Dribs and Drabs

ランダムな読書歴に成り果てた

マーヴィン・ミンスキー『心の社会』産業図書

ミンスキーによる「ぼくのかんがえたさいきょうのこころのりろん」ってところ。訳者あとがきによれば,

ミンスキー教授の示す理論は,society of mind(心の社会)という考え方を軸としており,この考え方がそのまま原著(そして本訳書)の表題となっている。《心の社会》とは,心が,個々には心を持たない多数の《エージェント》からなる《社会》である,とする考え方のことである。いいかえると,心のはたらきが,多くのエージェント同士がお互いを活性化したり,抑制したり,検閲したりするような《インタラクション》によって生まれてくる,という考え方のことである。

面白い箇所はあるんだけど,あくまでミンスキーの考えていることにすぎないしなぁ,「で,実際に脳はそうなってるの?」っていう疑念がどこまでいっても拭えない,というか。

安西祐一郎の丁寧な訳は尊敬に値する。あとプルースト『失われた時を求めて』からの引用が散見されたのも印象的。

カバージャケットのデザインは既視感あると思ったけど,戸田ツトムだった。

141

心の社会 (産業図書): 1990|書誌詳細|国立国会図書館サーチ