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[本]都筑卓司『新装版 四次元の世界―超空間から相対性理論へ』ブルーバックス

Twitterかどこかで目にしたので,買って読んでみました。

新装版 四次元の世界―超空間から相対性理論へ (ブルーバックス)

新装版 四次元の世界―超空間から相対性理論へ (ブルーバックス)

 

最初の方こそ「第1章 次元とはなにか」「第2章 四次元空間の性質」とあって,よくある現実的な次元の拡張の話や,あるいは三次元立方体を平行移動して四次元立方体(超立方体)を作ったときの頂点と綾と面の数などを丁寧に算出しているところ,あるいは平面に無理やり超立方体を描くやり方などは,「四次元の世界」というタイトルから想像される内容の通り。

しかしそのあと話題がどんどん拡張・展開していって,非ユークリッド幾何学に触れられ,光の速度の話になり,相対性理論も持ち出され。確かにサブタイトルに「超空間から相対性理論へ」とあったのを見落としていまして,意外でした。

旧版が出されたのが昭和44年(えーっと,1969年ですか)なので,さすがに文体というか口調は古いですが。なんとも昔のブルーバックスらしい,意欲的な本でした。

そうか,著者は物理学者なのか。 

商品説明

一般読者向けの科学解説書である。著者の都筑卓司は、わかりやすさと厳密さのバランスを工夫しながら、多くの縦書きの科学書を出版してきた。本書は1969年に書かれたものを、その後の進展も含めて全面改訂した新装版である。ルネ・マグリットが描いた乗馬のだまし絵のカバーが印象的な1冊。

内容は、副題の示すとおり、4次元空間から相対性理論まで、近代物理学を概観することである。まず4次元空間の説明から始まり、リーマンの球面幾何やロバチェフスキーの凹面幾何など、いわゆる非ユークリッド幾何の話題に触れている。数学者なら、さらに4次元空間の話を続けるところだが、著者は物理学者である。光の速度が一定という話や、それを裏付けるマイケルソン・モーリーの実験の話から、アインシュタイン相対性理論へ説明が及ぶ。それから4次元空間の話題に戻り、ミンコフスキー空間や光円錐の話になり、最後は重力波や宇宙の構造に触れて締めくくる。

さすがに記号や数式をまったく使わずに説明することはできず、わずかではあるが、数学の記法を併用している。したがって、本書を完全に理解するには、高校程度の数学と物理の予備知識が必要だ。しかし、数式などを読みとばしても、全体の8割程度が理解できれば、十分楽しむことができるだろう。

こうした本のわかりやすさは、どんな図解をするかによるところが大きい。本書では、著者自身が説明用に描いたと思われる図と、イラスト担当者が言葉による説明の理解を助けるために描いた図とを併用している。前者は問題ないが、後者のできばえには満点をつけられない。かえってわかりにくくしてしまうものも、少し含まれている。また、たとえ一般読者向けの科学書でも、より詳しく学びたい人に向けた文献リストと索引とを添えておく方が親切だろう。(有澤 誠)