ERMに関して,ポジティブに言えば「多彩なトピックが盛り込まれている」し,ネガティブに言えば「ランダムなトピックが詰め込まれている」。銀行の話もあれば保険の話もある。それはまぁいいんだけど,そうするとこのページ数では満足感のある記述ができないんじゃないか…。銀行のERMにしても地銀のリスク管理の話まであったり,保険のERMにしても損保ジャパンCROのふわっとした話があれば各社のERMの開示状況についての話もあったり……「編者の人脈から書き手を寄せ集めただけでは?」という感が否めない。
さらに冒頭でいきなりコロナの話で始まり,さらに「中国・武漢で発生した肺炎」「情報の隠蔽がどうたら」みたいな調子で,悪意を感じずにはいられないというか,床屋談義をきかされているというか……。
まあね,ERMについては先行する書物が多くあるので,なにか特色を出さなければいけないという気持ちはよく分かるんですが……。
339.35
基礎から理解するERM : 高度化するグローバル規制とリスク管理 (中央経済社): 2020|書誌詳細|国立国会図書館サーチ