かつてポーランドとチェコスロヴァキアとが連邦/連合を組もうとしていたけれど,日英ソの思惑に振り回されてそれが実現することはなかった,という話。
それ自体は興味深い事実だし,それを丁寧に描いてはいる。本書の特徴としては,タイトルからの匂うように,多少イキった雰囲気があるところ。
本書の構成は,中欧の戦後秩序をめぐる,小国側の構想と大国側の思惑との緊張関係という点を重視しているため,帰結部にあたる最後の二章を除き,小国の指導者を主たる登場人物とした奇数章と,大国の指導者を主たる登場人物とした偶数章とで,交互に,あたかも映画のフラッシュ・バックのような技法で描く。
「あたかも映画のフラッシュ・バックのような技法で」が余計だろ。
230.7