Dribs and Drabs

ランダムな読書歴に成り果てた

池谷裕二『単純な脳、複雑な「私」:または,自分を使い回しながら進化した脳をめぐる4つの講義』講談社(ブルーバックス)

著者自らがこの本(のもとになった高校生への講義)の特徴をこう語っている。

「脳のしくみの説明そのものよりも,「脳」を考えるプロセスに主眼を置いた」「脳が機能する意義とそれを支えるプロセスの意義。脳を今までとは違う視点で眺める……そのための姿勢,考え方を伝えようとしてきた」。

実際にその通りで,「しくみ」の説明が印象に残る『進化しすぎた脳』*1 とは対称的。「高校生への講義」という同じスタイルをとっていながら,新鮮な気持ちで読み進められた。