Dribs and Drabs

ランダムな読書歴に成り果てた

池谷裕二『怖いくらい通じるカタカナ英語の法則:ネット対応版 : ネイティブも認めた画期的発音術』講談社(ブルーバックス)

例の脳科学者・池谷裕二による本なのである。が,冒頭で理屈をこねくり回して「日本人には本当の英語の発言ができない! カタカナ英語でいくしかないのだ!」と謳っている時点でかなりダウト。それって単に自己を正当化してるだけじゃん,としか思えない。

その後もいろんな例文の〈カタカナ英語〉が載ってるんだけど,こんなのひとつひとつ覚えていくんだったら,普通に英語の発音の練習した方がよくない? だってたとえば,「アイムサポウズタゴスィアダクトゥオ」って字面見て,本当に日本語のように抑揚なく話したらまったく意味通じないだろうし,これをさも英語言ってますみたいに言える人って,ある程度英語話せる人だと思うんだよね。*1

そして最後の方にいくつかの〈法則〉が載ってるんだけど,「NTのTは消える」って法則があって,要するに"twenty"を「トゥウェンティー」じゃなくて「トゥウェニ」って言うってやつ。この「Tを消す」のってめっちゃアメリカ英語くさいのでイギリス人相手にやると変な顔されるし,さらに発音が全体的に流暢じゃない中でこの「Tを消す」のをやるとすげー違和感あるんですけど……。

831.1

怖いくらい通じるカタカナ英語の法則 : ネット対応版 : ネイティブも認めた画期的発音術 (講談社): 2016|書誌詳細|国立国会図書館サーチ

*1:ちなみにこれは,"I'm supposed to go see a doctor."