Dribs and Drabs

ランダムな読書歴に成り果てた

アマルティア・セン『アイデンティティと暴力:運命は幻想である』勁草書房

期待感を抱かせるタイトルなんだけど,本書の主張はそれに尽きる。つまり「単一のアイデンティティに人間を押し込めること(=人間の矮小化)が,国家間とか宗教観の紛争に繋がっている」「そうじゃなくて人間のアイデンティティはもっと多様なものだ」し,「それは理性によって選択できる」とかなんとか。各方面からの知見を語ってはいるものの,それによって議論の深さや広さが増しているとは思えない。エッセイの寄せ集め。

361.6

アイデンティティと暴力 : 運命は幻想である (勁草書房): 2011|書誌詳細|国立国会図書館サーチ