京80年代から考えるサブカル:ストリート・音楽・ファッション・宗教・現代思想』図書新聞

東京80年代から考えるサブカル―ストリート・音楽・ファッション・宗教・現代思想作者:米原 康正図書新聞Amazon 良くも悪くも〈素人くさい作り〉の本である。 良い意味での〈素人くささ〉,それは内容の雑多さ――サブタイトルに象徴されるように――と,それによ…

フレデリック・ラルー『ティール組織:マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現』英治出版

ティール組織 ― マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現作者:フレデリック・ラルー,嘉村賢州英治出版Amazon 人気の本っぽかったので借りてみた。 まず〈ティール〉って色の名前なんだそうな(teal)*1。著者いわく,人類のパラダイムと組織の発達にはい…

ラリー・ダイアモンド『侵食される民主主義:内部からの崩壊と専制国家の攻撃 下』勁草書房

侵食される民主主義 下: 内部からの崩壊と専制国家の攻撃作者:ラリー・ダイアモンド勁草書房Amazon 下巻も読了。上巻はビッグピクチャーを描いていたのに対して,下巻は細かい処方箋――特にアメリカにおいて民主主義を回復するための――といった様相を呈してく…

デイヴィッド・エンリッチ『スパイダー・ネットワーク:金融史に残る詐欺事件――LIBORスキャンダルの全内幕』ハーパーコリンズ・ジャパン

スパイダー・ネットワーク 金融史に残る詐欺事件――LIBORスキャンダルの全内幕 (ハーパーコリンズ・ノンフィクション)作者:デイヴィッド エンリッチハーパーコリンズ・ジャパンAmazon LIBORに〈不正〉があって廃止されたことは知っていたけど,まさかこんなこ…

ドン・マントン, デイヴィッド・A・ウェルチ『キューバ危機:ミラー・イメージングの罠』中央公論新社

キューバ危機 - ミラー・イメージングの罠作者:デイヴィッド・A・ウェルチ中央公論新社Amazon 『国際紛争』で存在を知ったこの本。 本書を執筆した動機には,一九六二年のキューバ・ミサイル危機を扱った著作のうち国際関係論の入門的な授業で使え,読みやす…

ラリー・ダイアモンド『侵食される民主主義:内部からの崩壊と専制国家の攻撃 上』勁草書房

侵食される民主主義 上: 内部からの崩壊と専制国家の攻撃作者:ラリー・ダイアモンド勁草書房Amazon とりあえず上巻を読了。 サブタイトルで〈内部からの崩壊〉っていってるのの最たる例はドナルド・トランプ(を大統領に選出するに至ったアメリカの分断・選…

毛利嘉孝『ストリートの思想:転換期としての1990年代』日本放送出版協会(NHKブックス)

ストリートの思想 転換期としての1990年代 (NHKブックス)作者:毛利 嘉孝NHK出版Amazon ストリートカルチャーについて知見を深めるつもりで適当に手に取ったら,社会科学/現代思想の本だった。「〈ストリート〉の思想」じゃなくて「ストリートの〈思想〉」だ…

キャロライン・クリアド=ペレス『存在しない女たち:男性優位の世界にひそむ見せかけのファクトを暴く』河出書房新社

存在しない女たち 男性優位の世界にひそむ見せかけのファクトを暴く作者:キャロライン・クリアド=ペレス河出書房新社Amazon 『多様性の科学』で引用されていた本。カテゴライズするなら〈ジェンダー論〉とか〈フェミニズム〉ということになるんだろうけど,…

ジョセフ・S・ナイ・ジュニア, デイヴィッド・A・ウェルチ『国際紛争:理論と歴史』有斐閣

国際紛争 -- 理論と歴史 原書第10版作者:ジョセフ・S.ナイ ジュニア,デイヴィッド・A. ウェルチ有斐閣Amazon 今だから言えますが、1章、5章、10章の下訳をしたのは私です。7章には関わっておりませんが。 https://t.co/2yWaOeFKu1— Tetsuo Kotani / 小谷哲男…

ローレンス・ライト『倒壊する巨塔:アルカイダと「9.11」への道 下』白水社

倒壊する巨塔〈下〉―アルカイダと「9・11」への道作者:ローレンス ライト白水社Amazon 下巻になってアメリカ側が出てくる。その中心はジョン・オニール*1。FBI捜査官で,対テロ作戦部長で,早くからビンラディンに注目しており,しかしFBIをやめたあとはワー…

ローレンス・ライト『倒壊する巨塔:アルカイダと「9.11」への道 上』白水社

倒壊する巨塔〈上〉―アルカイダと「9・11」への道作者:ローレンス ライト白水社Amazon とりあえず上巻だけ。 ものすごい本である。「講釈師,見てきたような嘘をつき」というフレーズがあるけれど,この著者はまさに〈見てきたような〉臨場感とリアリティー…

ジェームズ・スロウィッキー『群衆の智慧』KADOKAWA(角川EPUB選書)

群衆の智慧 (角川EPUB選書)作者:ジェームズ・スロウィッキー,小高 尚子KADOKAWAAmazon 『「みんなの意見」は案外正しい』角川文庫(2009)の改題,修正。 「みんなの意見」は案外正しい (角川文庫)作者:ジェームズ・スロウィッキーKADOKAWAAmazon 原タイ…

原丈人『「公益」資本主義:英米型資本主義の終焉』文藝春秋(文春新書)

「公益」資本主義 (文春新書)作者:原 丈人文藝春秋Amazon 岸田首相の「新しい資本主義」のブレーンだといわれる*1原丈人による本書。もっともらしいことを述べておりつつも議論が乱暴――たとえば「経済格差が広がったからテロが増えている」みたいな主張――で…

北村滋『情報と国家:憲政史上最長の政権を支えたインテリジェンスの原点』中央公論新社

情報と国家-憲政史上最長の政権を支えたインテリジェンスの原点 (単行本)作者:北村 滋中央公論新社Amazon 「北村滋」といわれてもピンとこないけど,「北村前国家安全保障局長」という字面には多くの人が見覚えがあるはず。「九年半以上もの間,内閣情報官及…

マックス・ウェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』日経BP社(Nikkei BP classics)

プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 (日経BPクラシックス)作者:マックス・ウェーバー日経BPAmazon 他の古典――たとえば『種の起源』とか――に比べれば遥かに「読める」。のだけれど,ウェーバーの記述は冗長であり洗練されているとはいいがたく,全体…

トクヴィル『アメリカにおけるデモクラシーについて』中央公論新社(中公クラシックス)

アメリカにおけるデモクラシーについて (中公クラシックス)作者:トクヴィル中央公論新社Amazon 本書を開いて初めて分かったけれど,これはトクヴィルの原書の一部――「序」および第二部の第六章から第九章まで――を訳したにすぎないんだな。全訳は岩波文庫から…

君塚直隆『立憲君主制の現在:日本人は「象徴天皇」を維持できるか』新潮社(新潮選書)

立憲君主制の現在: 日本人は「象徴天皇」を維持できるか (新潮選書)作者:君塚 直隆新潮社Amazon 『社会はどう進化するのか』*1の訳者あとがきで訳者がこの本を紹介していた。「棚から牡丹餅」な良書だった。 本書は「イギリスで徐々に立憲君主制が形作られて…

ジェフリー・フェファー『人材を活かす企業:「人材」と「利益」の方程式』翔泳社(Harvard business school press)

人材を活かす企業 (Harvard Business School Press)作者:ジェフリー・フェファー翔泳社Amazon 「従業員を大事にする企業は成長する」ということを,さまざまなデータやケースを用いて示していく。真面目な学術書であり,遊びの要素はない。 具体的な話として…

春名幹男『ロッキード疑獄:角栄ヲ葬リ巨悪ヲ逃ス』KADOKAWA

ロッキード疑獄 角栄ヲ葬リ巨悪ヲ逃ス (角川書店単行本)作者:春名 幹男KADOKAWAAmazon 力作。長期間に及ぶ丹念な取材・資料の読みこみによって,ロッキード事件の「真相」に近いところをできるだけ解き明かしていく。惜しいのは,改行の多い文章と,たまに挟…

デイヴィッド・スローン・ウィルソン『社会はどう進化するのか:進化生物学が拓く新しい世界観』亜紀書房

社会はどう進化するのか——進化生物学が拓く新しい世界観作者:デイヴィッド・スローン・ウィルソン亜紀書房Amazon 非常に示唆的な本であった。 ざっくり言えば,マルチレベル選択――グループ内では利己的行動が生存戦略的に有利だが,グループ間では利他的行動…

宇野重規『民主主義とは何か』講談社(講談社現代新書)

民主主義とは何か (講談社現代新書)作者:宇野重規講談社Amazon (この書影の中の帯,ひでぇな) Twitterで見かけたので読んでみた。著者が「おわりに」でこう述べてる。 民主主義について過不足のない本を書いてみたい,そう思ってこの本を執筆しました。何…

牧野雅彦『精読アレント『全体主義の起源』』講談社(講談社選書メチエ)

精読 アレント『全体主義の起源』 (講談社選書メチエ)作者:牧野 雅彦講談社Amazon アレントの本を読む前にこちらで準備しておこうと思ったが,まったく頭に入ってこない。エキサイティングな感じがしない。アレントの本に問題があるのか,この本に問題がある…

橘玲『(日本人)』幻冬舎

(日本人)作者:橘玲幻冬舎Amazon 誰かの勉強ノートを見せられているようだ――橘玲が最近書いているものはだいたいそうだけど。「こういう本がある,ここではこんなことが書かれいる,実は人間/日本人というのは〇〇だ,果たして将来はどうなるのだろうか?…

フランク・H・ナイト『リスク、不確実性、利潤』筑摩書房

リスク、不確実性、利潤 (単行本)作者:フランク・H・ナイト筑摩書房Amazon 読みにくい。ナイト本人が本書を「従来の経済的教義の根本原理をより正確に提示し,その含意をより明確に示そうとする試みを表した」と言っているわりには,訳者には「ナイトの議論…

松浦大悟『LGBTの不都合な真実:活動家の言葉を100%妄信するマスコミ報道は公共的か』秀和システム

LGBTの不都合な真実 活動家の言葉を100%妄信するマスコミ報道は公共的か作者:松浦大悟秀和システムAmazon 書影内の帯にある「左翼運動の変形としてのLGBT運動では社会変革はできません」というのが本書で著者が伝えたいことの本質で,必要なのは〈対話〉〈議…