Dribs and Drabs

ランダムな読書歴に成り果てた

下平英輝『フィリピノ語のしくみ』白水社

非ヨーロッパ系の言語になると興味をなくす自分がいることに気づいた。

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1章 文字と発音のしくみ

フィリピノ語は,基本的にローマ字読みで大丈夫です。それに母音はa,e,i,o,uの5つで,日本語の「あいうえお」とは順序が違うだけです。このようにフィリピノ語は,日本語を母語とする人々にとって非常に発音しやすい言葉です。

ところで"Salamat po.”と“Salamat. ”「ありがとう」を比べればわかるように,poは表現を丁寧にしたり散意を表すときに使います。

2章 書き方と語のしくみ

フィリピノ語の基盤であるタガログ語のアルファベットは abakadaといい,A,B,K,D,E,G,H,I,L,M,N,NG,O,P,R,S,T,U,W,Yの20文字です。フィリピノ語のアルファベットはこれにC,F,J,Ñ,Q,V,X,Zの8文字を加えた28文字になります。

Amerikanaの最初の大文字Aを小文字aにするとamerikana「背広」になってしまいます。

このようにsakit「病気,痛み」は“帽子”や“服”,“靴”という小道具を使うことで,いろいろな意味の語になることができます。とはいえ masakit「痛い」やsakitin「病気がちな」,sumakit「痛くなる」を見ればわかる通り,sakit とまったく関係のない意味の語になってしまうわけではありません。

3章 文のしくみ

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1章 区別のしくみ
2章 人と時間のしくみ
3章 「てにをは」のしくみ
4章 数のしくみ
  • 1 isa イサ
  • 2 dalawa ダらワ
  • 3 tatlo タットろ
  • 4 apat アーパット
  • 5 lima りマ
  • 6 anim アーニム
  • 7 pito ピト
  • 8 walo ワろ
  • 9 siyam シヤム
5章 実際のしくみ

辞典だけ見ても Filipino,Tagalog,Pilipino と3つの名称が使われています。しかし言語としての実体は同じと考えてよいので,心配は無用です。

参考図書ガイド

会話部分が実用的な上,文法の説明も充実しています。文化や社会に関するコラムは興味深いものばかりです。

用例が豊富。動詞も色々な種類が紹介されています。

他の本が扱っていない文法事項の説明が非常に詳しいです。

幅広い分野にわたって基本的な単語が載っています。

日本で唯一の貴重なフィリピン事典です。機会があればぜひ一度読んでみてください。

フィリピンの歴史,宗教,芸術,社会,政治などについて書かれた入門書です。

フィリピンに関するさまざまな題材が取り上げられています。2009年発行の「現代フィリピンを知るための61章(第2版)」も合わせてどうぞ。

フィリピノ語のしくみ 新版 | NDLサーチ | 国立国会図書館

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