これもなんでこの本の存在を知ったのか覚えてないんだけど……。要するに進化論の話で,その内容は裏表紙が見事に要約している:
人類の進化の本質とは,突き詰めてみれば何なのか。本書は人間を動物から区別する二つのもの「身ぶり」と「言葉」から,この大きな問いに迫ってゆく。ここでいう「身ぶり」とはたんなるしぐさに留まらない。技術を含む文化的行動様式いっさいを含んでいる。二足歩行によって頭蓋と手足を発達させた人類が,いかにして「知性」を育み,記憶を外部のアーカイブに託していったのか。その後の文明的価値観に大きな変更をもたらした新たな「欠乏と制御」とは。壮大なパースペクティヴのもと,人の進化に理論的かつ実証的に迫った,スリリングな大著。
ということで,思わせぶりなタイトルとは裏腹に,なーんだ『文化がヒトを進化させた』*1みたいな本ね,と。あちらが〈文化〉と呼んでいるものがこちらでは〈身ぶり〉と〈言葉〉という二語で表現されているんだけど,特にこの〈身ぶり〉という語の選択がなんともフランスしぐさというか……。
たしかに〈大著〉なのよ。先史時代時代からカバーしているし,クロニクルかつ徹底的に記述している。でも,面白いかっていうと,そうではない。ピエール・テイヤール・ド・シャルダン*2の名前が途中何度か登場して,そのたびにザラっとした気持ちになる。いや,ド・シャルダンの本との表面的な近さはないんだけど,そのものものしさとか深淵ぶってる感じとかーー平たくいえば〈面白み〉のなさーーで共通するものがあるようで……。
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