Dribs and Drabs

ランダムな読書歴に成り果てた

アジア.東洋

池内恵『サイクス=ピコ協定百年の呪縛:中東大混迷を解く』新潮社(新潮選書)

【中東大混迷を解く】 サイクス=ピコ協定 百年の呪縛 (新潮選書)作者:池内 恵新潮社Amazon 池内センセいわく,中東の今の混乱の原因をサイクス=ピコ協定(だけ)に求める単純が言説が流布しているけれど,実際はそんな簡単なもんじゃない,ということで,本…

トーマス・L・フリードマン『ベイルートからエルサレムへ:NYタイムズ記者の中東報告』朝日新聞社

ベイルートからエルサレムへ―NYタイムズ記者の中東報告作者:トーマス・L. フリードマン朝日新聞Amazon こんどレバノン人を採用するって言ったら韓国人の同僚から勧められたのが,この本。目からウロコが何枚落ちたことか。 イスラエルとレバノンの共通点は,…

クライブ・ハミルトン『目に見えぬ侵略:中国のオーストラリア支配計画』飛鳥新社

目に見えぬ侵略 中国のオーストラリア支配計画作者:クライブ・ハミルトン,山岡鉄秀飛鳥新社Amazon 『侵食される民主主義』*1 *2で紹介されていた本。 著者が熱意を込めて本書を著したというのはよく分かる。相当なページ数で,二段組。取材が丹念で,情報が…

崔吉城『キリスト教とシャーマニズム:なぜ韓国にはクリスチャンが多いのか』筑摩書房(ちくま新書)

キリスト教とシャーマニズム ――なぜ韓国にはクリスチャンが多いのか (ちくま新書)作者:崔 吉城筑摩書房Amazon 「キリスト教が第一宗教である韓国では,近代以降,伝統的なシャーマニズムが形を変えてキリスト教伸張につながった。また,その独特な布教でも知…

伊東順子『韓国 現地からの報告:セウォル号事件から文在寅政権まで』筑摩書房(ちくま新書)

韓国 現地からの報告 (ちくま新書)作者:伊東 順子筑摩書房Amazon 面白くて一気に読んでしまった。 本当にタイトル通りで「韓国,現地からの報告」だし,それがカバーするのは「セウォル号事件から文在寅政権」までの時期(つまりはここ6-7年)だし。 何が面…

朱建栄『江沢民の中国:内側から見た「ポスト鄧小平」時代』中央公論社(中公新書)

1994年に出版されたこの本。「過渡期の中国を分析するこの本の寿命は二・三年かも」と謙遜しているが,なかなかどうして,今(2020年)に読んでも十分に面白かった。 江沢民の中国―内側から見た「ポスト〓@68B0小平」時代 (中公新書)作者:朱 建栄中央公論社A…

細谷雄一『国際秩序:18世紀ヨーロッパから21世紀アジアへ』中央公論社(中公新書)

国際秩序 - 18世紀ヨーロッパから21世紀アジアへ (中公新書)作者:細谷 雄一中央公論新社Amazon細谷雄一らしい,参考文献が懇切に付与され,そして丁寧が議論がなされている本でありました。ただ,サブタイトルにある「18世紀ヨーロッパ」に関する記述が厚く…

中国の保険業界事情と規制(C-ROSS)について

中国保険業界事情と規制 CASから2ヶ月に1冊届けられる『actuarial review』という冊子に,中国の保険業界事情と規制(C-ROSS)について書かれていた論考があった。 著者は,Bo Huang。FCASで,KPMGチャイナのシニア・アクチュアリアル・マネージャー。北京を…

柯隆「習近平政権下の中国経済」

抜粋 2013年6月と8月に中国に出張し,景気は経済統計より悪くなっていると実感した。その根拠として,広州から深圳までの間で見かけたコンテナトラックの数が1,2年前に比べて激減している。数%という減り方ではなく何分の1という感じである。広州−深圳高速…