Dribs and Drabs

書評じゃなくて,ただのメモ

音楽.舞踊.バレエ

岡田暁生『音楽の聴き方:聴く型と趣味を語る言葉』中央公論新社(中公新書) 760.79

音楽の聴き方 聴く型と趣味を語る言葉 (中公新書)作者:岡田暁生中央公論新社Amazon はじめに 「音楽を語る言葉を磨く」ことは、十分努力によって可能になる類の事柄であり、つまり音楽の「語り方=聴き方」には確かに方法論が存在するのだ。 例えばワインの…

小鍛冶邦隆『楽典:音楽の基礎から和声へ』アルテスパブリッシング 761.2

楽典 音楽の基礎から和声へ作者:小鍛冶邦隆,大角欣矢,照屋正樹,林達也,平川加恵アルテスパブリッシングAmazon X 監修者のことば(小鍛冶邦隆) 「楽典」はほんらい、ソルフェージュや和声の学習にともなう音楽的知識や音楽用語を学ぶためのものであり、とう…

Call Super — 「テクノロジーには本当に興味がないんだ。」|GROOVE

ソース Call Super: "I don't really care about technology." Von Elke Schlögl -9. November 2017 拙訳 〈多才〉を自称してそれで通用するDJは少ないが,ジョセフ・リッチモンド=シートンはそのひとりだ。ベルリンを拠点とするイギリス人DJは,Call Super…

Call Super/ジョー・シートン — ロングインタビュー |RA

ソース Call Super: I man a canary bird · 特集記事 ⟋ RA by Will Lynch, 2017/2/16 拙訳 DJ/プロデューサーとして,ジョー・シートンのサウンドはワイルドでありながら詩的な魅力も持ち合わせている。ウィル・リンチが,今最も注目を集めるエレクトロニッ…

Call Super《Arpo》|RA

ソース Call Super - Arpo · Album レビュー ⟋ RA by Ray Phip, 2017/11/24 拙訳 9月,Call Super は最新LPに先駆けて7インチ〈Arpo Low〉をリリースした。レコードにはインクによるドローイングが添えられており,そのうち150点が彼のウェブサイトで公開さ…

Four Tet《New Energy》|RA

ソース Four Tet - New Energy · Album Review ⟋ RA by Andrew Ryce, 10 Oct 2017 拙訳 キーラン・ヘブデンが《New Energy》を初めて予告したのは,〈Two Thousand And Seventeen〉のリリースだった。タイトルにも重みのあるこの曲は,悲劇,政治的混乱,そ…

Peggy Gou《I Hear You》|RA

ソース Peggy Gou - I Hear You · Album Review ⟋ RA 拙訳 期待のデビューアルバムは,ちょっと期待外れ。*1 ペギー・グーはプライベートジェットで未知の領域を飛び回っている。ダンスミュージック界で最も成功した女性アーティストのひとりである彼女は,…

Floating Points《Cascade》|RA

ソース https://ja.ra.co/reviews/36202 by Tom Faber, 2024/9/13 拙訳 ジャズの世界で何年も作曲を続けてきたサム・シェパードが,大胆なクラブバンガーの詰め合わせで方向転換する。*1 メガネを外すと,サム・シェパードが本気になっていることが分かる。…

Jamie xx《In Waves》|RA

ソース Jamie xx - In Waves · Album レビュー ⟋ RA by Delilah Friedle, 2024/09/20 拙訳 Jamie xx のセカンドアルバム《In Waves》を評価する上でおそらく最も切実な疑問は,「誰に向けた作品なのか?」ということだろう。2015年のデビューアルバム《In Co…

Call Super《Eulo Cramps》|RA

ソース Call Super - Eulo Cramps · Album レビュー ⟋ RA, by Andrew Ryce, 2023/10/17 拙訳 友人たちや過去の自分たちに呼びかけながら,Call Super は冒険的でありながらも素朴な驚きに満ちたレコードを作り上げた――間違いなく,自身の最高傑作。*1 Call S…

Caribou《Honey》|RA

ソース Caribou - Honey · Album Review ⟋ RA by Reid BG, 2024/10/03 拙訳 AIボーカル,シンセソロ,高揚感のあるマントラをフィーチャーしたダン・スネイスの新しいLP は,ダンスフロアのめまいに奉仕する――ほろ苦いタッチとともに。 *1 ダン・スネイスの…

バーバラ・コナブル『音楽家ならだれでも知っておきたい「からだ」のこと:アレクサンダー・テクニークとボディ・マッピング』誠信書房 760.7

これ書物の体をなしていないと思うんだけど,実践の現場では副読本みたいにして使われるのかな。たまに面白い記述はあるんだけど。 音楽家ならだれでも知っておきたい「からだ」のこと:アレクサンダー・テクニークとボディ・マッピング作者:バーバラ・コナブ…

ジェラルド・クリックスタイン『成功する音楽家の新習慣:練習・本番・身体の戦略的ガイド』ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス出版部 760.7

成功する音楽家の新習慣 ~練習・本番・身体の戦略的ガイド~作者:ジェラルド・クリックスタイン,Gerald KlicksteinヤマハミュージックエンタテイメントホールディングスAmazon はじめに 第I部 練習上手になるには 第1章 準備を整える 練習上手になるには 練習…

小鍛冶邦隆『バッハ「平均律」解読1:《平均律クラヴィーア曲集第1巻》全24曲』アルテスパブリッシング 763.2

想像以上の内容だった。ので,この本が良書なのかどうなのか,判断できない。「オレは秘密を知っている,オレが正しい」的な雰囲気が漂う著者の文体も,正直言って好きではない。初学者にはとっつきにくい。ただ,《平均律クラヴィーア曲集》には,想像して…

フィリップ・ボール『音楽の科学:音楽の何に魅せられるのか?』河出書房新社 761

図書館でたまたま手に取って読んでみたわりには、最後まで面白く読めた。音楽について何かが分かったような気がしつつ、結局のころ何も分からなかった、という、複雑な読後感。 音楽の科学---音楽の何に魅せられるのか?作者:フィリップ ボール河出書房新社A…

The Best Mixes of 2024|RA

RAによる「このミックスがすごい!2024」。Nono Gigsta はたしかにすげーわ。Mixの可能性というかポテンシャルというか,そういうのがよく分かる。それ以外の作品も粒ぞろい。素晴らしい。 ソース 拙訳 Nono Gigsta | The House of Crocodiles | Live at Fre…

柴田南雄「西洋音楽の歴史」,『柴田南雄著作集 1』国書刊行会 760.8 762.3

ということで,「印象派以降」に続いてというかそれから遡るかたちでこの「西洋音楽の歴史」を読んだ。ようやく読み終えた。 思い違いかもしれないけれど,「印象派以降」よりもこの「西洋音楽の歴史」の方が,柴田南雄な想いというか感情というか好みという…

柴田南雄「印象派以降」,『柴田南雄著作集 1』国書刊行会 760.8 762.3

柴田南雄はもちろん最近『音楽史と音楽論』を(ようやく)読んで興味を持ったからなんだけど,なんで「印象派以降」を読もうと思ったんだっけな。とにもかくにも,こっちの方が圧倒的に面白い。文章量はやっぱり多い方が面白い。ドビュッシー以降の〈純音楽…

佐々木敦『ニッポンの音楽』講談社(講談社現代新書) 764.7

ニッポンの音楽 (講談社現代新書)作者:佐々木敦講談社Amazon はじめに 本書は、一九六〇年代の終わりから現在までに至る、この国のポピュラー・ミュージックの流れ、すなわち「ニッポンの音楽」の歴史を、出来るだけコンパクトに通覧してみようとするもので…

柴田南雄『音楽史と音楽論』岩波書店(岩波現代文庫) 762

柴田南雄のスケールの大きさ,視野の広さがよくわかる一冊。『若い読者のための音楽史』と似たような本でありながら,モノが違う。日本人が日本人に向けて書いている――放送大学での講義がベースになっている――ということもあって,日本の歴史を軸に据えなが…

Chilly Gonzales《Gonzo》 — ラップのこと,リチャード・クレイダーマンのこと

自分もまさにソロピアノのアルバムで Chilly Gonzales を知って,なもんだから「静謐で内向的で……」みたいな人物をイメージしていたんだけれど,ロンドンで10年ほど前に彼のライブを観にいったとき,その先入観とは裏腹に,声の大きなエンターテイナーである…

ロバート・フィリップ『若い読者のための音楽史』すばる舎 762

全体通して面白く読める,というわけではないけれど,後半になるにつれて――つまり自分が割と知っているクラシックとそれ以降の音楽――面白くなってきた。特に現代音楽の作曲家,あるいはその作品と大衆との断絶みたいなところが。ワールドミュージック的なも…

マイケル・E・ヴィール『DUB論』水声社 764.7

この本の存在を知ったのはこのツイートのおかげ: 『DUB論』は濃密で分厚いので読み進め辛いですが、「最終章 エレクトロニカ、リミックス文化、そして世界のポピュラー音楽を変えるジャマイカ」は、パンク、ポストパンク、UKロック、ざっくり欧米としての「…

Caribou @ Spotify O-EAST, 2024.10.14

現代のエレクトロニカ御三家といえば Floating Points / Four Tet / Caribou だと思うし,特に Floating Points《Crush》が出てからは自分の中でその順番だったけど,最近気づいたら自分の中で Caribou が一番になってた。ここ2年,ジムの中で流すのはもっぱ…

加藤一陽『音楽メディア・アップデート考:批評からビジネスまでを巡る8つの談話』リットーミュージック 764.7 760.79

柳樂光隆さんの『Jazz The New Chapter』について知りたくて手にとっただけだけど,思いのほか収穫が多かった。 まずロッキンオンの話。鹿野さんが『Japan』やりたかったわけじゃないけどロッキンオンに入社したとかいう話があったけど,自分も『Cut』の編集…

Caribou《Honey》

ということで Caribou《Honey》がフルリリースされた。ダンサブルでハッピーでもう最高,としか言いようがないんだけど,ここで本人が語っているように, ‘Honey’ is out now. i hope it brings you joy. x d https://t.co/zVMM569DtZ pic.twitter.com/MQ0Xa…

Radio Head《Kid A》

数日前,「24年前のこの日にこのアルバムがリリースされた」みたいな感じで,Twitter上に《Kid A》が溢れてた。 去年の暮れだったかな,Apple Musicが過去の名盤のTop100をランキングしてて,この《Kid A》も入っていたんだけど,それより《OK Computer》の…

Jamie xx《In Waves》〈Baddy On the Floor〉, Keni Burke〈Let Somebody Love You〉

ツアーも発表されて豊洲にやってくることが判明した Jamie xx。ほんとクセになるテクノディスコサウンドで,最近めっちゃ聴いてます。Gilles Peterson on BBC6 のプログラム*1〈Baddy On the Floor〉が流されて,「あれ,また同じ曲につなぐの?」と思ったら…

Various Artits《Red Hot & Rio》

大学生のとき,大学にはろくに行かずに,むしろ近くのポール・スミスに行っては店員さんと駄弁っていたんだけど(いまにして思えばウザい学生でしかない),そのときの店員のひとりだった田口くんに勧められたのが,このアルバム。 Red Hot プロジェクトとか…

BIGYUKI @ Blue Note Place, 2024.9.20

こないだ代々木上原OPRCTではソロライブだったけど,今回はバンド。 とにかくBIGYUKIが演奏してて楽しそう。このメンバーでバンドとして演奏できていることが楽しい,そんな感じがひしひしと伝わってきた。 ドラムのジャリスも楽しそう。ニコニコしながら叩…