Dribs and Drabs

ランダムな読書歴に成り果てた

言語 Language

清水誠『オランダ語のしくみ』白水社

ゲルマン諸語の一部だから,言語としては目新しいものはあまりないのだけれど,日本とオランダとの関係とか,オランダという国としての魅力とか歴史的なものとか,そういう周辺情報も含めて面白く読ませてくれる。この「しくみ」シリーズ,だいたいのフォー…

三谷惠子『クロアチア語のしくみ』白水社

クロアチア語自体には馴染みがないけれど,言語としてはエキゾチックなところはないんじゃないか。良くも悪くも。旅行ガイドなノリで書かれている本書だけど,そのノリにいまいちついていけないーーというか,空回りしている箇所が散見される。 図書館に旧版…

池田巧『中国語のしくみ』白水社

なんだろう,中国語っていちばんやらなきゃいけない言語のひとつなはずなのに,やる気が出ないのはなぜだろう…。同じ漢字だしラクかもと思ってたけど,同じ漢字だからこそ誤解が起きやすそうだし,簡体字はちゃんと手で書いて覚えなきゃいけなそうだな。 中…

降幡正志『インドネシア語のしくみ』白水社

この〈しくみ〉シリーズ,読み終わったあとはその言語をやりたい気持ちが多かれ少なかれ出てくるのだけど,インドネシア語はそれがなかった……すまない……。 インドネシア語のしくみ《新版》作者:降幡正志白水社Amazon i 1章 文字と発音のしくみ インドネシア…

野里紳一郎『イタリア語のしくみ』白水社

Duolingoばっかりやってると文法の知識があやふやでなんとなくで覚えちゃうんだけど,これ読んだらある程度知識が整理できて良かった。 イタリア語のしくみ《新版》作者:野里 紳一郎白水社Amazon i 1章 文字と発音のしくみ このgliの音は,イタリア語として…

増田忠幸『韓国語のしくみ』白水社

動詞の活用の〇〇型とかちゃんと読むの避けていたんだけど,この本を読んだら丁寧語の作り方とか活用全般についてよく分かった……というか,ちゃんと分かりたいなという気分になってきた。 韓国語のしくみ《新版》作者:増田忠幸白水社Amazon i 1章 文字と発音…

関山健治『英語のしくみ』白水社

この『英語のしくみ』についても――『日本語のしくみ』と同じく――「よく知ってる言語について改めて読む意味あるのか?」って,読む前には思ってた。けど,読んでみたらなんとまぁ,面白い。新たに知ったこと,理解があやふやだったことが再確認できたことな…

山田敏弘『日本語のしくみ』白水社

この〈しくみ〉シリーズも全部読もうと決めたし〈日本語〉もとりあえず読んでみるか……それにしても外国語と同じフレームワークで日本語について書かなきゃいけない著者も気の毒だな……と思って手に取った本書,とにかく面白い! 日本語話者がなんとなく使いこ…

佐藤康『フランス語のしくみ』白水社

そこそこ知っている言語だと,さらっと眺めるだけになってしまう。 フランス語のしくみ《新版》作者:佐藤康白水社Amazon i 1章 文字と発音のしくみ (語尾の子音)このようにc,f,l,r は発音されることが多いと考えてください。 「デニム」という生地の名…

吉田欣吾『フィンランド語のしくみ』白水社

文法性がないっていうだけで簡単に思える。エキゾチックなフィンランド語,ちょっとやってみたくなってきた…。 フィンランド語のしくみ《新版》 (言葉のしくみ)作者:吉田 欣吾白水社Amazon i フィンランド語はお隣のスウェーデン語やロシア語とも,あるいは…

清野智昭『ドイツ語のしくみ』白水社

単語とか文法とかスウェーデン語に似てるとこあるなぁと思った。同じゲルマン語だからそりゃそうなんだろうけど。ということでドイツ語がぐっと身近に感じられた。 ドイツ語のしくみ《新版》作者:清野智昭白水社Amazon i ドイツ語について,みなさんはどのよ…

小倉博行『ラテン語のしくみ』白水社

ラテン語のしくみ (言葉のしくみ)作者:小倉 博行白水社Amazon i この本には,普通の語学書のような文法表がありません。また「これをクリアしなければ次の章に進めない」といったこともありません。むしろそれとは反対に,どんどん先へ先へと読み進めていっ…

岡本信照『スペイン語のしくみ』白水社

スペイン語のしくみ《新版》作者:岡本信照白水社Amazon i 1章 文字と発音のしくみ スペイン語は「ローマ字読み」が基本です。しかも,母音はア,イ,ウ,エ,オの5個だけです。だから,日本語話者にはとても発音しやすい言語です。 スペイン語の発音で大事な…

植田かおり『古典ギリシア語のしくみ』白水社

やっぱり言葉の裏にある文化に厚みがあると,その言語についての文章にも自然に厚みが出る。無理に面白い文章を書こうとはしていないのに,自然に面白い。それが本書。 あと,古典ギリシア語と現代ギリシア語との違いを知りたくて,同僚のギリシア人に質問し…

市之瀬敦『ポルトガル語のしくみ』白水社

このしくみシリーズ,著者の軽い語り口が特徴のひとつだし,そこに個性が出て面白いのだが,このポルトガル語の著者はその部分があまり面白くない……。ロシア語とかチェコ語みたいなエキゾチックな言語なら余談もいろいろ書けそうだけれど,ポルトガル語だと…

金指久美子『チェコ語のしくみ』白水社

なるほどチェコ語が複雑なことがよく分かった。しかし自分としてはなんとしてもものにしたい。 チェコ語のしくみ《新版》作者:金指久美子白水社Amazon i 1章 文字と発音のしくみ チェコ語はロシア語と親戚関係にある言語です。ロシア語がキリル文字を用いて…

黒田龍之助『ロシア語のしくみ』白水社

ロシア語のしくみ《新版》 (言葉のしくみ)作者:黒田 龍之助白水社Amazon この本は『ロシア語のしくみ』です。ロシア語は多くの人が「なんとなく難しそうだ」と言じている言語です。でもどこがどう難しいのか,説明できる人はあまりいません。本当はどうなん…

竹村景子『スワヒリ語のしくみ』白水社

『世界の言語入門』で紹介されていた本をさっそく読んでみる。そして,近所の図書館にはこの『〇〇語のしくみ』シリーズが豊富にあったのが,嬉しい誤算。 で,このシリーズ。「その言語がどんな感じなのかとりあえず知りたい」というーー僕のようなーー人間…

黒田龍之助『世界の言語入門』講談社(講談社現代新書)

少しクセのある文章(というか人柄)だとは思うのだが、とにかく読んでいて楽しい。言語によって濃淡はあるものの、いろんな体験をされているところが驚愕に値する。そしてなにより、言語--言語一般というよりは個別の言語--に対する素直な感情が溢れ出…

田島宏『コレクション・フランス語 1 入門』白水社

コレクション・フランス語 (1 入門) ()白水社Amazon ユニークで意欲的なシリーズである。その第1巻,〈入門〉と銘打ちながら,他の入門書とは一線を画す。だって〈文法〉は第3巻にまわしているから,ここではとにかく初歩的な表現・会話ができることに注力し…

田島宏 編『コレクション・フランス語 6 聞く』

コレクション・フランス語 6 聞く (<テキスト>)作者:中井 珠子白水社Amazon フランス語で話していて質問は通じたのに,かんじんの返事が聞きとれなかった,という経験をもつ方は多いでしょう。「話す」のは自分のペースで何とかなりますが,「聞く」となると…

今井むつみ『ことばと思考』岩波書店(岩波新書)

ことばと思考 (岩波新書)作者:今井 むつみ岩波書店Amazon 私たちは,ことばを通して世界を見たり,ものごとを考えたりする。では,異なる言語を話す日本人と外国人では,認識や思考のあり方は異なるのだろうか。「前・後・左・右」のない言語の位置表現,こ…

中川努『コレクション・フランス語 4 話す』白水社

コレクション・フランス語 (4)白水社Amazon この本はフランス語でもう少しうまく話をしたいという人のために作りました。広く使われる言いかたや,個性に合った表現方法が身につくはずです。基礎的な学習を続けながら一歩先に進みたい,あるいはしばらくご無…

セシリア・ワトソン『セミコロン:かくも控えめであまりにもやっかいな句読点』左右社

セミコロンっていうテーマは面白いんだけど……歴史とかエッセイ風の文章に気を取られる。おれはもう少し,スタイルブック風なものを読みたかった;本書の後半は文章の名手たちの実例が載っているとはいえ。 セミコロン かくも控えめであまりにもやっかいな句…

千野栄一『外国語上達法』岩波書店(岩波新書)

久しぶりに手に取った。著者が自らを「自分は語学ができるわけではない」と謙遜しているのは記憶に残っていたが,本書がもっぱら自らの周囲にいた圧倒的に語学ができた人たちのエピソードやその人たちから学んだ教えをもとに書かれていることに,改めて気づ…

黒田享『スウェーデン語の基本:入門から中級まで』

MP3・音声DL付 スウェーデン語の基本 入門から中級まで作者:黒田 享三修社Amazon 阪大出版会の本を買うつもりで書店に行ったけど,結果的に買ったのはこちら。向こうはモノクロでこちらは多色刷りというのもあって,ぱっと見の印象ではこちらの方が初学者向…

ピーター・K.オースティン 編『世界言語百科:現用・危機・絶滅言語1000:ビジュアル版』柊風舎

ビジュアル版 世界言語百科 現用・危機・絶滅言語1000作者:ピーター・K・オースティン柊風舎Amazon この本によれば,いま世界では6900の言語が話されている。この本には,現存する/危機に瀕した/絶滅した1000の言語が紹介されている。 類書は知らないけれ…

鈴木孝夫『ことばと文化』岩波書店(岩波新書)

ことばと文化 (岩波新書 青版 858)作者:鈴木 孝夫岩波書店Amazon まえがき この本の中で私が文化と称するものは,ある人間集団に特有の,親から子へ,祖先から子孫へと学習により伝承されていく,行動及び思考様式上の固有の型(構図)のことである。 1 こと…

田島宏 編『コレクション・フランス語 2 初級』白水社

コレクション・フランス語 (2 初級) ()白水社Amazon フランス語に再挑戦したいのだけれどボンジュールから始めるのはちょっと、という人のため2冊目の独習書。 「ボンジュールから始めるのはちょっと」というコンセプトとフレーズは素晴らしい。ただ,もとも…

田島宏 編, 恒川邦夫 著『コレクション・フランス語 5 読む』白水社

コレクションフランス語〈5〉読む (<CD+テキスト>)作者:恒川 邦夫白水社Amazon ベストセラーにもロングセラーにもなるような本ではないと思うけど,試みとしては凄く面白い。〈読む〉と言われて〈英文読解〉とか〈英文和訳〉みたいなのを思い浮かべ,「それって〈文法〉と</cd+テキスト>…