Dribs and Drabs

ランダムな読書歴と音楽にまつわる備忘録

器楽合奏 Instrumental ensembles

佐々木敦『ニッポンの音楽』講談社(講談社現代新書)

ニッポンの音楽 (講談社現代新書)作者:佐々木敦講談社Amazon はじめに 本書は、一九六〇年代の終わりから現在までに至る、この国のポピュラー・ミュージックの流れ、すなわち「ニッポンの音楽」の歴史を、出来るだけコンパクトに通覧してみようとするもので…

Chilly Gonzales《Gonzo》|ラップのこと,リチャード・クレイダーマンのこと

自分もまさにソロピアノのアルバムで Chilly Gonzales を知って,なもんだから「静謐で内向的で……」みたいな人物をイメージしていたんだけれど,ロンドンで10年ほど前に彼のライブを観にいったとき,その先入観とは裏腹に,声の大きなエンターテイナーである…

マイケル・E・ヴィール『DUB論』水声社

この本の存在を知ったのはこのツイートのおかげ: 『DUB論』は濃密で分厚いので読み進め辛いですが、「最終章 エレクトロニカ、リミックス文化、そして世界のポピュラー音楽を変えるジャマイカ」は、パンク、ポストパンク、UKロック、ざっくり欧米としての「…

Caribou @ Spotify O-EAST, 2024.10.14

現代のエレクトロニカ御三家といえば Floating Points / Four Tet / Caribou だと思うし,特に Floating Points《Crush》が出てからは自分の中でその順番だったけど,最近気づいたら自分の中で Caribou が一番になってた。ここ2年,ジムの中で流すのはもっぱ…

加藤一陽『音楽メディア・アップデート考:批評からビジネスまでを巡る8つの談話』リットーミュージック

柳樂光隆さんの『Jazz The New Chapter』について知りたくて手にとっただけだけど,思いのほか収穫が多かった。 まずロッキンオンの話。鹿野さんが『Japan』やりたかったわけじゃないけどロッキンオンに入社したとかいう話があったけど,自分も『Cut』の編集…

Caribou《Honey》

ということで Caribou《Honey》がフルリリースされた。ダンサブルでハッピーでもう最高,としか言いようがないんだけど,ここで本人が語っているように, ‘Honey’ is out now. i hope it brings you joy. x d https://t.co/zVMM569DtZ pic.twitter.com/MQ0Xa…

Radio Head《Kid A》

数日前,「24年前のこの日にこのアルバムがリリースされた」みたいな感じで,Twitter上に《Kid A》が溢れてた。 去年の暮れだったかな,Apple Musicが過去の名盤のTop100をランキングしてて,この《Kid A》も入っていたんだけど,それより《OK Computer》の…

Jamie xx《In Waves》〈Baddy On the Floor〉, Keni Burke〈Let Somebody Love You〉

ツアーも発表されて豊洲にやってくることが判明した Jamie xx。ほんとクセになるテクノディスコサウンドで,最近めっちゃ聴いてます。Gilles Peterson on BBC6 のプログラム*1〈Baddy On the Floor〉が流されて,「あれ,また同じ曲につなぐの?」と思ったら…

Various Artits《Red Hot & Rio》

大学生のとき,大学にはろくに行かずに,むしろ近くのポール・スミスに行っては店員さんと駄弁っていたんだけど(いまにして思えばウザい学生でしかない),そのときの店員のひとりだった田口くんに勧められたのが,このアルバム。 Red Hot プロジェクトとか…

BIGYUKI @ Blue Note Place, 2024.9.20

こないだ代々木上原OPRCTではソロライブだったけど,今回はバンド。 とにかくBIGYUKIが演奏してて楽しそう。このメンバーでバンドとして演奏できていることが楽しい,そんな感じがひしひしと伝わってきた。 ドラムのジャリスも楽しそう。ニコニコしながら叩…

Call Super, Julia Holter〈Illumina - Doves of Discipline Mix〉

2023/10/7。 www.bbc.co.uk この日が自分にとって Call Super に出会ってしまった,Call Super を知ってしまった日になりましたとさ。(よくよく調べたら2000年に本人がこのGillesのプログラムに出てて,それを聞き逃したオレなんなんだって感じなんだけど)…

Four Tet《Three +》

ほんとにこの人の言うとおりでね…… Four Tet、floating points、Jamie XX、Caribouが同じ年にアルバム出すなんて、四皇の頂上決戦みたいやな。 pic.twitter.com/awAqFdQ5Mk— 音楽好き左利き平凡耳 (@oK_Blonde_) September 13, 2024 いや,Jamie xx は正直よ…

Kassa Overall《SHADES 3》

[ Kassa Overall のミックステープ。 ] なんだけど,知ったきっかけは Gilles Peterson のプログラム。 www.bbc.co.uk 冒頭はFloating Points + Pharoah Sanders『Promises, Movement 1』のリミックスで,Gillesもこれに対しては「だれかがこの曲のリミック…

Floating Points《Cascade》

Floating Points としては2019年《Crush》以来となるアルバム,ってことになると思うんだけど,その間リリースされてたシングルは聴いてて正直ピンとこなかったというか,なんか散漫で淡白な印象を受けていたんだけれど,こうやってアルバムでまとめて聴くと…

金聖響, 玉木正之『ロマン派の交響曲 : 『未完成』から『悲愴』まで』講談社(講談社現代新書)

ロマン派の交響曲―『未完成』から『悲愴』まで (講談社現代新書)作者:金 聖響,玉木 正之講談社Amazon 読むと話としては面白いんだけど,実際に聴いてみるとやっぱりそうでもないという…。いや,ブラームスの4番とかは,この本のおかげで興味深く聴けたか。 …

金聖響, 玉木正之『マーラーの交響曲』講談社(講談社現代新書)

マーラーの交響曲 (講談社現代新書)作者:金 聖響,玉木 正之講談社Amazon いやほんとこの本のおかげでマーラーの交響曲に出会えたと思う。感謝感謝。まぁここで書かれている解釈が「唯一」のものではないと思うけれど,にしてもかなりいいガイダンス/ナビゲ…

金聖響, 玉木正之『ベートーヴェンの交響曲』講談社(講談社現代新書)

ベートーヴェンの交響曲 (講談社現代新書)作者:金 聖響,玉木 正之講談社Amazon 「メロディといっても,チャイコフスキーのような長く歌うメロディではなく,わずか四つか五つの音だけで純粋に美しい響きをつくっている」のがベートーヴェンだという。五番第4…