2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧
体の知性を取り戻す (講談社現代新書)作者:尹 雄大講談社Amazon 本書を最初に開いたときに,ページの濃度の薄さ――つまりスカスカした感じ――が気になった。一読して,その〈スカスカ〉は内容もそうだったことが分かった。 いった自分は何を読まされたのだろう…
着眼と考え方 現代文解釈の基礎〔新訂版〕 (ちくま学芸文庫)作者:遠藤嘉基,渡辺実筑摩書房Amazon 「半世紀近くにわたって読み継がれた,至高の現代文教本」(裏表紙より)だそうだ。たしかにその解説は懇切丁寧だし,ボトムアップで体系的に書かれている。た…
倒壊する巨塔〈下〉―アルカイダと「9・11」への道作者:ローレンス ライト白水社Amazon 下巻になってアメリカ側が出てくる。その中心はジョン・オニール*1。FBI捜査官で,対テロ作戦部長で,早くからビンラディンに注目しており,しかしFBIをやめたあとはワー…
倒壊する巨塔〈上〉―アルカイダと「9・11」への道作者:ローレンス ライト白水社Amazon とりあえず上巻だけ。 ものすごい本である。「講釈師,見てきたような嘘をつき」というフレーズがあるけれど,この著者はまさに〈見てきたような〉臨場感とリアリティー…
群衆の智慧 (角川EPUB選書)作者:ジェームズ・スロウィッキー,小高 尚子KADOKAWAAmazon 『「みんなの意見」は案外正しい』角川文庫(2009)の改題,修正。 「みんなの意見」は案外正しい (角川文庫)作者:ジェームズ・スロウィッキーKADOKAWAAmazon 原タイ…
競争と協調のレッスン コロンビア×ウォートン流 組織を生き抜く行動心理学 (T's BUSINESS DESIGN)作者:アダム・ガリンスキー,モーリス・シュヴァイツァーTAC出版Amazon それなりに面白い内容だけど,本としての〈底の浅さ〉をどうしても感じてしまう。考えら…
マンガでわかる Excel作者:あきばさやかKADOKAWAAmazon 〈初歩の初歩〉といったレベルなのだけど,この中に出てくるショートカットを自分が全部使えているかどうか,少し不安になる。 それにしても,こういうマンガ形式は敷居を低くするのに役立っているし,…
文体練習作者:レーモン・クノー朝日出版社Amazon 久しぶりに読んでみた。気づいたのは,訳者(朝比奈弘治*1)による〈あとがき〉が,本文に勝るとも劣らないぐらい面白いということだ。 すぐれた書物というものは普通,豊かな内容を格調の高い文体で表現した…
【新版】日本語の作文技術 (朝日文庫)作者:本多勝一朝日新聞出版Amazon 先の大栗先生の本*1にも登場していた本書である。 「作文技術」といいつつ,ここで主に指南されるのはミニマムな文の組み立てについて。つまり,文内に複数ある修飾語・句・節をどう配…
探究する精神 職業としての基礎科学 (幻冬舎新書)作者:大栗博司幻冬舎Amazon 明らかにマックス・ヴェーバーを意識しただろう大業なサブタイトルとは裏腹に,本書の大部分は大栗先生の自分語り――子供のころから今に至るまで何を見て何を読んで何を考えてどう…
「公益」資本主義 (文春新書)作者:原 丈人文藝春秋Amazon 岸田首相の「新しい資本主義」のブレーンだといわれる*1原丈人による本書。もっともらしいことを述べておりつつも議論が乱暴――たとえば「経済格差が広がったからテロが増えている」みたいな主張――で…
情報と国家-憲政史上最長の政権を支えたインテリジェンスの原点 (単行本)作者:北村 滋中央公論新社Amazon 「北村滋」といわれてもピンとこないけど,「北村前国家安全保障局長」という字面には多くの人が見覚えがあるはず。「九年半以上もの間,内閣情報官及…
中部銀次郎 ゴルフの極意 心のゲームを制する思考 (日経ビジネス人文庫)作者:杉山 通敬日経BPAmazon アマチュアゴルファーが「もしかしたら自分のゴルフにも活かせるんじゃないか」と期待が持てるような〈名言〉が散りばめられている。 「ゴルフでは起こった…
多様性の科学 画一的で凋落する組織、複数の視点で問題を解決する組織作者:マシュー・サイドディスカヴァー・トゥエンティワンAmazon 非常に示唆的であった。「なぜ多様性が重要かというと,多様性のあるチームの方がいいチームになりうるから」ということが…
シミュレーショニズム―ハウス・ミュージックと盗用芸術作者:椹木 野衣洋泉社Amazon 文庫化されるにあたって冒頭に「講義篇」を付け加えたのが,この『増補 シミューレーショニズム』だという。その講義篇がいちばん読みやすくかつ面白く,初出時の文章――要す…
哲学の誤読 ―入試現代文で哲学する! (ちくま新書)作者:入不二 基義筑摩書房Amazon 刺激的な本である。ユニークな知的刺激が得られる。これを読み終えたからといって日常生活やら仕事やらに一切のメリットはないはずだけど,でもこういう本を「理解できるよ…
大映テレビの研究作者:竹内義和澪標Amazon 本を読みながらこんなに笑ったのも久しぶり。そして学びが多かった。 「大映テレビ」っていうと自分の中では『スチュワーデス物語』――リアルタイムでは観ていないけれど――であり『アリエスの乙女たち』であり『プロ…
段落論 日本語の「わかりやすさ」の決め手 (光文社新書)作者:石黒 圭光文社Amazon 「段落論」ときくと「トピック・センテンス」*1のようなものを容易に想像する。実際に本書はトピック・センテンス――あるいはそれに象徴される欧米風のコンポジション(作文技…