Dribs and Drabs

ランダムな読書歴に成り果てた

伝記 General biography

森功『国商:最後のフィクサー葛西敬之』講談社

国商 最後のフィクサー葛西敬之作者:森功講談社Amazon 国士と政商、あわせて国商。それをタイトルにしておきながら、「その評価はいまだ定っていない」ってなんじゃそりゃ。〈最後のフィクサー〉というフレーズにしたって,本文中にたしか1回しか出てこず,…

君塚直隆『エリザベス女王:史上最長・最強のイギリス君主』中央公論新社(中公新書)

エリザベス女王 史上最長・最強のイギリス君主 (中公新書)作者:君塚直隆中央公論新社Amazon Twitterで〈女王陛下〉として生息している君塚先生である。君塚さんの著作は,ここでもかつて『立憲君主制の現在』について書いている*1し,それと本書とを併せて読…

『昭和天皇のゴルフ:昭和史を解く意外な鍵』

昭和天皇のゴルフ―[昭和史を解く意外な鍵]作者:田代 靖尚主婦の友社Amazon (欧米の)近代史を書きたいのか(日本の)昭和史を書きたいのか昭和天皇史を書きたいのかゴルフの黎明期を書きたいのか昭和天皇のゴルフ史を書きたいのか,焦点がよく定まっていな…

アラン・ブーロー『鷲の紋章学:カール大帝からヒトラーまで』平凡社

鷲の紋章学―カール大帝からヒトラーまで作者:アラン ブーロー平凡社Amazon この種の文献がとかく動物のさまざまな象徴的・寓意的意味を列挙するのにとどまるのに対し,本書は,中世初期から現代までの歴史のなかで鷲の形象がどのような政治的機能を帯び,い…

森護『ヨーロッパの紋章:紋章学入門』河出書房新社(シリーズ紋章の世界)

ヨーロッパの紋章―紋章学入門 (シリーズ紋章の世界)作者:森 護河出書房新社Amazon 著者最初の著書であり,本邦最初の本格的西洋紋章学入門書。カバレッジの広さ,記述の深さ,著者の意気込みにおいて,本書を越えるものはないのではないか。惜しむらくは,本…

森護『西洋の紋章とデザイン』ダヴィッド社

西洋の紋章とデザイン作者:森 護ダヴィッド社Amazon これぞまさに自分が求めていた本だ。 「基礎編」では紋章の起原をといたあと,その単語(構成要素)と文法(組み合わせ方)を述べる。「応用編」では,紋章を使用・作成したい日本人に向けて,所有権や著…

森護『紋章学辞典』大修館書店

紋章学辞典作者:森 護大修館書店Amazon 図版が豊富だった「事典」*1 とは対照的に,こちらは本物の「辞典」。なので通読するものではないが,冒頭の「紋章概論」はとても分かりやすく,初学者の一読に値する。 紋章の組み合わせ(marshalling)やディファレ…

スティーヴン・スレイター『〈図説〉紋章学事典』創元社

【図説】紋章学事典作者:スティーヴン・スレイター創元社Amazon 訳者あとがきでこう述べられている: 欧米の書店には紋章(学)のコーナーがあることは常識であるし,日本でも紋章関係の書物が多数上梓されてきた。/本書はそれらの中でも網羅性の点では群を…

大西康之『起業の天才!:江副浩正8兆円企業リクルートをつくった男』東洋経済新報社

起業の天才!: 江副浩正 8兆円企業リクルートをつくった男作者:大西 康之東洋経済新報社Amazon 著者の見立てとしては,リクルートを創業した江副浩正は,GoogleやAmazon(AWS)に匹敵する構想を遥か前に構想していたほど先見の明があったものの,お目付け役と…

朝日新聞取材班『秘録 退位改元:官邸VS.宮内庁の攻防1000日』朝日新聞出版

秘録 退位改元 官邸VS.宮内庁の攻防1000日作者:朝日新聞取材班発売日: 2019/10/18メディア: Kindle版 「退位」と「改元」をめぐる秘話/裏話/攻防/朝日新聞取材班の自分語り. 退位については,当時の天皇陛下,現在の上皇陛下の「ただ『象徴』としてある…

松崎隆司『ロッテを創った男 重光武雄論』ダイヤモンド社

たまったまこの本の存在を知って,表紙を見て名著の予感しかしなかったんだけど,その予感は的中した。 ロッテを創った男 重光武雄論作者:松崎 隆司発売日: 2020/11/25メディア: Kindle版 いや,ロッテの創業者である重光武雄については何も知らなかったけど…

ミシェル・ヴィノック『ミッテラン : カトリック少年から社会主義者の大統領へ』吉田書店

ミッテラン――カトリック少年から社会主義者の大統領へ作者:ミシェル・ヴィノック吉田書店Amazon そもそも「第五共和政」すら何を指すか分からなかった僕に対しては,とてもいいイントロだった。 文章が簡素にして洗練。翻訳が,そしてきっと原文も。 「後年…

河合秀和『チャーチル : イギリス現代史を転換させた一人の政治家 増補版』中央公論社(中公新書)

非常によくまとめられているんだけど,非常によくまとめられているだけに,チャーチルという人間のアラが目について,「それでこの人,何がそんなに凄いんだったっけ」という印象を持つに至るという…。 チャーチル―イギリス現代史を転換させた一人の政治家 …

浅見雅男『皇族と天皇』筑摩書房(ちくま新書)

思ってた*1のと違ってたな(というか,そういうの立ち読みするときに確認しろって感じなんですが)。 皇族と天皇 (ちくま新書1224)作者:浅見 雅男筑摩書房Amazon あとがきにあるように「本書は明治以降の皇族の姿を事実に即してながめることを通じ,日本近現…

リチャード・P・ファインマン『ご冗談でしょう、ファインマンさん』岩波書店(岩波現代文庫)

いまさらかよ,って感じですが,いまさら/ようやく読みました。きっかけは,やまもといちろう氏のツイッターでしたかFacebookアカウント(これ),要するに「若いときにこれ読んでたら人生変わっていたかも」という内容。 ご冗談でしょう、ファインマンさん…