Dribs and Drabs

ランダムな読書歴に成り果てた

鈴木智彦『サカナとヤクザ:暴力団の巨大資金源「密漁ビジネス」を追う』小学館

Twitterで目にしていた本,ようやく読んだ。胸焼けがしそうなほど濃密な本書だが,「好き放題にアワビが密漁され,密漁団にとっては濡れ手にアワビの状態になっている」といった程度のダジャレは登場する。漁業経験者のヤクザはいるが農業経験者は一人もいないという指摘は,本質的だと思った。

漁業をちょっと取材するだけで,密漁や産地偽装などの諸問題がごろごろ出てくる。叩けば埃どころではない。こびりついた垢に近い。漁業者にしても変えなければならないことは分かっている。だが,出来ないのだ。なので蓋をする。そうして気づかぬふりを続ける。

662.1

サカナとヤクザ : 暴力団の巨大資金源「密漁ビジネス」を追う (小学館): 2018|書誌詳細|国立国会図書館サーチ