「従業員を大事にする企業は成長する」ということを,さまざまなデータやケースを用いて示していく。真面目な学術書であり,遊びの要素はない。
具体的な話としては,まず人的資源を重視した経営で成功するには,次の条件を満たす必要がある:
- 従業員が経営者にない知識やスキルを所有していること
- 従業員が各自の知識やスキルを活かそうという意欲を持っていること
- 従業員の知識やスキルが企業戦略の実現に欠かせないこと
そして実際に,収益性・業務の質・生産性を企業が向上させるために必要なのは「従業員の労働意欲を高めて組織力を高めること」であり,そのためには以下が必要になる:
- 従業員に業務の責任や発言を積極的に与えて,労働意欲を高める
- 従業員の能力やスキルを開発する。それらは組織力形成の基盤となる
- 従業員に権限を委譲して,間接費やその他のコストを抑制する
さらには,人材管理から企業利益を生み出すためには,以下の7つの条件がある:
- 雇用の保証
- 採用の徹底
- 自己管理チームと権限の委譲
- 高い成功報酬
- 幅広い社員教育
- 格差の縮小
- 業績情報の共有(オープンブック・マネジメント)
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