Dribs and Drabs

ランダムな読書歴に成り果てた

トーマス・マーク『ピアニストならだれでも知っておきたい「からだ」のこと』春秋社

想像以上に解剖学の本だった…。

第1章の最初の項が「ピアニストの身体の傷みと故障」となっているように,多くのピアニスト(というか鍵盤楽器演奏者)が体について間違ったイメージを持っているがゆえに傷みや故障を抱えているという状況を改善する,ということをこの本は主目的にしていると言えるけど,そのベースになるのが「ボディ・マップ」という考え方。つまりは人体の解剖学的な構造を理解し,「ここに書かれていることを頭と身体の両方で本当に理解したとき,身体感覚が目覚め,動きの質が向上し,より良いピアノ演奏ができるようになるでしょう」というものだけど,これは鍵盤楽器に限らず,

「ボディ・マップ」という考え方とその効力――身体の動きを改善して,多くの音楽家が経験する身体の傷みや故障を治癒していくボディ・マッピングの効力――は,そもそもバーバラ・コナブルとウィリアム・コナブルの2人によって発見された

んだと。

例えば,多くの人が「腕は肩から生えている」みたいに思っているけど,それよりは「腕と肩甲骨は繋がっていて,腕は首の下から始まっている」というのが解剖学的にはより正しくて,実際にそういうイメージを持つとより良い動きができるようになるんだとか。

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ピアニストならだれでも知っておきたい「からだ」のこと (春秋社): 2006|書誌詳細|国立国会図書館サーチ