音楽.舞踊.バレエ
ということで,「印象派以降」に続いてというかそれから遡るかたちでこの「西洋音楽の歴史」を読んだ。ようやく読み終えた。 思い違いかもしれないけれど,「印象派以降」よりもこの「西洋音楽の歴史」の方が,柴田南雄な想いというか感情というか好みという…
柴田南雄はもちろん最近『音楽史と音楽論』を(ようやく)読んで興味を持ったからなんだけど,なんで「印象派以降」を読もうと思ったんだっけな。とにもかくにも,こっちの方が圧倒的に面白い。文章量はやっぱり多い方が面白い。ドビュッシー以降の〈純音楽…
ニッポンの音楽 (講談社現代新書)作者:佐々木敦講談社Amazon はじめに 本書は、一九六〇年代の終わりから現在までに至る、この国のポピュラー・ミュージックの流れ、すなわち「ニッポンの音楽」の歴史を、出来るだけコンパクトに通覧してみようとするもので…
柴田南雄のスケールの大きさ,視野の広さがよくわかる一冊。『若い読者のための音楽史』と似たような本でありながら,モノが違う。日本人が日本人に向けて書いている――放送大学での講義がベースになっている――ということもあって,日本の歴史を軸に据えなが…
自分もまさにソロピアノのアルバムで Chilly Gonzales を知って,なもんだから「静謐で内向的で……」みたいな人物をイメージしていたんだけれど,ロンドンで10年ほど前に彼のライブを観にいったとき,その先入観とは裏腹に,声の大きなエンターテイナーである…
全体通して面白く読める,というわけではないけれど,後半になるにつれて――つまり自分が割と知っているクラシックとそれ以降の音楽――面白くなってきた。特に現代音楽の作曲家,あるいはその作品と大衆との断絶みたいなところが。ワールドミュージック的なも…
この本の存在を知ったのはこのツイートのおかげ: 『DUB論』は濃密で分厚いので読み進め辛いですが、「最終章 エレクトロニカ、リミックス文化、そして世界のポピュラー音楽を変えるジャマイカ」は、パンク、ポストパンク、UKロック、ざっくり欧米としての「…
現代のエレクトロニカ御三家といえば Floating Points / Four Tet / Caribou だと思うし,特に Floating Points《Crush》が出てからは自分の中でその順番だったけど,最近気づいたら自分の中で Caribou が一番になってた。ここ2年,ジムの中で流すのはもっぱ…
柳樂光隆さんの『Jazz The New Chapter』について知りたくて手にとっただけだけど,思いのほか収穫が多かった。 まずロッキンオンの話。鹿野さんが『Japan』やりたかったわけじゃないけどロッキンオンに入社したとかいう話があったけど,自分も『Cut』の編集…
ということで Caribou《Honey》がフルリリースされた。ダンサブルでハッピーでもう最高,としか言いようがないんだけど,ここで本人が語っているように, ‘Honey’ is out now. i hope it brings you joy. x d https://t.co/zVMM569DtZ pic.twitter.com/MQ0Xa…
数日前,「24年前のこの日にこのアルバムがリリースされた」みたいな感じで,Twitter上に《Kid A》が溢れてた。 去年の暮れだったかな,Apple Musicが過去の名盤のTop100をランキングしてて,この《Kid A》も入っていたんだけど,それより《OK Computer》の…
ツアーも発表されて豊洲にやってくることが判明した Jamie xx。ほんとクセになるテクノディスコサウンドで,最近めっちゃ聴いてます。Gilles Peterson on BBC6 のプログラム*1〈Baddy On the Floor〉が流されて,「あれ,また同じ曲につなぐの?」と思ったら…
大学生のとき,大学にはろくに行かずに,むしろ近くのポール・スミスに行っては店員さんと駄弁っていたんだけど(いまにして思えばウザい学生でしかない),そのときの店員のひとりだった田口くんに勧められたのが,このアルバム。 Red Hot プロジェクトとか…
こないだ代々木上原OPRCTではソロライブだったけど,今回はバンド。 とにかくBIGYUKIが演奏してて楽しそう。このメンバーでバンドとして演奏できていることが楽しい,そんな感じがひしひしと伝わってきた。 ドラムのジャリスも楽しそう。ニコニコしながら叩…
2023/10/7。 www.bbc.co.uk この日が自分にとって Call Super に出会ってしまった,Call Super を知ってしまった日になりましたとさ。(よくよく調べたら2020年に本人がこのGillesのプログラムに出てて,それを聞き逃したオレなんなんだって感じなんだけど)…
ほんとにこの人の言うとおりでね…… Four Tet、floating points、Jamie XX、Caribouが同じ年にアルバム出すなんて、四皇の頂上決戦みたいやな。 pic.twitter.com/awAqFdQ5Mk— 音楽好き左利き平凡耳 (@oK_Blonde_) September 13, 2024 いや,Jamie xx は正直よ…
[ Kassa Overall のミックステープ。 ] なんだけど,知ったきっかけは Gilles Peterson のプログラム。 www.bbc.co.uk 冒頭はFloating Points + Pharoah Sanders『Promises, Movement 1』のリミックスで,Gillesもこれに対しては「だれかがこの曲のリミック…
Floating Points としては2019年《Crush》以来となるアルバム,ってことになると思うんだけど,その間リリースされてたシングルは聴いてて正直ピンとこなかったというか,なんか散漫で淡白な印象を受けていたんだけれど,こうやってアルバムでまとめて聴くと…
借りるとき全然気づかなかったけど,これ大きな子供向けの伝記だわ。QRコード読み取って音楽が実際に聴ける仕組みにしてるのはいいと思う。 音楽家の伝記 はじめに読む1冊 バルトーク (音楽家の伝記はじめに読む1冊)作者:ひの まどかヤマハミュージックエン…
マーラー (作曲家・人と作品シリーズ)作者:村井 翔音楽之友社Amazon たしかにこのシリーズが「実力は執筆陣による渾身の書き下ろし」と謳うように,著者の熱意が伝わる伝記である。 「著者紹介」では「専門はフロイト,羅漢精神分析学と20世紀オーストリア文…
音楽の肖像作者:誠一, 堀内,俊太郎, 谷川小学館Amazon 作曲家とその作品とにまつわる,エッセイとイラストと詩。 いやー,こういうのを味わう心の余裕がないわ……。 762.8 音楽の肖像 = LA MUSIQUE EN PORTRAITS (小学館): 2020|書誌詳細|国立国会図書館サ…
ロマン派の交響曲―『未完成』から『悲愴』まで (講談社現代新書)作者:金 聖響,玉木 正之講談社Amazon 読むと話としては面白いんだけど,実際に聴いてみるとやっぱりそうでもないという…。いや,ブラームスの4番とかは,この本のおかげで興味深く聴けたか。 …
マーラーの交響曲 (講談社現代新書)作者:金 聖響,玉木 正之講談社Amazon いやほんとこの本のおかげでマーラーの交響曲に出会えたと思う。感謝感謝。まぁここで書かれている解釈が「唯一」のものではないと思うけれど,にしてもかなりいいガイダンス/ナビゲ…
ベートーヴェンの交響曲 (講談社現代新書)作者:金 聖響,玉木 正之講談社Amazon 「メロディといっても,チャイコフスキーのような長く歌うメロディではなく,わずか四つか五つの音だけで純粋に美しい響きをつくっている」のがベートーヴェンだという。五番第4…
洋楽ロック史を彩るライヴ伝説 ウドー音楽事務所の軌跡を辿る作者:赤尾美香,ウドー音楽事務所シンコーミュージックAmazon あくまでウドー音楽事務所(が招聘したバンドのライブ)の歴史なんだけど,それがまあまあ日本の洋楽ロックライブ史になっているとい…
作曲の科学 美しい音楽を生み出す「理論」と「法則」 (ブルーバックス)作者:フランソワ・デュボワ講談社Amazon 確かにこの本を読むと,少しの理論と法則さえ覚えれば,作曲というのは比較的簡単にできるように思えてくる。そこでできた曲のクオリティーがど…
新・外国音楽家の呼び方 (1978年)日本放送出版協会Amazon NHKでは,放送番組に登場する外国の音楽家や演奏団体の呼び方を統一して,アナウンスと文字表記の資料とするため,昭和29年3月に「外国音楽家の呼び方」を刊行した.しかしながら,その後20数年間に…
youtu.be 初演100周年を記念したニジンスキー版の復刻。なんだとしたら,観客も途中で退席するとかステージに物を投げ込むとかして,雰囲気を再現しないといけないよな。なに観客だけ高みの見物しとんねん。 さいてん~。
Floating Points が KEXP でやったライブパフォーマンス(そのまんまだ)。 www.youtube.com 音楽が最高なのは当然ながら,途中のDJとサム・シェファードとの掛け合いが面白い。ベースはロンドン在住の日本人,ススム・ムカイ氏。 この記事もあとでちゃんと…
2019年のマイベストアルバムは,間違いなくこれ。 エレクトロミュージックの極北。テクニカルでミニマリスティックなのに,展開があってメロディアスでエモい。 UCLでニューロサイエンスを学び,批評家から激賞される音楽を創る。それ以上にカッコいいことが…