心理学 Psychology
表面をひっかく程度の記述しかないが,新書という形式上しょうがない。そのかわり,各章末に参考文献が紹介されている。 〈練習による上達〉と〈発達〉と〈ひらめき〉とが,同じメカニズムで捉えられているのが興味深い。 私たちはどう学んでいるのか ――創発…
サブリミナル・マインド 潜在的人間観のゆくえ (中公新書)作者:下條信輔中央公論新社Amazon 現代の心理学のセントラルドグマ(中心教義)「人間は自分で思っているほど,自分の心の動きをわかってはいない」 心の動き=知覚 情動 行動の本当の理由 本当とは…
偉大な記憶力の物語――ある記憶術者の精神生活 (岩波現代文庫)作者:A.R.ルリヤ岩波書店Amazon 面白いは面白いんだけど……「だから何?」という感覚はどこまでもついてまわる。 141.34 : 普通心理学.心理各論 偉大な記憶力の物語 : ある記憶術者の精神生活 (岩…
心の社会作者:Marvin Minsky,マーヴィン・ミンスキー産業図書Amazon ミンスキーによる「ぼくのかんがえたさいきょうのこころのりろん」ってところ。訳者あとがきによれば, ミンスキー教授の示す理論は,society of mind(心の社会)という考え方を軸として…
マインドセット「やればできる! 」の研究作者:キャロル・S・ドゥエック草思社Amazon 要するにマインドセットには二種類あって,「硬直マインドセット=fixed mindset」と「しなやかマインドセット=growth mindset」。 硬直マインドセットの人は,人間の才能…
NOISE 上 組織はなぜ判断を誤るのか?作者:ダニエル カーネマン,オリヴィエ シボニー,キャス R サンスティーン早川書房Amazon 「人間の判断にはノイズとバイアスがある」ということで,そのノイズに焦点を当てた本。冒頭に例として出てくるのは,裁判…
喪失と獲得―進化心理学から見た心と体作者:ニコラス ハンフリー紀伊國屋書店Amazon どうしてこの本を読もうと思ったのか覚えてないし,読んだあともこれが何だったのかよく分からない。進化心理学者が心と体とかについて書いたエッセイを集めたものなんだけ…
天才! 成功する人々の法則作者:マルコム・グラッドウェル講談社Amazon 〈天才〉についての話だけが出てくるわけではないし,〈成功する人々〉の話だけが出てくるわけでもない。そういう意味でこの邦題は徹頭徹尾ずれているけれど,原題も『Outliers: The Sto…
生態学的知覚システム―感性をとらえなおす作者:ギブソン,ジェームズ・J.,J. J. ギブソン東京大学出版会Amazon ギブソンが〈アフォーダンス〉という語を最初に用いたのがこの本らしいんだけど,「何なんだろう,この本は?」という印象しか持たない。〈完成を…
アナタはなぜチェックリストを使わないのか?【ミスを最大限に減らしベストの決断力を持つ!】作者:アトゥール ガワンデ晋遊舎Amazon 「〈チェックリスト〉をビジネスの世界に応用できるかな?」という邪な気持ちで読んでみたけれど,そういう期待は裏切られ…
平均思考は捨てなさい──出る杭を伸ばす個の科学 (早川書房)作者:トッド ローズ早川書房Amazon 〈平均思考〉を批評し〈個性学〉を推進する著者。それがよくあるエリートな経歴であれば説得力も半減するところだが, 私はユタ州のオグデンで大学生活を始めたと…
競争と協調のレッスン コロンビア×ウォートン流 組織を生き抜く行動心理学 (T's BUSINESS DESIGN)作者:アダム・ガリンスキー,モーリス・シュヴァイツァーTAC出版Amazon それなりに面白い内容だけど,本としての〈底の浅さ〉をどうしても感じてしまう。考えら…
多様性の科学 画一的で凋落する組織、複数の視点で問題を解決する組織作者:マシュー・サイドディスカヴァー・トゥエンティワンAmazon 非常に示唆的であった。「なぜ多様性が重要かというと,多様性のあるチームの方がいいチームになりうるから」ということが…
内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力作者:スーザン・ケイン講談社Amazon 流し読みした印象では,本書は「外向型であることが強迫観念になっている国」の人向けに書かれたものだということ。本書のメッセージとしては「内向型であることはネガティブな…
メタ認知の本を読んでもメタ認知は得られない……。 思考の整理学 (ちくま文庫)作者:外山 滋比古筑摩書房Amazon 《エディターシップ》ということはよく分かった。 だから書影に帯入れるなって……。