Dribs and Drabs

ランダムな読書歴に成り果てた

2018-01-01から1年間の記事一覧

正高信男『0歳児がことばを獲得するとき:行動学からのアプローチ』中央公論社(中公新書)

0歳児がことばを獲得するとき―行動学からのアプローチ (中公新書) 作者: 正高信男 出版社/メーカー: 中央公論社 発売日: 1993/06/01 メディア: 新書 クリック: 1回 この商品を含むブログ (11件) を見る 子供を育てる親として,もうすぐ新たに子供を向かい入…

小倉貞男『物語ヴェトナムの歴史:一億人国家のダイナミズム』中央公論社(中公新書)

以前読んだ小倉紀蔵『朝鮮思想全史』ちくま新書のあとがきに わたしの亡き父がかつてヴェトナムの歴史に関する新書を書いたとき,できあがった本があまりにも(非常識なほど)分厚いので,「新書でこんな分厚い本を書いてどうするんだ」とわたしは思い,その…

井上真琴『図書館に訊け!』筑摩書房(ちくま新書)

図書館に訊け! (ちくま新書)作者:井上 真琴筑摩書房Amazon大学図書館に勤務し,「図書館という存在は『人類の巨大なレファレンス・ブック』だ」と考える著者が,図書館の使い方を説く本。論文も書かず大学を辞めた自分にとって図書館とは,なんとなく入って…

細谷雄一『国際秩序:18世紀ヨーロッパから21世紀アジアへ』中央公論社(中公新書)

国際秩序 - 18世紀ヨーロッパから21世紀アジアへ (中公新書)作者:細谷 雄一中央公論新社Amazon細谷雄一らしい,参考文献が懇切に付与され,そして丁寧が議論がなされている本でありました。ただ,サブタイトルにある「18世紀ヨーロッパ」に関する記述が厚く…

佐々木健一『美学への招待』中央公論社(中公新書)

漱石の『吾輩は猫である』の中での美学者・迷亭は,法螺話で人をかついでばかりの人物なのですが,それを読んで以来(つまりは14歳ぐらいのときから),「美学」というものがずっと気になっていました。で,読んでみたこの本。そういえば同じ著者の『タイト…

800° Degrees Pizza というのがあるらしいんですが

800 ディグリーズ ナポリタン ピッツェリア | 800 Degrees Neapolitan Pizzeriaこれだと「800度度ピザ」ですやん。しかもこれ,華氏800度だと思うんですが,もしかして角度なのかな?

津川友介『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』東洋経済新報社

世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事作者:津川 友介発売日: 2018/04/13メディア: 単行本何をもって「科学的」かと言ってると,著者によれば, 医学研究では,大きく分けて①ランダム化比較試験と②観察研究の2つに分けられる。そして,一般的に,ラ…

鈴木美勝 『日本の戦略外交』筑摩書房(ちくま新書)

日本の戦略外交 (ちくま新書 1236)作者:鈴木 美勝筑摩書房Amazon高坂正堯『国際政治 - 恐怖と希望』中公新書のような「一般的」な本も面白いのであるが,あるいは福永文夫『日本占領史1945-1952 - 東京・ワシントン・沖縄』中公新書のような本で過去を知るの…

杉田浩一『「こつ」の科学:調理の疑問に答える』柴田書店

もともと『Cooking for Geeks』を買ったときに求めていた内容が,この本にコンパクトにまとめられていた,という感じですね。「こつ」の科学―調理の疑問に答える作者:杉田 浩一発売日: 2006/11/01メディア: 単行本「葉物はお湯から,根菜は水から(茹でる)…

高坂正堯『国際政治:恐怖と希望』中央公論社(中公新書)

ここ(最近の読書を通じて思ったこと|主に「反権力の権力化」ついて - Dribs and Drabs)で書いた『外交感覚』の高坂正堯が,国際政治に関する自らの考えを「改めて」「一般的に」考えてまとめたのが,この『国際政治』であります。国際政治 - 恐怖と希望 (…

福永文夫『日本占領史1945-1952:東京・ワシントン・沖縄』中央公論社(中公新書)

日本占領史1945-1952 - 東京・ワシントン・沖縄 (中公新書)作者:福永 文夫中央公論新社Amazon「あとがき」で著者はこう述べます。 本書では,二つのことを問いかけた。一つは,日本国憲法と日米安保という,染料が戦後日本に残した遺産を総括することである…

細谷雄一『安保論争』筑摩書房(ちくま新書)

「安保論争」といって,「1960年代の」ではなく「2015年の」,である。「集団的自衛権」という言葉だけが独り歩きした感のある2015年の「安全保障関連法」に関して肯定的な評価をする著者が,その必要性について,歴史的・現代的な背景を踏まえながら,丁寧…

日本再建イニシアチブ『民主党政権失敗の検証:日本政治は何を活かすか』中央公論社(中公新書)

『現代日本の地政学』に続いて,日本再建イニシアチブの書いたものを読んでみました。民主党政権 失敗の検証 - 日本政治は何を活かすか (中公新書)作者:日本再建イニシアティブ中央公論新社Amazonこの本が出版されたのが2013年9月。そこから民主党は民進党へ…

保井俊之『保険金不払い問題と日本の保険行政:指向転換はなぜ起こったのか』日本評論社

保険金不払い問題と日本の保険行政: 指向転換はなぜ起こったのか作者:保井俊之日本評論社Amazon件の保険金不払い問題に対する包括的な分析ではあるが,ジャーナリスティックというよりアカデミックなアプローチであり,そもそも論あるいは抽象論(なぜ民間当…

日本再建イニシアティブ『現代日本の地政学:13のリスクと地経学の時代』中央公論社(中公新書)

独立系シンクタンク「日本再建イニシアティブ」による著書で,中公新書からは『民主党政権 失敗の検証 - 日本政治は何を活かすか』に次ぐもの。地政学に対する自分の興味が強まっている中で(地政学について知りたい - Dribs and Drabs),「現代の」「日本…

藤田博司『「集合と位相」をなぜ学ぶのか:数学の基礎として根づくまでの歴史』技術評論社

「集合と位相」をなぜ学ぶのか ― 数学の基礎として根づくまでの歴史作者:藤田 博司技術評論社Amazon確かにこれはユニークな本であって,著者が言うように 本書はこの「集合と位相」という科目の,教科書ではありません だし, 「集合と位相」で講じられる内…

トム・ヴァンダービルト『となりの車線はなぜスイスイ進むのか?:交通の科学』早川書房

期待していたような「交通の科学」の本ではなかった(エンジニアリングというよりは心理学的寄りだった)し,洋物の本でたまにある,「なんか構成がよく分からなくて話題が散発的に続いている」感じの本であった。となりの車線はなぜスイスイ進むのか?――交通…

高階秀爾『近代絵画史:カラー版』中央公論社(中公新書)

「もっと深く絵画を理解したい」という気持ちはずっと抱いていました。この本を読もうと思ったのは,それがきっかけです。カラー版 - 近代絵画史(上) 増補版 - ロマン主義、印象派、ゴッホ (中公新書)作者:高階 秀爾中央公論新社Amazonカラー版 - 近代絵画史…

坂野潤治『日本近代史』筑摩書房(ちくま新書)

朝鮮思想史,三国志と読んだので,つぎは日本史の本を読んでみようと思い手にとったのですが,無知な僕には敷居が高うございました。(書店で立ち読みした時点で分かれよ,という話ですが。)日本近代史 (ちくま新書)作者:坂野 潤治筑摩書房Amazon 本書は,…

清水真人『財務省と政治:「最強官庁」の虚像と実像』中央公論社(中公新書)

財務省の文書改竄事件で盛り上がる今,読むべき本はこれでしょうと思って手に取りました。そういう意味で期待していた内容とは違っていたのですが,まぁそうじゃなくても面白かった。そのタイトル通り,財務省(あるいは旧大蔵省)が政治のプロセスにいかに…

横山光輝『三国志』潮出版社(潮漫画文庫)

これまた本当に今さらなんですが,横山光輝の『三国志』を読みました。三国志 (1) 桃園の誓い (希望コミックス (16))作者:横山 光輝潮出版社AmazonAmazonマーケットプレイスで,全60冊をまとめ買い。10日で読み切ってしまいました。三国志 文庫版 コミックセ…

久保拓弥『データ解析のための統計モデリング入門:一般化線形モデル・階層ベイズモデル・MCMC』岩波書店

喫緊の必要性があるわけでもないんですけどね。この方に影響されて(データサイエンティストもしくは機械学習エンジニアを目指すならお薦めの初級者向け6冊&中級者向け15冊(2017年春版) - 渋谷駅前で働くデータサイエンティストのブログ),いわゆる「み…

たまにはアルファベット順に曲を聴いてみるのもいいもんだ

iTunesで新しくアルバムを書い続けても結局お気に入りのものしか聴かなくなるんですが,アルファベット順に「A」から曲を聴いていくと,なかなか面白いものがあります。 全11,000曲の最初と最後は 「A」から始まって数字に移って最後は日本語になるので,最…

菅原潤『京都学派』講談社(講談社現代新書)

曲がりなりにも京都の大学に通い,そして1ページでもあっても西田幾多郎の『善の研究』を読んだ身としては,本書を読まずにはいられませんでした。「京都学派」なる言葉はうっすらと聞いた記憶がありながらも,そこに属する人たちが第二次世界大戦後に「好戦…

小倉紀蔵『朝鮮思想全史』筑摩書房(ちくま新書)

その厚さに,本屋で見かけたときに怯んだのは事実なんですが,「面白そう」という気持ちが勝って読んでみました。いろいろと不可解なことがあり起こっている「彼ら」のものの考え方や思考様式を理解したい,というのがモチベーションでした。朝鮮思想全史 (…

雨宮正佳「最近の金融政策運営について」

過去20年間を振り返ると,一時的な要因(持続可能でない要因)で,需給ギャップがプラスになった時期はあるが,基本的には供給超過状況が続いていた。それが16年の終わり頃からようやく,ITバブル(注:00年)や住宅バブル(注:米国,06-07年)の頃よりはよ…

一松信『暗号の数理:作り方と解読の原理』講談社(ブルーバックス)

暗号の数理といえば,なんとなく知っているのは「公開鍵と秘密鍵,素数と素因数分解」という程度なんですが,この本はサブタイトルにある通り「作り方と解読の原理」をちょっと踏み込んで(「P問題とNP問題」「フェルマーの小定理」などを持ち出して)解説し…

森下典子『日日是好日:「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』新潮社(新潮文庫)

人から本を勧められることも少ないし,勧められても実際に読んでみることは少ないのですが,これは違いました。で,読んでよかった。日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ (新潮文庫)作者:典子, 森下新潮社Amazonこの本がどういう本か,何を伝えよ…

シャツをカスタムメイドしたら,受取は配達にせず直接した方がいい(自戒)

いつも銀座三越でワイシャツをカスタムメイドしてもらっていた(過去形)んですが,幻滅することが二度ほどありまして。一度目は,剣ボロ。「前回までと全部同じように作ってください」とお願いしたのに,仕上がってうちに配達されたのを着てみると,どうも…

トーマス・トウェイツ『ゼロからトースターを作ってみた結果』新潮社(新潮文庫)

原著が出版されたのが2011年,この文庫版が出たのが2015年なので,本当に「今さらながら」なのですが,読んでみました。ゼロからトースターを作ってみた結果 (新潮文庫)作者:トーマス トウェイツ新潮社Amazon 翻訳の「軽いノリ」は,原文を読んでいないので…