Dribs and Drabs

ランダムな読書歴に成り果てた

哲学 Philosophy

哲学,心理学,倫理学,宗教

戸田山和久『哲学入門』筑摩書房(ちくま新書)

哲学入門 (ちくま新書)作者:戸田山 和久筑摩書房Amazon どこで本書の存在を知ったか忘れたけれど,いやーいいものを読んだ。自然科学的世界像の中に哲学を埋めこもうとする試み。自分にとってまったく知らなかった世界で,スリリング。〈こころ〉の世界にと…

トッド・ローズ『平均思考は捨てなさい : 出る杭を伸ばす個の科学』早川書房

平均思考は捨てなさい──出る杭を伸ばす個の科学 (早川書房)作者:トッド ローズ早川書房Amazon 〈平均思考〉を批評し〈個性学〉を推進する著者。それがよくあるエリートな経歴であれば説得力も半減するところだが, 私はユタ州のオグデンで大学生活を始めたと…

ピエール・テイヤール・ド・シャルダン『現象としての人間』みすず書房

現象としての人間【新版】 新装版作者:ピエール・テイヤール・ド・シャルダンみすず書房Amazon たしか『多様性の科学』の中で言及されていた本だと思うけど,どういう文脈でだったか忘れてしまった。そしてその文脈が頭にないと,なかなか頭に入ってこない――…

アダム・ガリンスキー, モーリス・シュヴァイツァー『競争と協調のレッスン:コロンビア×ウォートン流組織を生き抜く行動心理学』TAC出版

競争と協調のレッスン コロンビア×ウォートン流 組織を生き抜く行動心理学 (T's BUSINESS DESIGN)作者:アダム・ガリンスキー,モーリス・シュヴァイツァーTAC出版Amazon それなりに面白い内容だけど,本としての〈底の浅さ〉をどうしても感じてしまう。考えら…

マシュー・サイド『多様性の科学:画一的で凋落する組織、複数の視点で問題を解決する組織』ディスカヴァー・トゥエンティワン

多様性の科学 画一的で凋落する組織、複数の視点で問題を解決する組織作者:マシュー・サイドディスカヴァー・トゥエンティワンAmazon 非常に示唆的であった。「なぜ多様性が重要かというと,多様性のあるチームの方がいいチームになりうるから」ということが…

入不二基義『哲学の誤読:入試現代文で哲学する!』筑摩書房(ちくま新書)

哲学の誤読 ―入試現代文で哲学する! (ちくま新書)作者:入不二 基義筑摩書房Amazon 刺激的な本である。ユニークな知的刺激が得られる。これを読み終えたからといって日常生活やら仕事やらに一切のメリットはないはずだけど,でもこういう本を「理解できるよ…

D・カーネギー『人を動かす』創元社

人を動かす 文庫版作者:D・カーネギー創元社Amazon とにかく読み物として面白い。エピソードが満載なのだが,それもそのはず,「彼は,新聞,雑誌,裁判記録をはじめ,心理学書,哲学書,その他,人間関係の問題に関連のある書物を片っ端から調べ上げ,助手…

深井智朗『プロテスタンティズム:宗教改革から現代政治まで』中央公論新社(中公新書)

プロテスタンティズム - 宗教改革から現代政治まで (中公新書)作者:深井 智朗中央公論新社Amazon 本書を読むのは2回目だ。再び読もうと思ったのは,カート・アンダーセン『ファンタジーランド』*1の影響だと思う――そこではアメリカを創ったプロテスタントが…

大田俊寛『オウム真理教の精神史:ロマン主義・全体主義・原理主義』春秋社

オウム真理教の精神史―ロマン主義・全体主義・原理主義作者:大田 俊寛春秋社Amazon ずっと読みたかった本,ようやく読んだ。著者のいうように,「本書はおそらく,オウム論としてはかなり異色のものになるのではないだろうか。オウムに直接関係していること…

スーザン・ケイン『内向型人間の時代 : 社会を変える静かな人の力』講談社

内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力作者:スーザン・ケイン講談社Amazon 流し読みした印象では,本書は「外向型であることが強迫観念になっている国」の人向けに書かれたものだということ。本書のメッセージとしては「内向型であることはネガティブな…

ジョナサン・ハイト『社会はなぜ左と右にわかれるのか:対立を超えるための道徳心理学』紀伊國屋書店

社会はなぜ左と右にわかれるのか――対立を超えるための道徳心理学作者:ジョナサン・ハイト紀伊國屋書店Amazon タイトルで損してないか? 「左と右」なので政治の話がメインに思ったけど,実際には深くて広い道徳心理学の話だった――政治における「左と右の対立…

E.P.サンダース『パウロ』教文館(コンパクト評伝シリーズ)

パウロ作者:E.P.サンダース教文館Amazon 岩波新書の『パウロ:十字架の使徒』を読んでいたおかげで,この本に何が書かれているかは分かるようになったが,それでもこの本が何を言いたいのかは分からなかった(内容が専門的で)。 著者E.P.サンダースは,「初…

青野太潮『パウロ:十字架の使徒』岩波書店(岩波新書)

パウロ 十字架の使徒 (岩波新書)作者:青野 太潮岩波書店Amazon なんでパウロについて読もうと思ったかというと,竹田青嗣『ニーチェ入門』に以下のような記述があったから。 ルサンチマンから発した「善悪」という「僧侶的評価様式」をはじめに作り出したの…

M. ヘンゲル『イエスとパウロの間』教文館(聖書の研究シリーズ)

イエスとパウロの間 (聖書の研究シリーズ)作者:マルティン ヘンゲル教文館Amazon 原初キリスト教をパウロがいかに世界宗教に広めたかってことを知りたくて手当たり次第に本を手に取ってみたけど,こいつは専門的すぎた…。 キリスト教は、なぜ瞬く間に世界的…

田中美知太郎『ソクラテス』岩波書店(岩波新書)

ソクラテス (岩波新書)作者:田中 美知太郎岩波書店Amazon これを読まされたの,高校1年生のときだったかな。「倫理」の授業の夏休みの宿題として。しかしこれ,それこそ「読書術」が身についていない高校1年生にとっては難しいでしょ。というのも,通読しよ…

フリードリッヒ・ニーチェ『善悪の彼岸;道徳の系譜』筑摩書房(ちくま学芸文庫, ニーチェ全集, 11)

ニーチェ全集〈11〉善悪の彼岸 道徳の系譜 (ちくま学芸文庫)作者:フリードリッヒ ニーチェ筑摩書房Amazon ということで満を持して読んでみた*1。 まず「体系性からいってもその密度からいっても群を抜いている」らしい『道徳の系譜』なんだけど,どこが体系…

竹田青嗣『ニーチェ入門』筑摩書房(ちくま新書)

ニーチェ入門 (ちくま新書)作者:竹田青嗣筑摩書房Amazon 久しぶりに読んだけど,文章の切れ味がいいんだよね,この本というかこの著者。たとえば『悲劇の誕生』に関して, まずはその実質的なモチーフはつぎのようなことになる。「いまや現代ドイツに真の芸…

あおむら純『空海:真言宗を開いた弘法大師』小学館(小学館版学習まんが ドラえもん人物日本の歴史, 第3巻)

ドラえもん人物日本の歴史3・空海 (3) (小学館版学習まんが―ドラえもん人物日本の歴史)小学館Amazon 高野山に旅行に行った息子が買ってきてたんだけど,空海と最澄はいろいろあって最終的に仲違いしたってところがいちばん印象に残った。 188 空海 : 真言宗…

崔吉城『キリスト教とシャーマニズム:なぜ韓国にはクリスチャンが多いのか』筑摩書房(ちくま新書)

キリスト教とシャーマニズム ――なぜ韓国にはクリスチャンが多いのか (ちくま新書)作者:崔 吉城筑摩書房Amazon 「キリスト教が第一宗教である韓国では,近代以降,伝統的なシャーマニズムが形を変えてキリスト教伸張につながった。また,その独特な布教でも知…

留年について|京都大学学生支援センター

留年したどころか中退した自分には,ここに書かれていることが一字一句心に沁みるんだよな…。 留年について-カウンセリングルーム(京都大学) 高校生までは、留年(原級留置)は、全日制の普通科の高校であれば、たいていの学校においては1パーセントにも…

外山滋比古『思考の整理学』筑摩書房(ちくま文庫)

メタ認知の本を読んでもメタ認知は得られない……。 思考の整理学 (ちくま文庫)作者:外山 滋比古筑摩書房Amazon 《エディターシップ》ということはよく分かった。 だから書影に帯入れるなって……。

瀧本哲史『2020年6月30日にまたここで会おう:瀧本哲史伝説の東大講義』星海社(星海社新書)

この「伝説の講義」の対象年齢ではないけれど,少し踏み出してみようかな…という気になった。 2020年6月30日にまたここで会おう 瀧本哲史伝説の東大講義 (星海社新書)作者:瀧本 哲史星海社Amazon 京大での講義,自分が学生のときだったら受講していただろう…

菅原潤『京都学派』講談社(講談社現代新書)

曲がりなりにも京都の大学に通い,そして1ページでもあっても西田幾多郎の『善の研究』を読んだ身としては,本書を読まずにはいられませんでした。「京都学派」なる言葉はうっすらと聞いた記憶がありながらも,そこに属する人たちが第二次世界大戦後に「好戦…

小倉紀蔵『朝鮮思想全史』筑摩書房(ちくま新書)

その厚さに,本屋で見かけたときに怯んだのは事実なんですが,「面白そう」という気持ちが勝って読んでみました。いろいろと不可解なことがあり起こっている「彼ら」のものの考え方や思考様式を理解したい,というのがモチベーションでした。朝鮮思想全史 (…

山本芳久『トマス・アクィナス:理性と神秘』岩波書店(岩波新書)

Twitter界隈で非常に盛り上がっている印象を受けまして,興味本位で手を出してみました。が,そういうたぐいの本ではなかった。 トマス・アクィナス――理性と神秘 (岩波新書) 作者: 山本芳久 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2017/12/21 メディア: 新書 こ…