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ランダムな読書歴に成り果てた

『How Google Works:私たちの働き方とマネジメント』日本経済新聞社(日経ビジネス人文庫)

文庫になったので,ようやく読みました。で,期待通り面白かったです。

How Google Works(ハウ・グーグル・ワークス) 私たちの働き方とマネジメント (日経ビジネス人文庫)

How Google Works(ハウ・グーグル・ワークス) 私たちの働き方とマネジメント (日経ビジネス人文庫)

  • 作者: エリック・シュミット,ジョナサン・ローゼンバーグ,アラン・イーグル,ラリー・ペイジ,土方奈美
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2017/09/02
  • メディア: 文庫
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内容紹介

グーグル現会長で前CEOのエリック・シュミットと、前プロダクト担当シニア・バイスプレジデントのジョナサン・ローゼンバーグは、グーグルに入社する以前から経験豊富なIT業界のトップ・マネジャーだった。だが、2人が入社したグーグルは、「他とは違ったやり方をする」ことで有名だ。これは、ビジョナリーであり、人とは反対の行動をとりがちな共同創業者2人、ラリー・ペイジセルゲイ・ブリンの方針に沿ったものだった。

入社してすぐにエリックとジョナサンは悟った。グーグルで成功するには、ビジネスとマネジメントの方法をすべて学び直さなければならない、と。本書では、著者2人がグーグルの成長に貢献しながら学んだ「教訓」を豊富な事例とともに語る。

テクノロジーの進歩は消費者と企業のパワーバランスを激変させた。この環境下では、多面的な能力を持つ新種の従業員――スマート・クリエイティブ――を惹きつけ、魅力的で優れたプロダクトを送り出す企業だけが生き残れる。戦略、企業文化、人材、意思決定、イノベーション、コミュニケーション、破壊的な変化への対応といったマネジメントの重要トピックを網羅。

グーグルで語られる新しい経営の「格言」(「コンセンサスには意見対立が必要」「悪党を退治し、ディーバを守れ」「10倍のスケールで考えよ」……など)やグーグル社内の秘話を、驚異的なスピードで発展した社史とともに初めて明かす。

すべてが加速化している時代にあって、ビジネスで成功する最良の方法は、スマート・クリエイティブを惹きつけ、彼らが大きな目標を達成できるような環境を与えることだ。本書は、ただその方法をお教えするものである。
参考にしたいこと

「スマート・クリエイティブ」という語は,何度も何度も本書に出てきます。いわく,「多才で,専門性とビジネススキルと創造性を併せ持っている」「要するに,少なくとも従来の意味での知識労働者ではない」「インターネットの世紀での成功のカギを握る存在」。こういう人たちの集団の創造性をさらに高め,組織として成功に導くためにはどういったことをすべきか,そういったことが,いろんな方面(木曜を設定しないとか,有名な「20%ルール」とか,上にある「10倍のスケールで考える」とか)から書かれているわけです。

まぁ,「うちはそういう会社じゃないから」といって,この本の内容を「あちら側」のものと見なすのは簡単なんですが,それだともったいない。個人的に興味深く感じたのは,「採用」のところです。グーグルの「採用のおきて」ということで,こんなリストがありました。

  • 自分より優秀で博識な人物を採用せよ。学ぶもののない,あるいは手強いと感じない人物は採用してはならない。
  • プロダクトと企業文化に付加価値をもたらしそうな人物を採用せよ。両方に貢献が見込めない人物は採用してはならない。
  • 仕事を成し遂げる人物を採用せよ。問題について考えるだけの人物は採用してはならない。
  • 熱意があり,自発的で,情熱的な人物を採用せよ。仕事がほしいだけの人物は採用してはならない。
  • 周囲に刺激を与え,協力できる人物を採用せよ。ひとりで仕事がしたがる人物は採用してはならない。
  • チームや会社とともに成長しそうな人物を採用せよ。スキルセットや興味の幅が狭い人物は採用してはならない。
  • 多才で,ユニークな興味や才能を持っている人物を採用せよ。仕事しか脳がない人物は採用してはならない。
  • 倫理観があり,率直に意思を伝える人物を採用せよ。駆け引きをしたり,他人を操ろうとする人物を採用してはならない。
  • 最高の候補者を見つけた場合のみ採用せよ。一切の妥協は許されない。

ふー。肝に銘じます。