Dribs and Drabs

ランダムな読書歴に成り果てた

千葉雅也『現代思想入門』講談社(講談社現代新書)

ここで言う「現代思想」とは,一九六〇年代から九〇年代を中心に,主にフランスで展開された「ポスト構造主義」の哲学を指しています。フランスを中心としたものなのですが,日本ではしばしば,それが「現代思想」と呼ばれてきました。

その代表として本書ではデリダ/ドゥルーズ/フーコーの3人を扱う。めっちゃ難解だと思っていた彼ら(特にデリダとドゥルーズ)の思想がさらりと解説され,それが逆に不安になるのだけど,著者いわく「入門の入門」といった内容なので,これはこれでいいんだろう。逆にその3人の解説を離れてニーチェとかフロイトとかマルクスとかラカンとかの思想を解説するときに,その記述の内容がどんどん深まっている。

「付録 現代思想の読み方」も面白かった。初心者向けのさらっとした読みと同時に上級者ならではの読みも披露されて,まさにこういうのが読みたかったんだ,という感じ。

130

現代思想入門 (講談社): 2022|書誌詳細|国立国会図書館サーチ