Dribs and Drabs

ランダムな読書歴に成り果てた

原丈人『「公益」資本主義:英米型資本主義の終焉』文藝春秋(文春新書)

岸田首相の「新しい資本主義」のブレーンだといわれる*1原丈人による本書。もっともらしいことを述べておりつつも議論が乱暴――たとえば「経済格差が広がったからテロが増えている」みたいな主張――で,本気でいってるのか悪意があるのかよく分からない。参考文献はあげられていないし,本書内で図はひとつだけだし。いろんな人を登場させて自説をサポートするようなことを言ってますよと主張している――その最たるのが冒頭のモルガンスタンレーの人――のも,胡散臭さに拍車をかけている。

「いまの資本主義はいきすぎだから,原点に戻るべし」と著者は主張してるんだけど,その「原点」が何なのかは本書内では不明確なんだよね。自分は「冒険貸借」*2のようなものを思い浮かべるんだけど……。

332.06

「公益」資本主義 : 英米型資本主義の終焉 (文藝春秋): 2017|書誌詳細|国立国会図書館サーチ