Dribs and Drabs

ランダムな読書歴に成り果てた

ノーレン・ガー『ニヒリズムとテクノロジー』翔泳社

非常に読みごたえのある本であった。1行ごとに読みごたえがあった。

本の冒頭で編集部が丁寧にまとめてくれているように,第1章は本書の全体像を記し,第2章と第3章は,本論に入る前に哲学的な基礎知識を知っておくための章。そして第4章から第9章までが,各論。この第2章と第3章が,ニーチェ(とサルトルとハイデガー)の思想のおさらいみたいになっていて,読むのに結構難儀するけれど,でも著者は丁寧に書いてくれているので,頑張れば読めるし理解できる。

テクノロジーに囲まれた自ら(の生活)を顧みるのにもいい機会になったし,ニーチェにも再び興味を持たせてくれた。

『悦ばしき知識』第3章125番のパロディとして書かれた「9.1 狂気の人間」が上出来だったな。

諸君はあの狂気の人間のことを耳にしなかったか。白昼に,懐中電灯のアプリを点灯させながら,近くのスターバックスへ駆けてきて,ひっきりなしに「おれはグーグルを探している! おれはグーグルを探している!」と叫んだ人間のことを。

007.3

ニヒリズムとテクノロジー (翔泳社): 2021|書誌詳細|国立国会図書館サーチ