Dribs and Drabs

ランダムな読書歴に成り果てた

日本

佐藤健太郎『ふしぎな国道』講談社(講談社現代新書)

ふしぎな国道 (講談社現代新書)作者:佐藤健太郎講談社Amazon 余はいかにして国道マニアとなりしか 本書は,日本の道路行政の問題について鋭く分析・検討し,何ごとか物申すような本ではない。各地の絶景やグルメを楽しむための,ドライブガイドのような本で…

山本統一『SEが基礎から学ぶ金融システムの教科書』日本実業出版社

SEが基礎から学ぶ金融システムの教科書作者:山本 統一日本実業出版社Amazon 〈SEが〉の要素が思ったより薄くて〈金融システムの教科書〉の要素が多かったな,という印象。「勘定系とは何か」とか,そういうことを知りたかったんですけど……。 338.21 SEが基礎…

毛利嘉孝『ストリートの思想:転換期としての1990年代』日本放送出版協会(NHKブックス)

ストリートの思想 転換期としての1990年代 (NHKブックス)作者:毛利 嘉孝NHK出版Amazon ストリートカルチャーについて知見を深めるつもりで適当に手に取ったら,社会科学/現代思想の本だった。「〈ストリート〉の思想」じゃなくて「ストリートの〈思想〉」だ…

都市建築TOKYO編集委員会『都市建築TOKYO:超高層のあけぼのから都市再生前夜まで』鹿島出版会

都市建築TOKYO――超高層のあけぼのから都市再生前夜まで作者:都市建築TOKYO編集委員会鹿島出版会Amazon 面白そうだなと思って手にとってみたけれど,なんだかよく分からない。いや,その界隈の人にすれば大層価値のある書物なのかもしれないが,門外漢にとっ…

大田俊寛『オウム真理教の精神史:ロマン主義・全体主義・原理主義』春秋社

オウム真理教の精神史―ロマン主義・全体主義・原理主義作者:大田 俊寛春秋社Amazon ずっと読みたかった本,ようやく読んだ。著者のいうように,「本書はおそらく,オウム論としてはかなり異色のものになるのではないだろうか。オウムに直接関係していること…

本橋恵一『最新 電力・ガス業界の動向とカラクリがよ~くわかる本:業界人、就職、転職に役立つ情報満載』秀和システム(図解入門業界研究)

図解入門業界研究 最新電力・ガス業界の動向とカラクリがよ~くわかる本[第6版] (How-nual図解入門業界研究)作者:本橋 恵一秀和システムAmazon よくまとめられているし,カバレッジも広い。ただプレゼン資料を読んでいるみたいで面白くはない。気になるトピッ…

鈴木智彦『サカナとヤクザ:暴力団の巨大資金源「密漁ビジネス」を追う』小学館

サカナとヤクザ ~暴力団の巨大資金源「密漁ビジネス」を追う~ (小学館文庫)作者:鈴木智彦小学館Amazon Twitterで目にしていた本,ようやく読んだ。胸焼けがしそうなほど濃密な本書だが,「好き放題にアワビが密漁され,密漁団にとっては濡れ手にアワビの状…

佐道明広『自衛隊史:防衛政策の七〇年』筑摩書房(ちくま新書)

自衛隊史: 防衛政策の七〇年 (ちくま新書)作者:佐道 明広筑摩書房Amazon 教義の自衛隊史にとどまらず,日本の安全保障,日米関係(安保),本土と沖縄との関係,そして民主主義というものを俯瞰し,そしてそれらについて考えさせられるという,非常に骨太な…

中澤渉『日本の公教育:学力・コスト・民主主義』中央公論社(中公新書)

日本の公教育 - 学力・コスト・民主主義 (中公新書)作者:中澤 渉中央公論新社Amazon 内容的にちょっと肩透かし....むしろ「日本の公教育を検討・分析するためのフレームワーク」といったところで,概念的な話が多かった. 話としては,教育には正の外部性が…

深尾京司『世界経済史から見た日本の成長と停滞:1868-2018』岩波書店

何を思ったか妻が買ってた(知人に勧められたらしい)。 世界経済史から見た日本の成長と停滞――1868-2018 (一橋大学経済研究叢書 67)作者:深尾 京司岩波書店Amazon 著者が「はしがき」で述べるように,「本書の目的は,このような日本の経済発展を,長期的な…

清水唯一朗『近代日本の官僚:維新官僚から学歴エリートへ』中央公論社(中公新書)

近代日本の官僚 - 維新官僚から学歴エリートへ (中公新書)作者:清水 唯一朗中央公論新社Amazon 思ってたのと違ってた…。この「思ってたのと違ってた」感,この本のときと同じだ。 浅見雅男『皇族と天皇』筑摩書房(ちくま新書) - Dribs and Drabs 原題の官…

松岡亮二『教育格差 : 階層・地域・学歴』筑摩書房(ちくま新書)

Twitterだけ見てるとすごい流行ってるし大名著みたいに見えるんですけど, 教育格差 ──階層・地域・学歴 (ちくま新書)作者:松岡亮二筑摩書房Amazon まぁ確かに「教育格差」を生んでいる構造を丁寧・丹念に記述しているのはそうなんだけど,穿った見方をすれ…

小熊英二『日本社会のしくみ:雇用・教育・福祉の歴史社会学』講談社(講談社現代新書)

小熊英二が現代的(と思えた)テーマに取り組んだのは意外に思えたけど,序章を読んだらやっぱりこれは小熊英二による小熊英二らしい本なんだなと思えた。あいかわらず「真面目」で「膨大」である。 日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学 (講談社…

鈴木美勝 『日本の戦略外交』筑摩書房(ちくま新書)

日本の戦略外交 (ちくま新書 1236)作者:鈴木 美勝筑摩書房Amazon高坂正堯『国際政治 - 恐怖と希望』中公新書のような「一般的」な本も面白いのであるが,あるいは福永文夫『日本占領史1945-1952 - 東京・ワシントン・沖縄』中公新書のような本で過去を知るの…

日本再建イニシアチブ『民主党政権失敗の検証:日本政治は何を活かすか』中央公論社(中公新書)

『現代日本の地政学』に続いて,日本再建イニシアチブの書いたものを読んでみました。民主党政権 失敗の検証 - 日本政治は何を活かすか (中公新書)作者:日本再建イニシアティブ中央公論新社Amazonこの本が出版されたのが2013年9月。そこから民主党は民進党へ…

日本再建イニシアティブ『現代日本の地政学:13のリスクと地経学の時代』中央公論社(中公新書)

独立系シンクタンク「日本再建イニシアティブ」による著書で,中公新書からは『民主党政権 失敗の検証 - 日本政治は何を活かすか』に次ぐもの。地政学に対する自分の興味が強まっている中で(地政学について知りたい - Dribs and Drabs),「現代の」「日本…

清水真人『財務省と政治:「最強官庁」の虚像と実像』中央公論社(中公新書)

財務省の文書改竄事件で盛り上がる今,読むべき本はこれでしょうと思って手に取りました。そういう意味で期待していた内容とは違っていたのですが,まぁそうじゃなくても面白かった。そのタイトル通り,財務省(あるいは旧大蔵省)が政治のプロセスにいかに…

田崎史郎『安倍官邸の正体』講談社(講談社現代新書)

安倍官邸の正体 (講談社現代新書) 作者: 田崎史郎 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2014/12/17 メディア: 新書 この商品を含むブログ (5件) を見る 財務官僚は極めて優秀であり,議員会館を回って議員とよく話している。その優秀さと熱心さにおいて,他の省…