Dribs and Drabs

書評じゃなくて,ただのメモ

伊藤浩介『脳と音楽:脳科学者が挑む音楽の正体』世界文化社 760

脳と音楽 (基礎から身につく「大人の教養」)作者:伊藤 浩介世界文化社Amazon 類書はいくつか読んでいるけど──参考図書にあがっている『音楽の科学』を含めて──「音波と音は別物」というのは初めて。そこから始まって,心理学やら脳科学やらを駆使して〈音楽…

クリストファー・チャブリス, ダニエル・シモンズ『錯覚の科学:あなたの脳が大ウソをつく』文藝春秋 145.5

錯覚の科学作者:クリストファー・チャブリス,ダニエル・シモンズ文藝春秋Amazon 邦題に〈錯覚〉って入っちゃってるから145.5に分類されているけど,本当の意味での〈錯覚〉ではないんじゃない?──原題は『The Invisible Gorilla: and other ways our intuiti…

加藤喜之『福音派:終末論に引き裂かれるアメリカ社会』中央公論新社(中公新書) 312.53

福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会 (中公新書)作者:加藤喜之中央公論新社Amazon これまた〈トランプ大統領誕生の落とし子〉。だけど,他の〈落とし子〉たちはそのショックに引きずられるようにして生まれた──あるいはなんとなくこじつけが感じられる─…

上野修『スピノザの世界:神あるいは自然』講談社(講談社現代新書) 135.2

スピノザの世界―神あるいは自然 (講談社現代新書)作者:上野 修講談社Amazon 最後の最後でニーチェとスピノザとの対比が出てきたのは良かった。 x はじめに 1 企て スピノザ自身による入門書 純粋享楽を求めて 喜ばしい賭 剰余 目的とは衝動のことである 欲…

イカロスMOOK『東名高速をゆく:“高速道路の代名詞”を全方位的に楽しみ尽くす!!』イカロス出版 514.6

NEXCO中日本イメージキャラクター 上戸彩 INTERVIEW 集中工事CM撮影に密着!! 建設快調!新東名──これが“未来の高速道路”だ!! NEXCO中日本高速道路ルートガイド──日本の誇る”大動脈”を徹底解剖!!! 東名高速道路 名神高速道路 伊勢湾岸自動車道 伊勢自動車道 …

大和田俊之『アメリカ音楽の新しい地図』筑摩書房 764.7

アメリカ音楽の新しい地図 (単行本)作者:大和田 俊之筑摩書房Amazon またしても,2016年のトランプ大統領選出の影響が強く感じられる本である──『ヒトは〈家畜化〉して進化した』に続いて。 「本書は主としてメインストリームのミュージシャンの活動を通して…

ブライアン・ヘア『ヒトは〈家畜化〉して進化した:私たちはなぜ寛容で残酷な生き物になったのか』白揚社 469.2

ヒトは〈家畜化〉して進化した作者:ブライアン・ヘア,ヴァネッサ・ウッズ,藤原多伽夫白揚社Amazon これまた,〈なんでこの本読もうと思ったんだっけ〉案件。〈家畜化〉という言葉はインパクトがあるけど,内容的には他でも見たことがあるようなもの。 はじめ…

アンディ・クラーク『生まれながらのサイボーグ:心・テクノロジー・知能の未来』春秋社 007.11 114

生まれながらのサイボーグ: 心・テクノロジー・知能の未来 (現代哲学への招待 Great Works)作者:アンディ・クラーク春秋社Amazon どうい経緯で,なんでこの本を読もうと思ったんだっけ? それを忘れると,なかなか入りづらい。力作なのはよく分かったけど──…

納富信留『プラトンとの哲学:対話篇をよむ』岩波書店(岩波新書) 131.3

プラトンとの哲学 対話篇をよむ (岩波新書)作者:納富 信留岩波書店Amazon 著書が「あなた」って言ってるのはプラトンのこと。それはまさに「「プラトンの哲学」は存在しません。私たちにあるのは「プラトンとの哲学」だけでしょう」から来ていると思うんだけ…

ウィル・ヘイグル『マッドヴィランの嘘と真実:MFドゥームとマッドリブのアンダーグラウンド・ヒップホップ伝説』DU BOOKS 764.7

マッドヴィランの嘘と真実 MFドゥームとマッドリブのアンダーグラウンド・ヒップホップ伝説作者:ウィル・ヘイグルDU BOOKSAmazon 本文よりも解説の方がすごいんじゃないか。翻訳の吉田雅史がすごいし,DU BOOKS──Disk Union)の出版部門なの?──は他にもいい…

俵万智『短歌をよむ』岩波書店(岩波新書) 911.104

短歌をよむ (岩波新書 新赤版 304)作者:俵 万智岩波書店Amazon 俵万智という人のたたずまいが好きなんですよ。文中に関西弁が出てきたので,奈良の人かなと思ったら,大阪出身だった──大阪の中でも奈良寄りなようだけど。 なんで「よむ」なんだろうと思った…

中原治『基礎から学ぶ統計学』羊土社 417

基礎から学ぶ統計学作者:中原治羊土社Amazon ネットでいい評判を目にしたから読んでみた。たしかにこれ,分かりやすい。農学部での講義がベースになっていることから,統計学を〈使う〉ことが主目的で,そのために〈定性的に理解する〉ことを目指しているか…

マルクス・シドニウス・ファルクス『奴隷のしつけ方』筑摩書房(ちくま文庫) 232

奴隷のしつけ方作者:ジェリー・トナー マルクス・シドニウス・ファルクス太田出版Amazon このフレームワーク──〇〇時代の△△に扮して××を語る──を使えば他にもいろいろ面白いものができるかもしれない。それが何かは,すぐには思いつかないけれど。 x 著者挨…

山田裕樹『変な心理学:バズっているアレの正体』筑摩書房 140.4

変な心理学 ――バズっているアレの正体 (ちくま新書)作者:山田祐樹筑摩書房Amazon 著書本人にとっては大事(おおごと)なんだろうが、素人の読者にしてみれば〈針小棒大〉な感が否めない──あえて面白いように書こうとして,空回っている感も少しある。 第1章…

佐藤雅彦『作り方を作る』左右社 674.6

作り方を作る 佐藤雅彦展公式図録作者:佐藤雅彦左右社Amazon 悔しいけど面白い。悔しいぐらいに面白い。 x 物語の形をした図録 第1章 別のルールで物を作ろうと考えている 自分がいる場所ではないと思っていた表現の場 佐藤雅彦はグラフィックデザインから始…

松永K三蔵『バリ山行』講談社 913.6

バリ山行作者:松永K三蔵講談社Amazon 山の話と会社の話,その二筋が走ってるかたちになってるけど,山の話──あるいは〈バリ山行〉のもつ意味合い──が会社の話に回収されそうでされてないところが,いい。 んだけど,会社の話のとこを真面目に読む人っている…

きまたりょう『世界一わかりやすい筋肉のつながり図鑑』KADOKAWA 491.169

世界一わかりやすい 筋肉のつながり図鑑作者:きまた りょうKADOKAWAAmazon こことここが繋がってます。こことここはこんな動きをします。はい,で? ……ではあるんだけど,運動するときに──特にゴルフスイングするときに──その〈つながり〉のようなものを意識…

御子柴善之『自分で考える勇気:カント哲学入門』岩波書店(岩波ジュニア新書) 134.2

自分で考える勇気 カント哲学入門 (岩波ジュニア新書)作者:御子柴 善之岩波書店Amazon カントさん,いろんなことを考えたみたいだけれど,オレとしてはこっちのアプローチの方が好きだな↓。面白いことにこの本,「タスク分析の概念はカントである。少なくと…

中畑正志『アリストテレスの哲学』岩波書店(岩波新書) 131.4

アリストテレスの哲学 (岩波新書)作者:中畑 正志岩波書店Amazon このページ数にしてはだいぶ広範な内容をカバーしていると思う。最初の方は面白いと思ったんだけどなぁ。 x はじめに I アリストテレスはほんとうに重要なのか──知的探究の行程=方法 1 現代に…

納富信留『哲学の誕生:ソクラテスとは何者か』筑摩書房(ちくま学芸文庫) 131.2

哲学の誕生 ──ソクラテスとは何者か (ちくま学芸文庫)作者:納富信留筑摩書房Amazon ソクラテスの〈周辺〉をめぐる本。「無知の知」というフレーズに対する批判がいちばん面白かった。 まえがき 第一章 ソクラテスの死──プラトン「パイドン」の語り ソクラテ…

ミハイル・バフチン『ドストエフスキーの詩学』筑摩書房(ちくま学芸文庫) 980.28

ドストエフスキ-の詩学 (ちくま学芸文庫 ハ 8-1)作者:ミハイル・バフチン筑摩書房Amazon 山形浩生(だったか)がTwitterでこの本を褒めていたから読んでみた。確かに面白い(月並みな感想)。 x 凡例 著者より 第一章 ドストエフスキーのポリフォニー小説お…

吉田正尚, 長谷川晶一『決断:カンボジア72時間』主婦の友社 783.7

決断ーカンボジア72時間ー作者:吉田 正尚,長谷川 晶一主婦の友社Amazon 申し訳ないけど,野球の話がいちばん面白い。あと吉田の奥さんの数々のコメント。 共著ということになっているライター(長谷川)の〈私〉が前面に出てきているのが,違和感だな。か…

藤沢晃治『「分かりやすい文章」の技術:読み手を説得する18のテクニック』講談社(ブルーバックス) 816

「分かりやすい文章」の技術 新装版 読み手を説得する18のテクニック (ブルーバックス)作者:藤沢晃治講談社Amazon 〈「分かりやすい文章」の技術〉が,分かりやすい文章で書かれていましたとさ。 x はじめに 第1章 「分かりにくい文章」がいっぱい! 真意…

鬼界彰夫『ウィトゲンシュタインはこう考えた:哲学的思考の全軌跡1912–1951』講談社(講談社現代新書) 134.97

ウィトゲンシュタインはこう考えた-哲学的思考の全軌跡1912~1951 (講談社現代新書 1675)作者:鬼界 彰夫講談社Amazon 入門書としては永井均の方がとっつきやすいかなぁ。これはこれで〈力作〉という感はあるし,面白いけど──特に序盤。『論理哲学論考』にフォ…

長谷川宏『ヘーゲル『精神現象学』入門』講談社(講談社選書メチエ) 134.4

ヘ-ゲル『精神現象学』入門 (講談社選書メチエ 153)作者:長谷川 宏講談社Amazon NDCってガウスにもアインシュタインにも固有のコードは与えられていないのに,なんで哲学者はそうなっているんだろう,っていうのをつねづね思っているんだけど,それはともか…

高岡詠子『シャノンの情報理論入門:価値ある情報を高速に、正確に送る』講談社(ブルーバックス) 007.1

シャノンの情報理論入門 価値ある情報を高速に、正確に送る (ブルーバックス)作者:高岡詠子講談社Amazon 最近話題のClaude,その名前の由来はクロード・シャノン──ということで,これを読んでみた。流し読みなので数式は追ってないけど,エッセンスは掴んだ…

ケイト・フォックス『イングリッシュネス:英国人のふるまいのルール』みすず書房 361.42

イングリッシュネス作者:ケイト・フォックスみすず書房Amazon 原書の半分しか訳出していないし,そもそも原題は《Englishness》ではなかった。ジェレミー・パックスマンのコメントがちょいちょい出ていたのは面白かった。〈文化人類学〉臭をなくして全部訳出…

ブライアン・クリスチャン, トム・グリフィス『アルゴリズム思考術:問題解決の最強ツール』早川書房

アルゴリズム思考術 問題解決の最強ツール (早川書房)作者:ブライアン クリスチャン,トム グリフィス早川書房Amazon タイトルに騙された──原書タイトルが《Algorithm to live by》で、こっちの方が内容のニュアンスよく伝えているよな(当然だけど)。 x は…

エマ・バーン『悪態の科学:あなたはなぜ口にしてしまうのか』原書房 801.4

悪態の科学:あなたはなぜ口にしてしまうのか作者:エマ・バーン原書房Amazon 訳者は黒木章人さん──『Status and Culture』の人。もうちょっとLivelyな例が載っていると面白かったんだけど,先行研究をうまいことまとめました,みたいな感じになっている。 こ…

筒井康隆『誰にもわかるハイデガー : 文学部唯野教授・最終講義』河出書房新社 134.96

誰にもわかるハイデガー 文学部唯野教授・最終講義 (河出文庫)作者:筒井康隆河出書房新社Amazon ここにあるように『存在と時間』の本質が倫理的なもの──人間は死すべきものであり,それを不安に思うから良心を持とうとする──のだとしたら,頑張って読む意味…