Dribs and Drabs

ランダムな読書歴と音楽にまつわる備忘録

増田忠幸『韓国語のしくみ』白水社

動詞の活用の〇〇型とかちゃんと読むの避けていたんだけど,この本を読んだら丁寧語の作り方とか活用全般についてよく分かった……というか,ちゃんと分かりたいなという気分になってきた。

i

1章 文字と発音のしくみ

「ハングル」を使うというのは基本的にいっしょですが,日本でも,地方の方言があってことばがちがうように,いくつかの異なる点があります。そのひとつが,北では最初にくるㄹやㄴが,南ではㅇになる場合があるということです。

昔,結婚前の男性は髪を三つ編みにしていましたが,このヘアスタイルを총각と言ったことから,独身男性を意味するようになり,これが「チョンガー」という日本語になって使われるようになりました。

2章 書き方と語のしくみ

実は,서울は「都」「首都」という意味の固有語なのです。ですから,漢字はありません。

3章 文のしくみ

ii

1章 「てにをは」のしくみ

実は,가다や오다の丁寧形をつくるときには,語幹가や오と次の요の間には,本来それぞれを結びつける아があるのです。ただ가다は가のㅏと아のㅏが重なるので、아が省略されて가요になります。一方오다は,오と,아からㅇをとったㅏが合体した와に,요がついて와요となります。/가다 : 가+아+요= 가요(아の省略)/오다 : 오+아+요 = 와요(오とㅏが合体)

この場合の가/이は「では(じゃ)」、아니다は「ない」の意味で、「では(じゃ)」と「ない」と同じように,この가/이と아니다もセットで用いられます。

日本語では同じ「で」ですが,韓国語では手段や道具の「で」と場所をあらわす「で」は別の語になります。

日本語では同じ「に」であっても,韓国語では「ソウル」や「家」のような「場所」「物」の場合は여,「人」や「動物」の場合には하테と使いわけているのです。

2章 区別のしくみ

누구 가방のようにだれかの所有するものという関係が明らかな場合は의は省略されることが多く,서울의 대학のような서울と대학の関係がはっきりしない場合は의をつけます。

その場にないものを話題にするとき,話をしている人がすでに知っているかどうかによって,日本語では「その」と「あの」を使いわけていますね.しかし,「あの」の意味の韓国語はこの場合저ではなく,그が使われています。韓国語では,そこにないものは,日本語のように区別せずに,그であらわします。

日本語では,「たち」は主に「人」に使われ,動植物や無生物には,「鳥たち」「花たち」「星たち」など限られた場合以外にはあまり使われませんね。/これに対し,韓国語の複数をあらわす들はいろいろな動植物や無生物にも使われます。

「あなた」にあたる韓国間は당신ですが,これは夫婦間とか広告で使われる'당신의' ~「あなたの~」のように,不特定多数の人への呼びかけ,あるいは尋問したり,叱責したりする場合にも使われます。/そして,「あなた」と同じように,年配の人には使いにくいことばです。日本語の「あなたは」「あなたを」がyouと同じようには使えないのと同じで,당신も安易に使わないほう方がいいでしょう。

このようにどんなものかを説明することを修飾と言い,この場合の形容詞のかたちを,名詞(体言)につくので,連体形と言います。/日本語では形容詞の基本形「大きい」と連体形「大きい~」は,同じかたちですね。しかし,韓国語では「大きい」にあたる基本形は크다,連体形は語幹크の下にㄴがついた큰というかたちになります。

でも,どうして同じ連体形なのに、かたちがちがうのでしょう。/連体形のかたちが크다と작다でちがうのは,語幹が母音と子音のどちらで終わるかによって,次のように変わるからです。

日本語では,形容詞の基本形「赤い」と名詞につく連体形「赤い~」が同じかたちですね。動詞も「行く」「行く店」のように同じかたちになりますが,韓国語では,形容詞も動詞も基本形と連体形でかたちがちがいます。

形容詞の連体形は語幹が母音で終わればㄴ,子音で終われば은をつけましたが,動詞の場合は語幹が母音・子音のどちらで終わっても,すべて는をつけます。

3章 ニュアンスのしくみ

そのため,対等な関係や,目下の人に対してはうちとけた言い方をすることが多いのですが,これを「パンマル」と言います。韓国語では반말と書きますが,文字通り、반「半分」の말「ことば」で,あらたまった言い方ではありません。慣れるまでは,パンマルを無理に使う必要はありませんが,ドラマや映画を見ていると,よく出てくることばです。/パンマルにはいろいろなかたちがありますが,代表的なのは丁寧形の요をとったものです。

4章 数のしくみ
5章 実際のしくみ
参考図書ガイド

韓国のことばに関する本は数多く,特徴もさまざまですが,ここでは私の関わった入門・基礎の本をご紹介します。これ以外のものについては書店などで実際に手にとってご自分に合う本を選んでみてください。

韓国語の文字,発音,文などのおおまかなしくみを日本語と比較しながら読み進むことで理解できるようになっています。

文字,発音,しくみという3部構成で,学習者の疑問に答えながらそれぞれのコツがつかめる形式になっています。

NHKラジオハングル講座・入門編の前半部を再構成し,さまざまな場面で使える表現を中心にまとめられています。

ハングルの特徴と韓国語のしくみを基礎から解説し,ポイントとなる発音や表現のまとめや韓国語への変換練習もあります。

基礎編と実編の2部構成で,身近なテーマについて書いたり読んだりしながら韓国語の基本的なしくみが理解できます。

日本語をヒントに「ハングル」の文字や発音の特徴と韓国語の作り方を知るための「ことばのレシピ」です。

韓国語のしくみ 新版 | NDLサーチ | 国立国会図書館

829.1