Dribs and Drabs

ランダムな読書歴に成り果てた

2020-01-01から1年間の記事一覧

石井俊全『ガロア理論の頂 (いただき) を踏む』ベレ出版

ガロア理論の頂を踏む作者:石井俊全ベレ出版Amazon いろいろな感想を抱くんだけど, そう,ガロア理論(を理解すること)ってなんとなく憧れるんであって,それを最終目標にして全体を構成するっていうのは,とてもいい という意味では,宮崎駿が『千と千尋…

河合秀和『チャーチル : イギリス現代史を転換させた一人の政治家 増補版』中央公論社(中公新書)

非常によくまとめられているんだけど,非常によくまとめられているだけに,チャーチルという人間のアラが目について,「それでこの人,何がそんなに凄いんだったっけ」という印象を持つに至るという…。 チャーチル―イギリス現代史を転換させた一人の政治家 …

牧久『昭和解体 : 国鉄分割・民営化30年目の真実』講談社

昭和解体 国鉄分割・民営化30年目の真実作者:牧 久講談社Amazon 話として読む分には面白いけど,この時代に国鉄利用者として生きていなくてよかったなぁ,という印象。 装丁が秀逸だし,これがほどんどを物語っている感じ(民営化の影には労組の存在が大だっ…

ルイス・ウォルパート, アリスン・リチャーズ 著, 青木薫, 近藤修 訳『科学者の熱い心 : その知られざる素顔』講談社(ブルーバックス)

科学者の熱い心―その知られざる素顔 (ブルーバックス)作者:ウォルパート,ルイス,リチャーズ,アリスン講談社Amazon これ,名著じゃん。 BBCの番組がもとになっているみたいだけど,さすがBBC。 402.8

松岡亮二『教育格差 : 階層・地域・学歴』筑摩書房(ちくま新書)

Twitterだけ見てるとすごい流行ってるし大名著みたいに見えるんですけど, 教育格差 ──階層・地域・学歴 (ちくま新書)作者:松岡亮二筑摩書房Amazon まぁ確かに「教育格差」を生んでいる構造を丁寧・丹念に記述しているのはそうなんだけど,穿った見方をすれ…

ジョージ・G・スピーロ『ケプラー予想 : 四百年の難問が解けるまで』新潮社(新潮文庫)

ケプラー予想: 四百年の難問が解けるまで (新潮文庫―Science&History Collection)作者:ジョージ・G. スピーロ新潮社Amazon 「第12章 コンピューターとアルゴリズム」のあたりがいちばん面白かったかな。知らないことが多すぎる……。 410.4

澤田晃宏『ルポ 技能実習生』筑摩書房(ちくま新書)

このテーマに特段の興味を持っていたわけではないけれど,買って読んでみた。 ルポ 技能実習生 (ちくま新書)作者:澤田晃宏筑摩書房Amazon このテーマにまつわる状況が冷静にバランス良くまとめられていた。最後に韓国の状況についてまとめられていたのも良か…

ロビン・ウィルソン『四色問題』新潮社(新潮文庫)

一松信の本*1と読み比べるために,読んでみた。そして,一松信の本より遥かに良い,という印象を得た(全体的に,一松信の本は「可もなく不可もなく」だし「よくまとまっている」けど,面白さはない)。 四色問題 (新潮文庫)作者:ロビン ウィルソン新潮社Ama…

浜田節夫, 小山田良治, 木寺英史, 小田伸午『ゴルファーなら知っておきたい「からだ」のこと』大修館書店

自炊したときのPDFが手元に残っていたので,再読してみまた。 が,評価が難しい……。「人間の体はこういう構造でこういう癖があるから,こういう意識で動いた方がいいよ」というのは真実だろうけど,「そもそもこの本の中で目指そうとしているスイングが最適…

外山滋比古『思考の整理学』筑摩書房(ちくま文庫)

メタ認知の本を読んでもメタ認知は得られない……。 思考の整理学 (ちくま文庫)作者:外山 滋比古筑摩書房Amazon 《エディターシップ》ということはよく分かった。 だから書影に帯入れるなって……。

一松信『四色問題 : その誕生から解決まで』講談社(ブルーバックス)

解決までの経緯を過不足なくコンパクトにまとめているけれど,こういう本は早々に挫折する。 四色問題 どう解かれ何をもたらしたのか (ブルーバックス)作者:一松 信講談社Amazon

西原理恵子『女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと』KADOKAWA

どんな層がターゲットなんだ,この本。日本も広いな。 女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと作者:西原 理恵子KADOKAWAAmazon NDC10版による分類だと「159.6」。哲学 > 倫理学・道徳 > 人生訓・教訓 > 女性,ってことになるらしい。哲学の守備範囲…

松井孝典『地球=誕生と進化の謎 : 最新地球学入門』講談社(講談社現代新書)

同僚に勧められて買ってみたんだが……なんともスケールが大きな本だ。 地球 誕生と進化の謎―最新地球学入門 (講談社現代新書)作者:松井 孝典講談社Amazon 「これまでの学問分野にとらわれることなく,新たな総合学としての”地球学”を建設せねばならないだろう…

池谷裕二『記憶力を強くする : 最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方』講談社(ブルーバックス)

「記憶力を強くする」という,下手をするとカッパブックス的な内容になりそうなテーマに対して,理論と実践とをバランス良く記述している。 記憶力を強くする 最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方 (ブルーバックス)作者:池谷裕二講談社Amazon 二つのことを…

Nick Bradley『7 Laws of the Golf Swing: Visualizing the Perfect Swing to Maximize Your Game』BBC

著者のニック・ブラッドリー*1はジャスティン・ローズを指導したこともあって,この本のForewardもローズが書いているし,この本はベストセラーになったらしい。 「ゴルフスイングにおける感覚を印象的なビジュアルで表現する」という試みは面白いけど,その…

Dave Pelz『Dave Pelz's putting bible: the complete guide to mastering the green』

Dave Pelz's Putting Bible (Dave Pelz Scoring Game)作者:Pelz, DaveAurum Press LtdAmazon Putting Overview Chapter 1 / What Is Putting? フルスイングゲームとパッティングとは別物。 ペルツの考えるパッティングの名手は,ジョージ・アーチャー,ベン…

中村義作『パズルでひらめく補助線の幾何学 : "魔法の補助線"を見つけよう』講談社(ブルーバックス)

暇つぶしというか,頭の体操にはちょうどいい。 パズルでひらめく補助線の幾何学―"魔法の補助線"を見つけよう (ブルーバックス)作者:中村 義作講談社Amazon

鹿島『図解・超高層ビルのしくみ : 建設から解体までの全技術』講談社(ブルーバックス)

何ひとつ間違ったことは書かれていないけれど,本としてのエンターテイメントというかストーリー性というかワクワク感が薄いのは,組織が編纂しているからか。 図解・超高層ビルのしくみ―建設から解体までの全技術 (ブルーバックス)講談社Amazon

瀧本哲史『2020年6月30日にまたここで会おう:瀧本哲史伝説の東大講義』星海社(星海社新書)

この「伝説の講義」の対象年齢ではないけれど,少し踏み出してみようかな…という気になった。 2020年6月30日にまたここで会おう 瀧本哲史伝説の東大講義 (星海社新書)作者:瀧本 哲史星海社Amazon 京大での講義,自分が学生のときだったら受講していただろう…

Floating Points - Full Performance (Live on KEXP)

Floating Points が KEXP でやったライブパフォーマンス(そのまんまだ)。 www.youtube.com 音楽が最高なのは当然ながら,途中のDJとサム・シェファードとの掛け合いが面白い。ベースはロンドン在住の日本人,ススム・ムカイ氏。 この記事もあとでちゃんと…

マーク・ピーターセン『日本人の英語』岩波書店(岩波新書)

何度も読んでいるけど,何度読んでも新たに学べる。というか,読んだ内容を忘れていってるだけなんだけど。 日本人の英語 (岩波新書)作者:マーク・ピーターセン岩波書店Amazon でもほんと,この本を読んでいるときは,自分が話したり書いたりする英語も少し…

マックG『チャーリーズ・エンジェル』

Netflixさまさまだな。妻が観たいというので付き合った,2000年の『チャーリーズ・エンジェル』。たまには(こういう時期には特に)こういうバカなのも必要だな……。 チャーリーズ・エンジェル(字幕版)キャメロン・ディアスAmazon 日本でも2000年公開だから,…

大栗博司『大栗先生の超弦理論入門 : 九次元世界にあった究極の理論』講談社(ブルーバックス)

前にも読んでいたはずだけど,再読したら「読んだことのない」話でいっぱいだった。記憶していないだけだけど……。 大栗先生の超弦理論入門 (ブルーバックス)作者:大栗 博司講談社Amazon 大栗先生の人柄が文章の至るところから垣間見えて,読んでいて気持ちが…

クリス・マルケル『ラ・ジュテ』

このコロナ禍の中でデートしているカップルを見ると,不思議な感覚に襲われる。ディストピアの中にいるふたり。何かの映画のようだけど,それが何かを思い出せない…。 という内容をFacebookに投稿したら,大学時代のシネフィルな友人から,一言だけコメント…

池谷裕二『パパは脳研究者 : 子どもを育てる脳科学』クレヨンハウス

家の本棚にあったから前に買ってたんだろうけど,いつどこで買ったのか思い出せない。 パパは脳研究者 子どもを育てる脳科学作者:池谷 裕二クレヨンハウスAmazon 子育てってこういう「発見する喜びに満ちた行為」だったんだよな,というのを思い出させてもら…

池谷裕二『単純な脳、複雑な「私」:または,自分を使い回しながら進化した脳をめぐる4つの講義』講談社(ブルーバックス)

著者自らがこの本(のもとになった高校生への講義)の特徴をこう語っている。 「脳のしくみの説明そのものよりも,「脳」を考えるプロセスに主眼を置いた」「脳が機能する意義とそれを支えるプロセスの意義。脳を今までとは違う視点で眺める……そのための姿勢…

三澤慶洋『図解・旅客機運航のメカニズム:航空機オペレーション入門』講談社(ブルーバックス)

「旅客機運航のメカニズム」ということで,まさに「運航」だし「オペレーション」の話だった。なんでこの本を買ったんだったっけな? 図解 旅客機運航のメカニズム 航空機オペレーション入門 (ブルーバックス)作者:三澤慶洋講談社Amazon

仲野徹『こわいもの知らずの病理学講義』晶文社

大阪大学医学部で教鞭をとる著者が、学生相手に行っている「病理学総論」の内容を、「近所のおっちゃん・おばちゃん」に読ませるつもりで書き下ろした、おもしろ病理学講義。しょもない雑談をかましながら病気のしくみを笑いとともに解説する、極上の知的エ…

エドワード・フレンケル『数学の大統一に挑む』文藝春秋

加藤文元『宇宙と宇宙をつなぐ数学』*1 の中の「ジグソーパズル」の話で登場していたこの本,なんとも面白かった。一般向けの本でここまで遠慮なく専門用語を使って,それでいて何かを感じとらせるのだから,すごい。本人の数学に対する「愛」もさることなが…

池谷裕二『進化しすぎた脳:中高生と語る「大脳生理学」の最前線』講談社(ブルーバックス)

池谷裕二の著書は初めて読んだけど,面白くて一気に読み進めた。あとがき(「ブルーバックス版刊行に寄せて」)にあるように,池谷の「テンポのよさ,潔さ,自身と勢い」がある。 進化しすぎた脳―中高生と語る「大脳生理学」の最前線 (ブルーバックス)作者:…