Dribs and Drabs

ランダムな読書歴に成り果てた

保険 Insurance

茶野努, 安田行宏『基礎から理解するERM:高度化するグローバル規制とリスク管理』中央経済社

基礎から理解するERM ―高度化するグローバル規制とリスク管理作者:茶野 努,安田 行宏,廉 了,増井 正幸,矢野 聡,浅見 潤一,浜崎 浩一,植村 信保,伊豆原 孝中央経済社Amazon ERMに関して,ポジティブに言えば「多彩なトピックが盛り込まれている」し,ネガティ…

中出哲『海上保険:グローバル・ビジネスの視点を養う』有斐閣

海上保険 -- グローバル・ビジネスの視点を養う作者:中出 哲有斐閣Amazon 海上保険の基礎的なところをしっかりと解説してくれる。特に,貨物保険と船舶保険の前提になるところーー貨物であれば貿易のしくみとかーーが丁寧に解説されていると思った。個人的な…

山内恒人『生命保険数学の基礎:アクチュアリー数学入門』東京大学出版会

生命保険数学の基礎 第3版: アクチュアリー数学入門作者:恒人, 山内東京大学出版会Amazon アクチュアリー試験に向けて生保数理を勉強するならこれだよね……って今は他にもいいのが出てるかもしれないけれど,自分の場合はこのおかげで合格できた。 339.1 生命…

中出哲, 嶋寺基『企業損害保険の理論と実務』成文堂

企業損害保険の理論と実務作者:中出 哲,嶋寺 基成文堂Amazon 企業損害保険の中でもプロパティとBI(本書内では「利益保険」)とライアビリティにフォーカスしたもの。企業保険に限っているのはユニークだと思ったけど,「理論と実務」というわりには「理論」…

森本祐司,松平直之,植村信保『経済価値ベースの保険ERMの本質』きんざい

キャピタスコンサルティングの御三方による新刊です。 経済価値ベースの保険ERMの本質 作者: 森本祐司,松平直之,植村信保 出版社/メーカー: きんざい 発売日: 2017/10/31 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 保険ERM(Enterprise Risk Management)…

ERMのコアは経済資本モデリングである!

とは言い切れないのが実務だと思うのですが,先日とある再保険会社のERMセミナーに参加しまして,その話の中心に経済資本モデリングがガッチリと置かれていたのが,とても興味深く思えました。 ERMというと「いろいろやらなきゃいけない,でも何からやってい…

金融庁における職員の募集(ちょっと前の話)

今年の6月28日付で金融庁のサイトにこんな募集が掲載されて,いつのまにかなくなっていたけれど,果たしてどんな人が採用されたのでしょう。 平成28年6月28日募集番号(28総02) 職員の募集 職種 金融庁における国際関連業務に従事する職員(課長補佐級/係…

Paul Embrechts "Risk Management: Then, Now and Tomorrow":第5世代のアクチュアリーとは

日本アクチュアリー会「平成28年度第4回例会」の資料だそうでして…… Paul Embrechts "Risk Management: Then, Now and Tomorrow"http://www.actuaries.jp/lib/meeting/reikai28-4-siryo.pdf バンキング・インダストリーを含めてのファイナンシャル・リスク・…

アクチュアリーとデータサイエンス - The CAS Institute の発足を今さら知った

CAS の "Future Fellow" というブログの最新エントリーは,アクチュアリーとデータサイエンス(あるいはデータサイエンティスト)との関係に触れる,ちょっと興味深いものでありますが,その中で「The CAS recently announced a partnership with The Instit…

メモ "R in Insurance 2016 Programme"

出席してみようと思っていますが,ひとまずメモ。 R in Insurance conference at Cass Business School in London, 11 July 2016http://www.r-bloggers.com/r-in-insurance-2016-programme/ Agenda [09:00 - 10:00] Keynote 1: (New) Challenges in Actuaria…

[論文]"Analyzing The Disconnect Between The Reinsurance Submission And Global Underwriter's Needs"

CASとIFOAとのワーキンググループが発表したレポート。再保険のサブミッションに含まれている情報と,再保険アンダーライターがプライシングに求める情報とのあいだには,開きがある。そのアンダーライターのニーズを理解し,適切な情報を提供することで,最…

CASのPresidentが語る,SOAとの関係性

2013年にミネアポリスで開催された CAS の annual meeting に出席したとき,breakout session のなかで CAS の運営側とメンバーであるアクチュアリーたちとのあいだで試験制度に関するディスカッションが行なわれていたのがとても印象的でした。たぶん日本に…

南アフリカのアクチュアリー会正会員は,2015年現在で1091人

IAA SEPTEMBER 2015 NEWSLETTERhttp://www.actuaries.org/LIBRARY/Newsletters/2015_September.pdf CERA保有者は42人だとか。 生保・年金部門で51%,13%がショートターム(損保)分野に関わる。 南アフリカの人口は2015年推定で約55mnですよ(ソース)。

Actuarial Post "Aon's 7 emerging risk opportunities for insurance growth”

Actuarial Post "Aon's 7 emerging risk opportunities for insurance growth”http://www.actuarialpost.co.uk/article/aon----039s-7-emerging-risk-opportunities-for-insurance-growth-8522.htm The seven key emerging risks identified by the report c…

[論文]ETH "The Loss Given Default in Credit Insurance: Summary"

ETH "The Loss Given Default in Credit Insurance: Summary"http://www.cs-pml.org/images/document/CS-PML-Summary-2008-09-23.pdf (Abstract)The present PML study investigates the loss given default (LGD) in the trade credit insurance market for…

CAS (Casualty Actuarial Society) Admission Process

http://www.casact.org/admissions/process/ CASのAssociateになるには,以下の要件を満たす必要がある。 Validation by Educational Experience (VEE) VEE-Corporate Finance VEE-Economics SOAでもVEEはあるけれど,CASのAssociateとしては以上のふたつ(A…

USのアクチュアリー試験の概要を知るならこれで十分|Willyの脳内日記 "米国アクチュアリーについて"

「アメリカ在住の駆け出し大学教員による留学・研究・生活情報、日米社会の考察」と謳っていらっしゃるブログ「Willyの脳内日記」に,「米国アクチュアリーについて」と題したエントリーが掲載されました。 「去る冬学期にアクチュアリー関連の講義を受け持…

SOAのウェブサイトが 2015 Communicator Award of Excellence を受賞|SOA

だそうでございまして ……。 2014年12月にリニューアルされましたが,確かに新しいSOAのサイトはナビゲーションが分かりやすく,かついわゆる「レスポンシブ」な作りっていうんでしたっけ,ブラウザの横幅に応じて表示が動的に変化するという作りになりました…

SOAで生保数理に相当する Exam MLC (Models for Life Contingencies) を受験しました|その内容と感想など

こんど何の試験を受けるのかって同僚に訊かれて,「Life Contingenciesだよ」って答えると,だいたい薄ら笑いを浮かべられて「あーご愁傷さま」みたいな表情をされるんですが,それはひとえにみんな損保が専門だからであって,私は日本の試験で生保数理を受…

アクチュアリーの給与マトリックス|DW SIMPSON

分野別(Casualty, Health, Life, Pension)× 年数別 × 合格した試験科目数別のマトリックスになっています。たぶん単位は USD thousands。 http://www.dwsimpson.com/2014_Actuarial_Salary_Survey.pdf なので例えば「損保アクチュアリーで経験が3-5 yrsでA…

中国の保険業界事情と規制(C-ROSS)について

中国保険業界事情と規制 CASから2ヶ月に1冊届けられる『actuarial review』という冊子に,中国の保険業界事情と規制(C-ROSS)について書かれていた論考があった。 著者は,Bo Huang。FCASで,KPMGチャイナのシニア・アクチュアリアル・マネージャー。北京を…

イギリスでのアクチュアリーの労働市場

小ネタ。イギリスでのアクチュアリーの労働市場がどんなものか,簡単に調べてみます。見たのは以下のサイト。 Actuarial Jobs in Londonhttp://www.theactuaryjobs.com/jobs/greater-london/ たとえば,こんなポジション Capital Modeling Actuary Sector Li…

RMSとワールドカップ,テロ保険について|The RMS Blog

RMS and the FIFA World Cup: Insuring Against Terrorismhttp://www.rms.com/blog/2014/07/16/rms-and-the-fifa-world-cup-insuring-against-terrorism/ As we reflect back on this year's World Cup, which wrapped up without interruption after German…

IFoAの Mutual Recognition について|IAJ, SOA, CAS などとの資格の相互認定制度

IFoAのMutual Recognition IFoA(Institute and Faculty of Actuaries,イギリスのアクチュアリー会)の Mutual Recognition制度について調べています。「Mutual Recognition」とは日本語に訳すなら「(資格の)相互認識」で,例えば「日本のアクチュアリー…

石井隆『最後のリスク引受人:知られざる再保険』保険毎日新聞社

この本を手にしたわけ 私の仕事に直接関わる,再保険のお話でございます。読まないわけにはいきません。 最後のリスク引受人―知られざる再保険 作者: 石井隆 出版社/メーカー: 保険毎日新聞社 発売日: 2011/05 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 2回 こ…

Amlinとオックスフォード大学がシステミックリスクモデリングを共同研究

Amlin and Oxford University launch major research project into the Systemic Risk of Modellinghttp://www.amlin.com/media/press-releases/2014/11-2-2014.aspx The use of models by the insurance industry has contributed to a greater understandi…

ノンモデルド・リスクのためのガイド|Association of British Insurers

ABI,今回はNon-modelled Riskについて ABI(Association of British Insurers)がリリースした,“グッドプラクティス”のガイド。数年前はCatモデリングについて(‘Industry Good Practice for Catastrophe Modelling: a guide to managing catastrophe mode…

「損害保険会社の保険計理人の実務基準」の改正|IAJ

「損害保険会社の保険計理人の実務基準」の改正について|日本アクチュアリー会http://www.actuaries.jp/info/Z20140325-2.html 日本アクチュアリー会では、公益社団法人への移行に伴う保険業法施行規則の改正への対応等のため、「損害保険会社の保険計理人…

日本アクチュアリー会「グループ内再保険取引」,『会報別冊』第268号

本会報別冊は、国際アクチュアリー会(IAA)の保険監督委員会再保険小委員会が作成し、保険監督委員会が承認した文書である ”Intra-Group Reinsurance Transactions” を、保険監督部会のメンバーが訳したものです。 本文書は、保険グループ内での再保険の利…

三輪,竹内「今後の国際規制の日本の保険会社への影響」,『リスクと保険』第10号

抜粋 金融危機前は、バーゼル銀行監督委員会(BCBS),証券であれば証券監督者国際機構(IOSCO)保険であれば保険監督者国際機構(IAIS),これらがおのおの独立したかたちで、いろいろ基準設定を進めていた。 金融危機を踏まえて,いわゆる金融のグローバル…