Dribs and Drabs

ランダムな読書歴に成り果てた

経済 Economics

大城信晃 『AI・データ分析プロジェクトのすべて:ビジネス力×技術力=価値創出』技術評論社

渋谷駅前の人が紹介していたので眺めてみた。 2024年版:独断と偏見で選ぶ、データ分析職の方々にお薦めしたいホットトピックス&定番の書籍リスト - 渋谷駅前で働くデータサイエンティストのブログ データサイエンススキルとデータエンジニアリングスキルの…

佐藤智恵『外資系の流儀』新潮社(新潮新書)

外資系の流儀(新潮新書)作者:佐藤智恵新潮社Amazon 10年前の本だけど,さすがに10年前であっても〈外資系企業〉はもっと多様化していただろうというか,こんなベタな〈外資系〉ってどれぐらいあるんですか,って感じ。 335.47 外資系の流儀 (新潮社): 2012…

ダニ・ロドリック『グローバリゼーション・パラドクス:世界経済の未来を決める三つの道』白水社

グローバリゼーション・パラドクス: 世界経済の未来を決める三つの道作者:ダニ ロドリック白水社Amazon 〈訳者あとがき〉に内容がサマライズされていて,それを読んだら「もういいかな」って気分になった。いわく, 本書の核となるアイデアは,市場は統治な…

ブレント・ゴールドファーブ, デヴィッド・カーシュ『テクノロジー・バブル:なぜ「熱狂」が生まれるのか(生まれないのか)?』日経BP

テクノロジー・バブル なぜ「熱狂」が生まれるのか(生まれないのか)?作者:ブレント・ゴールドファーブ,デヴィッド・カーシュ日経BPAmazon いかにもビジネススクールで教える人が書いたっていう本。つまり,包括的で記述はしっかりしているが,面白くない。 …

茶野努, 安田行宏『基礎から理解するERM:高度化するグローバル規制とリスク管理』中央経済社

基礎から理解するERM ―高度化するグローバル規制とリスク管理作者:茶野 努,安田 行宏,廉 了,増井 正幸,矢野 聡,浅見 潤一,浜崎 浩一,植村 信保,伊豆原 孝中央経済社Amazon ERMに関して,ポジティブに言えば「多彩なトピックが盛り込まれている」し,ネガティ…

中出哲『海上保険:グローバル・ビジネスの視点を養う』有斐閣

海上保険 -- グローバル・ビジネスの視点を養う作者:中出 哲有斐閣Amazon 海上保険の基礎的なところをしっかりと解説してくれる。特に,貨物保険と船舶保険の前提になるところーー貨物であれば貿易のしくみとかーーが丁寧に解説されていると思った。個人的な…

エリン・メイヤー『異文化理解力:相手と自分の真意がわかるビジネスパーソン必須の教養』英治出版

異文化理解力 ― 相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養作者:エリン・メイヤー,田岡恵英治出版Amazon 『NO RULES』の共著者による本で,同書の中にでてきた〈カルチャーマップ〉ーー他国の人と仕事をするにあたって把握しておいた方がいい指標…

山本統一『SEが基礎から学ぶ金融システムの教科書』日本実業出版社

SEが基礎から学ぶ金融システムの教科書作者:山本 統一日本実業出版社Amazon 〈SEが〉の要素が思ったより薄くて〈金融システムの教科書〉の要素が多かったな,という印象。「勘定系とは何か」とか,そういうことを知りたかったんですけど……。 338.21 SEが基礎…

フレデリック・ラルー『ティール組織:マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現』英治出版

ティール組織 ― マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現作者:フレデリック・ラルー,嘉村賢州英治出版Amazon 人気の本っぽかったので借りてみた。 まず〈ティール〉って色の名前なんだそうな(teal)*1。著者いわく,人類のパラダイムと組織の発達にはい…

デイヴィッド・エンリッチ『スパイダー・ネットワーク:金融史に残る詐欺事件――LIBORスキャンダルの全内幕』ハーパーコリンズ・ジャパン

スパイダー・ネットワーク 金融史に残る詐欺事件――LIBORスキャンダルの全内幕 (ハーパーコリンズ・ノンフィクション)作者:デイヴィッド エンリッチハーパーコリンズ・ジャパンAmazon LIBORに〈不正〉があって廃止されたことは知っていたけど,まさかこんなこ…

原丈人『「公益」資本主義:英米型資本主義の終焉』文藝春秋(文春新書)

「公益」資本主義 (文春新書)作者:原 丈人文藝春秋Amazon 岸田首相の「新しい資本主義」のブレーンだといわれる*1原丈人による本書。もっともらしいことを述べておりつつも議論が乱暴――たとえば「経済格差が広がったからテロが増えている」みたいな主張――で…

マックス・ウェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』日経BP社(Nikkei BP classics)

プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 (日経BPクラシックス)作者:マックス・ウェーバー日経BPAmazon 他の古典――たとえば『種の起源』とか――に比べれば遥かに「読める」。のだけれど,ウェーバーの記述は冗長であり洗練されているとはいいがたく,全体…

ジェフリー・フェファー『人材を活かす企業:「人材」と「利益」の方程式』翔泳社(Harvard business school press)

人材を活かす企業 (Harvard Business School Press)作者:ジェフリー・フェファー翔泳社Amazon 「従業員を大事にする企業は成長する」ということを,さまざまなデータやケースを用いて示していく。真面目な学術書であり,遊びの要素はない。 具体的な話として…

フランク・H・ナイト『リスク、不確実性、利潤』筑摩書房

リスク、不確実性、利潤 (単行本)作者:フランク・H・ナイト筑摩書房Amazon 読みにくい。ナイト本人が本書を「従来の経済的教義の根本原理をより正確に提示し,その含意をより明確に示そうとする試みを表した」と言っているわりには,訳者には「ナイトの議論…

藤沢晃治『「分かりやすい表現」の技術 : 意図を正しく伝えるための16のルール』講談社(ブルーバックス)

「分かりやすい表現」の技術―意図を正しく伝えるための16のルール (ブルーバックス)作者:藤沢 晃治講談社Amazon 道路標識や案内,看板,広告などで,分かりにくい実例を挙げて改善例を提案している。分かりにくい例を「違反」と称しているのはどうかと思うが…

マット・リドレー『人類とイノベーション:世界は「自由」と「失敗」で進化する』ニューズピックス

人類とイノベーション:世界は「自由」と「失敗」で進化する (NewsPicksパブリッシング)作者:マット・リドレーニューズピックスAmazon 本書の要旨としては,イノベーションっていうと「すごい人がなんかドカンとアイデアを生みだした」みたいに思われがちだ…

ニコラス・レマン『マイケル・ジェンセンとアメリカ中産階級の解体:エージェンシー理論の光と影』日経BP

マイケル・ジェンセンとアメリカ中産階級の解体――エージェンシー理論の光と影作者:ニコラス・レマン(Nicholas Lemann)日経BPAmazon なんだろう,邦題(の不適切さ)が気になるのと,最終章「利益者集団による多元主義」に大事なことが書かれていそうなのに,…

ロン・チャーナウ『モルガン家:金融帝国の盛衰』日本経済新聞社(日経ビジネス人文庫)

モルガン家(上) 金融帝国の盛衰 (日経ビジネス人文庫)作者:ロン・チャーナウ日本経済新聞出版Amazon モルガン家(下) 金融帝国の盛衰 (日経ビジネス人文庫)作者:ロン・チャーナウ日本経済新聞出版Amazon Amazonの購入履歴によれば,2008年に買って読んでいた…

バーバラ・ミント『考える技術・書く技術 : 問題解決力を伸ばすピラミッド原則』ダイヤモンド社

考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則作者:バーバラ ミントダイヤモンド社Amazon この本の存在は知っていたけど,読むのは初めてかも。 「すらすら楽しく,時を忘れて読み進めた」という類の本では決してなくて,なぜなら,この本を読んだ…

山内恒人『生命保険数学の基礎:アクチュアリー数学入門』東京大学出版会

生命保険数学の基礎 第3版: アクチュアリー数学入門作者:恒人, 山内東京大学出版会Amazon アクチュアリー試験に向けて生保数理を勉強するならこれだよね……って今は他にもいいのが出てるかもしれないけれど,自分の場合はこのおかげで合格できた。 339.1 生命…

中出哲, 嶋寺基『企業損害保険の理論と実務』成文堂

企業損害保険の理論と実務作者:中出 哲,嶋寺 基成文堂Amazon 企業損害保険の中でもプロパティとBI(本書内では「利益保険」)とライアビリティにフォーカスしたもの。企業保険に限っているのはユニークだと思ったけど,「理論と実務」というわりには「理論」…

手島直樹『経営者こそ投資家である:企業価値創造のためのキャピタル・アロケーション』日本経済新聞出版

経営者こそ投資家である 企業価値創造のためのキャピタル・アロケーション (日本経済新聞出版)作者:手島直樹日経BPAmazon 著者の語り口がうまくて,415ページもあるのにどんどん読み進められる。理論とケーススタディーと引用(バフェットのがよく目につくけ…

林泰成, ダニエル・ドーラン『プロの英語:金融・会計の最新キーワード事典』日経BP社

プロの英語 金融・会計の最新キーワード事典作者:林 泰成,ダニエル・ドーラン日経BPAmazon かれこれ10年以上前になるか,自分が外資系/金融業界への転職を切望していたときに,この本を使って勉強してた。「金融」がまだキラキラしてた時代ですね。 英語の…

西野智彦『ドキュメント日銀漂流:試練と苦悩の四半世紀』岩波書店

ドキュメント 日銀漂流――試練と苦悩の四半世紀作者:西野 智彦岩波書店Amazon 著者紹介:1958年長崎県生まれ。慶應義塾大学卒業。時事通信社で編集局、TBSテレビで報道局に所属した。著書に「検証経済迷走」「検証経済暗雲」「平成金融史」など。 政治と官僚…

中野貴之『IFRS適用の知見:主要諸国と日本における強制適用・任意適用の分析』同文舘出版

IFRS適用の知見-主要諸国と日本における強制適用・任意適用の分析- (法政大学イノベーション・マネジメント研究センター叢書)作者:中野 貴之 編著同文舘出版(株)Amazon 海外主要諸国や日本でIFRSを実際に適用して何がわかったか? 気鋭の会計学研究者が分析…

アンドリュー・ロス・ソーキン『リーマン・ショック・コンフィデンシャル 下:倒れゆくウォール街の巨人』早川書房(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

リーマン・ショック・コンフィデンシャル(下) 倒れゆくウォール街の巨人作者:アンドリュー・ロス・ソーキン早川書房Amazon 下巻で特に印象に残ったのは,ブリカス(イギリス政府及びバークレイズ,彼らの煮え切らなさで,リーマン破綻に向けた週末の奮闘が…

アンドリュー・ロス・ソーキン『リーマン・ショック・コンフィデンシャル 上:追いつめられた金融エリートたち』早川書房(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

リーマン・ショック・コンフィデンシャル(上) (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)作者:アンドリュー・ロス ソーキン早川書房Amazon 本書の核となるのは失敗の物語である。それは世界を屈服させ,資本主義の本質に疑問を投げかけた失敗だった。〔中略〕つまる…

あずさ監査法人金融事業部『IFRS「新保険契約」:図解&徹底分析』中央経済社

図解&徹底分析 IFRS「新保険契約」〈改訂版〉中央経済社Amazon 仕事の関係で眺めてみた. 336.92

ロバート・J・シラー『投機バブル 根拠なき熱狂:アメリカ株式市場、暴落の必然』ダイヤモンド社

投機バブル 根拠なき熱狂―アメリカ株式市場、暴落の必然作者:ロバート・J. シラー発売日: 2001/01/01メディア: 単行本 異常なまでに高騰したアメリカの株価の、暴騰と暴落のメカニズムを解明する。FRB議長グリーンスパンの名言を軸に、乱高下する株価の秘密…

小島庸平『サラ金の歴史:消費者金融と日本社会』中央公論社(中公新書)

サラ金の歴史-消費者金融と日本社会 (中公新書 2634)作者:小島 庸平中央公論新社Amazon 無意識的にもっと下賤な感じのものを期待してたけど,ぜんぜんそんなことはなくて,まっとうな研究の書だった.参考文献も充実してたし,著者も終章でこう言ってる. 本…