自炊したときのPDFが手元に残っていたので,再読してみまた。
が,評価が難しい……。「人間の体はこういう構造でこういう癖があるから,こういう意識で動いた方がいいよ」というのは真実だろうけど,「そもそもこの本の中で目指そうとしているスイングが最適(に近いものなのか)」というのは判断できない。というか,この本に限らずだけど,いろんな計測とか科学的な分析が進んだ今,こういう本みたいに主観と少ないサンプル数に頼った本の信頼性というのは相対的に下がっていると思ってしまうんだよな……。
引用
以下,山括弧(〈〉)内のコメントは僕のものです。
- 本書では,他にも〈外からはトッププロが左右に体重移動しているように見えて,プレーヤー自身は右への体重移動を抑えて左サイドに軸感覚を置いてスイングしていること〉客観と主観の違いで異なる事例を取り上げながら,皆さんが客観的に理解した動作は,どのような感覚で実践していけばそうなるのかを,からだの使い方や練習ドリルを盛り込みながら理解しやすく解説しています。
- 投げる・走る・打つなどの優れた動作には,筋肉の多い部位から少ない部位へと動きが伝わっていくという共通点があります。からだでもっとも筋肉の多い部位は骨盤(股関節)周辺です。ゴルフスイングでのフォワードスイング(ダウンスイング)では,骨盤(股関節)の回旋運動から始まり,肩→肘→手首(上肢)と順序良く動きが伝わっていきます。
- クラブを加速させることは,ボールを遠くに飛ばすための絶対条件です。しかし,腕力(内力)を使ってクラブを加速させようとすると,クラブフェースの向きが不安定になりやすく,方向性が安定しません。方向性を安定させるためには,できるだけアドレス時の左腕の上腕外旋のかたちをインパクトで保つことが重要です。
- 読者の皆さんは腕の始まりはどこか知っていますか? 答えは,胸鎖関節です。
- 胸椎(12分節)と腰椎(5分節)を合わせた胸腰部全体の可動範囲はどのくらいあると思いますか? 答えは,片側約40度です。
- 「左肩を90度回す」という言葉の真実は,胸腰部+股関節+肩甲骨と鎖骨の可動範囲のトータルの動きによるものなのです。
- 椅子に座ってスイングしたりボールを打ったりする練習は,腰椎に過度の負担をかけます。
- ポイント(コツ)は左手でクラブを持つとき,左腕全体を外側に回しながら手の平だけを内側に回すようにクラブを握ります。そうすると予め左上腕が外旋した状態でアドレスすることができます。そのまま左上腕に外旋のテンションをかけておき,インパクトまで外旋のテンションを保つようにスイングすることが大切です。
- 「脇を締める」というのは上腕の外旋を言います。
- 本書は,左重心のスイングを推奨しています。左重心という感覚的な表現をしているその理由の一つに,骨盤はその中心の腰椎では回らずに,左右の股関節で回る,ということがあります。著者の浜田は,左右にある股関節の感覚を研ぎ澄ましていくところから,左股関節軸の感覚を生かす左重心のスイング感覚の威力を見つけ出しました。
- 大事なことは,脚の付け根の鼠径部に股関節があるのではなく,体の横側(体側)のお尻の中に股関節がある,ということです。
- 〈股関節が〉内旋位と外旋位のどちらが腰を回しやすいでしょうか。外旋位の方が楽に,スムースに腰が回ることが感じられたと思います。
- 足首や膝から下の部分を外旋させることを股関節外旋と勘違いしている人がいます。
- 次へ動く側に重心を残せば素早く動けるということです。ゴルフスイングのバックスイングからダウンスイングへの動きの切り替えも,反復横跳びと同じではないでしょうか?
- 私は蹴るという言い方は要注意だと思います。「右足の蹴り」を意識すると拇指球(インエッジ)を強く蹴りながらスイングしてしまうからです。拇指球(インエッジ)を強く蹴りながらスイングすると,重心が押し上げられてしまい,アドレス時の前傾姿勢が崩れて正確なインパクトを狂わせてしまいます。
- 膝を動かす意識を持って練習しても上手くいかないと思います。なぜなら,膝の動きだけに意識を置くと股関節の内外旋を妨げてしまい,腰の回転を悪くさせるからです。
- 実際は「左の壁」とは,左股関節が外旋から内旋へと切り替わるときの締まる感覚だと思われます。
- ドライバーで,ボール1個分左に重心を置いて構えた場合,左足53.0%,右足47.0%の体重配分になっており,左体重でした。
- 重心をセンターに置く感覚で構えた場合は,左足48.6%,右足51.4%の体重配分になり,やや右体重になるという興味深いデータも出ました。
- 同じ距離を走って右回りと左回りでタイムが違うのは,私たちのからだの中に左脚を軸にしてからだを左に回すことが心地よい動きとして潜在的に備わっているからではないでしょうか?
- インパクトで上体の前傾角度と左股関節の高さを保つためには,体感の右側部(右外腹斜筋)を縮める(ゆるめる)感覚を日頃から養っておくことが大切です。
783.8