もともと『Cooking for Geeks』を買ったときに求めていた内容が,この本にコンパクトにまとめられていた,という感じですね。
- 作者:杉田 浩一
- 発売日: 2006/11/01
- メディア: 単行本
「葉物はお湯から,根菜は水から(茹でる)」といった,よく言われていることの理由を,科学的に明確に説明してくれている。しかもそれが,「洗う」「ひたす」「切る」「する・おろす」「こねる・混ぜる」「冷やす」「焼く」「炒める」「揚げる」「蒸す」「ゆでる」「煮る」「たく」「電子レンジでの調理」「味つけ」「保存・加工」「食品の組み合わせ」というカテゴリーごとに,まんべんなくトピックがカバーされている。これはやはり,この界隈の書籍では信頼と実績のある柴田書店ならではの編集力,といえましょうか。
文中で過去の研究結果がいろいろと引用されているのですが,そのオリジナルの研究が1920年代のものもあったりして,この書籍の初版が1971年であったということを加味しても古いものを引いてくるもんだな,というか,それが悪いということではなくて,そんな古い時代から料理に対する科学的な検証というのがなされていたという事実に,感動と畏怖の念を抱くわけです。