Dribs and Drabs

ランダムな読書歴に成り果てた

水木しげる[ほか]『戦争×漫画 1970-2020:ビッグコミックオリジナル特別編集』小学館(BIG COMICS SPECIAL)

ただの寄せ集め。編者のコメントも何もないので,誰がどういう意図でこれらの作品をコンパイルしてどういうメッセージを伝えたいのか,それがまったく分からない。読んでも何も伝わってこない。

冒頭の藤田嗣治「アッツ島玉砕」から水木しげる「人間玉」,からの中条省平による論考の流れはよかったんだけど,それが最大のハイライト。

いちばん酷いと思ったのが石坂啓「さよなら憲ちゃん」という作品(とすら呼びたくないけど)で,温和な憲ちゃん(=日本国憲法)と結婚してる丸子(=日本)が合コンでアグレッシブな新ちゃん(=改憲)と出会い,寝とられ,憲ちゃんは家を出ていき,その憲ちゃんが残した「9条ねぎ」が新ちゃんに捨てられる,みたいな話で,ストーリーが陳腐なら象徴も凡庸で,これが水木しげると同列なの?

戦争×漫画1970-2020 (小学館): 2021|書誌詳細|国立国会図書館サーチ

726.1